『詐欺メール』「【えきねっと】情報を更新なお知らせ」と、来た件

不気味なスペース

相変わらず「えきねっと」を騙るフィッシング詐欺メールが多く届きますね。
それも利用規約を更新したからと言い一度ログインして情報確認を促すものばかり。

このメール、何の意味が有るのか分かりませんが不思議なことに所々半角スペースが
入れられているのです。
何なんでしょうね？

では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。

件名は
「[spam] 【えきねっと】情報を更新なお知らせ」
ちょっとおバカな件名ですね「情報を更新な」ではなくて「情報を更新の」ですよね…
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
「”「えきねっと」” <eki-support@eubkfxm.cn>」
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

以前日本の国営企業だったJR東日本が提供するサービスの「えきねっと」さんが、このような
中国のトップレベルドメインを使ってメールアドレスを利用すると思いますか？
だって「えきねっと」さんには”eki-net.com”って正規ドメインをお持ちなのですよ。
正規ドメインが有るのにそれ以外のこのようなでたらめなドメインを使ったメールアドレスで
ユーザーさんにメールを送るなんて信用問題に関わる大きな問題です。

利用されたプロバイダーは「BGP Consultancy Pte」

では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。

先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
さて、どう出るのでしょうか？

では、メールアドレスにあったドメイン”eubkfxm.cn”について調べてみます。

まずこのドメインの持ち主は、私には読めない文字を含む漢字三文字の氏名の方のもの。
「Sponsoring Registrar: 阿里云计算有限公司（万网）」とあるので申請は中国IT企業アリババ
管理しているようです。
そして、申請に使わらたメールアドレスもMicrosoft社が提供するフリーメールの”outlook.com”

”134.122.245.61”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”のIPアドレスも”134.122.245.61”ですからアドレス偽装はありません。

「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス”134.122.245.61”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。

IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。

ピンが立てられたのは、「東京都千代田区」付近です。
使われているプロバイダーは、シンガポールに拠点を置く「BGP Consultancy Pte」
東京にも拠点があるので、このメールは、この付近に設置されたサーバーを介して私に届けられたようです。

サイトのIPアドレスは既にブラックリスト入り

では引き続き本文。