『詐欺メール』『支払期限： DHLの発送物追跡番号』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

『DHL』を騙る詐欺メール

いつもご覧くださりありがとうございます！

最近またドイツに拠点を置く国際輸送物流企業『DHL』を騙る詐欺メールが散見されるようになりました。
こういった国内外の物流企業を騙る詐欺メールは、流行り廃りが早く一時的に増えているだけで、またすぐに下火になると思いますが、騙されてしまう方も多いと思いますので一応ご紹介しておくことにします。

こういった物流企業を騙る詐欺メールの多くは、住所が正しくないのでリンクから住所や個人情報を更新するように促し、その際に再配達料として若干の費用をオンライン決済で要求しクレジットカードの情報を盗み取ろうとします。
皆さん、よーく考えてみて下さい。
宅配便等で荷物を発送する際の送り状や伝票ってメールアドレスを記入する欄なんてありませんよね？
それなのにこの物流企業はどうして皆さんのメールアドレスを知っているのでしょうか？
それはこのメールの送信者が、何処からか不正に入手したリストに記載されていたメールアドレス宛に無差別でこのメールを送っているからです。

ご覧の通りこの件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は”secure.com”
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みにDHLによると同社が利用するメールアドレスのドメインは『dhl.com』とされています。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた『DHL』からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。

ドメイン”secure.com”を割当てているIPアドレスと比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得した”secure.com”を割当てているIPアドレスです。

全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる”secure.com”を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を導き出してみると、中国 四川省 雅安市 付近であることが分かりました。

ケチの付け所が多いウェブページ

さて、本文の『住所を更新する』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
【h**ps://a164aa11-91ab-4d2a-b188-2532a057c7a6-00-1dnsurojccr0p.worf.replit.dev/japanese.html】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた『DHL』のドメインとは異なるものが利用されていますね。

先程と同様に『aWebAnalysis』さんでこのドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。

このIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、米国の『ノースチャールストン』付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、なんとリンク先はどこからもブロックされることなくあっさりと開いてしまいました。

なんかケチの付け所が多いウェブページですね。
『配送中の出荷』って意味不明ですし『状況:配信中』って動画サイトでもあるまいし配信中ってのは違和感アリアリ。
でもって1.99ドルを配送料として支払うように求めています。
先に進むと、住所や電話番号等の個人情報を入力させられた上でオンライン決済で配送料を支払わせると称してクレジットカードの情報を盗み取られ詐欺の被害に遭うことになります。

まとめ

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;