明らかに『りそな銀行』からではないメール いつもご覧くださりありがとうございます!
やっぱり夏はやってくるんですね… 今日は梅雨の中休みで当地では朝から強烈な日差しが差し込んできています。 思えばもう7月なんですね、まだこの間おせち並べてた気がするのは私だけでしょうか?(;^_^A
さて今回はこちらのメールのご紹介です。
大阪を拠点に営業を行っている都市銀行の『りそな銀行』からのメールとなります。
あらら、りそな銀行から取引の規制に関するメールが来てるわ。 私、何か規制されるようなことしたかしら? 規制日時が7月3日ってことは今日だわね。 出金規制が掛けられるみたいだから口座引落しに影響が出ると困っちゃうわ 直ぐに解除しないと…💦
確かに引落しが滞ると大問題ですよね。 でもお姉さん、ちょっと待ってください。 これ、りそな銀行からじゃないみたいですよ! だって差出人のメールアドレスやリンクのURLのどちらも りそな銀行らしからぬアドレスになっていますよ! それよりなによりお姉さん、りそな銀行の口座持ってないでしょ?(笑)
そうなんです! このメールはりそな銀行になりすましたフィッシング詐欺メールです。 ってか、うちで扱ってる話題なんで分かりますよね?(笑)
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきます。
件名は『【りそな銀行】取引を規制いたしました』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
差出人は 『りそな銀行 <no-reply@zmo141.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。
りそな銀行のオフィシャルサイト でURLにあるドメインド確認すれば簡単に分かることですが りそな銀行さんの公式ドメインは”resonabank.co.jp ”で少なくとも”zmo141.com ”ではありません。
中国仏山市付近から発信 では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received ”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V )』⇒『メッセージのソース(O )』と進むと見られますよ。
ここに掲げた”Received ”は、ヘッダー内に複数ある”Received ”の中で時系列が一番古いもので このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。
末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。
”Received ”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは 送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する
では、”Received ”にあったドメイン”mail3.zmo141.com ”が差出人本人のものなのかどうかを 『Grupo 』さんで調べてみます。
申請者等のあまり詳しい情報は得られませんでしたがこれがドメイン”mail3.zmo141.com ”の登録情報です。 これによると”103.71.51.183 ”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 もちろんこのメールの差出人は偽物ですが”Received ”のIPアドレスと全く同じ数字なので このメールアドレスは差出人ご本人さんのもので間違いなさそうです。
”Received ”に記載されているIPアドレス”103.71.51.183 ”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を『IP調査兵団 』さんで 確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
代表地点として地図に立てられたピンの位置は、中国広東省仏山市付近。 あくまで大雑把な代表地点なのをお忘れなく。 そして送信に利用されたプロバイダーも中国に拠点を置く『CTG Server Limited』 このメールは、仏山市付近に設置されたデバイスから発信され CTG Server Limitedのメールサーバーを介して私に届けられたようです。
香港で稼働中の詐欺サイトは無防備に放置中 では引き続き本文。
※リンクのURLは直リンク防止のため一部の文字を変更しております。
このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは本文内に直書きされていて、そのリンク先をコンピュータセキュリティブランドの 『Norton』の『 Nortonセーフウェブレポート 』で 検索してみるとこのように判定されていました。
既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。
このURLで使われているドメインは”westolypet.com ” このドメインにまつわる情報を『WebAnalysis 』さんで取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスは”45.192.178.182 ” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を 再び『IP調査兵団 』さんで確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)
代表地点として地図に立てられたピンの位置は、香港の九龍(Kowloon)地域。 こちらもあくまで大雑把な代表地点でございます。 利用されているホスティングサービスは中国の『Shenzhen Panshi Yuntian Network Technology』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。
ありゃ、何処からもブロックされることなく開いちゃいました。(;^_^A とても危険な状態で放置されていますね。
確認したところりそな銀行さんインターネットバンキングサイト 『マイゲート』のログインページにそっくりだわ。 ここにログインすると見せ掛けてアカウントの情報を 抜き出そうとしているんですね! 危うく騙されるところだったわ…
まとめ 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;