【特集】Amazon騙り詐欺メール484通を徹底解剖:カテゴリ分類と”あり得ない日本語”の実例集

今週の週刊レポートで「Amazonを騙るメールが圧倒的に多い」とお伝えしましたが、今回はその484通を徹底的に掘り下げてみました。件名の言い換えっぷりと、本文に潜む"あり得ない日本語"の実例まで、じっくりご覧ください。
■ その1:件名を手口別に分類してみた
「認証コードを入力させる」パターンよりも、「荷物が届いています」「注文を受け付けました」という配送・注文の体裁で油断させるパターンが7割超を占めていました。荷物を装われると、身に覚えのない注文でも「念のため確認しておこう」とついリンクを開いてしまいやすく、心理的な隙を突く効果の高い手口と言えます。
■ その2:件名は"ほぼ毎回別人"
484通の件名を集計したところ、完全に同じ件名が使われたのはわずか7パターン・延べ17件のみ。残りの467件(96.5%)は、それぞれ一度きりしか登場しない独自の言い回しでした。
人間が手作業でここまでのバリエーションを毎回書くのは非効率です。「コード」を「番号」「検証」「照合」「暗証」と言い換え続ける一貫性も踏まえると、生成AIによる自動パラフレーズが使われているとみられます。
■ その3:本文に潜む"あり得ない日本語"
■ 最大の発見:「ご」「お」の二重敬語
実際に届いた7通の本文を見比べたところ、日本語ネイティブなら絶対にしない「ご」「お」の二重連結ミスが繰り返し見つかりました。敬語を重ねて「もっと丁寧に」しようとしたAIが、文法チェックなしにそのまま出力してしまった跡と考えられます。
※これは笑ってしまうポイントでもありますが、裏を返せば「不自然な敬語=詐欺のサイン」として覚えやすい実用的な見分け方でもあります。

▲「ごお申し込みをお受けいたしました」「ごご購入内容の受領が達成いたしました」——「お」「ご」がそれぞれ二重に。

▲「ワンタイムコードの交付をお預かりしました」——コードを「預かる」のは受け取る側のはずが、送る側の表現になっている珍妙な一文。

▲件名の「お打ち込みのお願い」も、日常ではまず使わない硬い言い回し。

▲「ご注文品のおご受領に関するご一報」「お客様のお近くのおお受け取り所へ届くです」——二重敬語に加え「届くです」という文法崩壊まで同居。

▲「平素より格別のごひいきを賜り」「お客様のご行使に際し」——老舗商店のような大仰な表現と、本来は権利について使う「行使」という言葉の誤用。

▲「照合番号の払い出しをご通知いたします」——「払い出し」は本来、銀行の出金などに使う言葉です。

▲件名からして「ご案内を依頼いたします」と、誰が誰に依頼しているのか主客が入れ替わった一文。本文にも「このたびはごご注文賜り」と二重敬語が登場。
■ 用語解説:二重敬語ってどういうこと?
「ご」や「お」は言葉の頭につけて丁寧さを表す接頭語ですが、1つの言葉には基本的に1回しかつけません。「お申し込み」に、さらに「ご」を足して「ごお申し込み」としてしまうのが二重敬語です。日本語を母語とする人であれば、意識せずとも自然にこのルールを守っています。今回のように機械的な言い換えを繰り返すと、この「1回だけ」というルールが崩れやすく、詐欺メールを見抜く手がかりの1つになります。
■ 注意点と対処法
- 「ごお申し込み」のような二重敬語を見たら詐欺と疑う:Amazon公式のメールがこのような日本語の間違いを送ることはまずありません。
- 身に覚えのない注文・配送通知のリンクは開かない:「荷物が届いた」という体裁でも、まず公式アプリで注文履歴を確認してください。
- コード入力は絶対にしない:本物のAmazonがメール経由で確認コードの入力を急かすことはありません。
- 公式サイト・公式アプリから確認:必ずご自身でブックマークした公式サイトまたは公式アプリからアクセスしてください。
本レポートの結論
484通のAmazon騙りメールは、7割超が「配送・受取」を装う心理的な油断誘導型で、件名は96.5%が一度きりの言い回しという、生成AIによる大量生産の跡が色濃く見られました。本文にも「ごお申し込み」のような二重敬語が繰り返し出現しており、これは笑い事である一方、非常に分かりやすい詐欺の見分け方でもあります。身近な人が騙されてからでは手遅れです。この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
※本記事の集計データは受信サーバーのハニーポットより生成されたものです。














