『詐欺メール』『American Express] カードの発送の準備ができました』と、来た件

祝、2,000エントリー!
スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。

★フィッシング詐欺解体新書★

いつもご覧いただきありがとうございます!

このページのURL”https://ymg.nagoya/spam-mail-2000/”が示す通りお陰様でこのブログエントリーが
2,000本目の詐欺メール関係のエントリーとなりました。
カテゴリー上これが良いことなのか悪いことなのか微妙ではありますが、これもひとえにご覧いただく
皆さんのお陰です。
これからも詐欺メールが続く限りエントリーを増やしていくつもりなので今後共よろしくお願いいたします。

さて記念すべき2,000本目のエントリーはこちらです。

これはアメリカンエキスプレス(以降アメエク)を騙ったフィッシング詐欺メールです。
カードの再発行を装い、本家を模した偽サイトに誘い込んでユーザーIDとパスワードを盗み出し
カードの不正利用を目的としたものです。
もちろん私はアメエクユーザーではありませんのでこのようなメールが送られてくるはずがありません!

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきます。

件名は『[spam] American Express] カードの発送の準備ができました』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『American Express <ajkrgnalo@afcp.jp>』
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

ここからはいつものくだりになりますが…(^^;)
アメエクのオフィシャルサイトでURLを確認すれば簡単に分かりますがアメエクの公式ドメインは
americanexpress.com”でこのような”afcp.jp”なんてドメインではありません。


『さくらインターネット』ユーザーの仕業!

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

Received:『from afcp.jp (os3-295-37112.vs.sakura.ne.jp [49.212.164.116])』

ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので
このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。

ご覧いただいた通りここには”sakura.ne.jp”なんて『さくらインターネット』のドメインがしっかり
刻まれているので恐らくこの差出人はこちらのユーザーです。

末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で
同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。
因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした
ものがドメインと呼ばれるものです。

Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは
送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。

このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”afcp.jp”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。

これがドメイン”afcp.jp”の登録情報です。
『対応するIPアドレスがありません』ってことなのでこのドメインは現在どのIPアドレスにも
割り当てられていません。
IPアドレスに割当てられていないドメインは動作しませんから当然メールなんて送信できません。
これでアドレスの偽装は確定です!

Received”に記載されているIPアドレス”49.212.164.116”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)

地図に立てられたピンの位置は『さくらインターネット』の本社がある大阪市北区付近。
そして送信に利用されたプロバイダーは、もちろん『さくらインターネット』です。
やはりこのメールは『さくらインターネット』のユーザーがこの付近に設置された『さくらインターネット』
のサーバーから発信され私に届けられたようです。


お届け先が郵便番号だけ?

では引き続き本文。

カード番号(下5桁): 53001

再発行カードの発送の準備ができました。

カード作成開始 カード作成完了 お届け

発送方法:

簡易書留郵便

お届け先:

321-0953, JPN

到着予定日は前後する場合がございます。
カードの配送状況は以下よりご確認いただけます。

配送状況を確認する

もちろんカード番号は適当です。
それにこのお届け先の『321-0953, JPN』って郵便番号でしょうか?
調べてみるとその住所は栃木県宇都宮市でした。

そもそも私、名古屋在住なんですけどね。。。(笑)

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『配送状況を確認する』って書かれたところに付けられていて
コンピュータセキュリティブランドの『Norton』の『Nortonセーフウェブレポート』では
このように判定されていました。

既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。

このURLで使われているドメインは”amex.nftbluewhale.com”よこれまたアメエクの物とは全く異なるもの。
このドメインにまつわる情報を取得してみます。

このドメインは中国遼寧省(りょうねいしょう)の方が取得しているものとされています。
割当てているIPアドレスは”47.91.20.215
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

(※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません)

地図に立てられたピンの位置は、国内有数の詐欺サイト乱立地の杉並区立和泉二丁目公園付近。
利用されているホスティングサービスは、中国の『Alibaba.com LLC』
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。

アメエクの本物そっくりのログインページが開きました。
ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。
そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで
詐取されることでしょう。


まとめ

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;


こういった詐欺まがいのブラッキーなメールは、本文中のリンクをクリックしないことが大切!
そしてOS付随のセキュリティーは充てにせず、必ず自身でセキュリティーソフトを導入し
防御することが大切です。
丸腰の方、躊躇しないで「ポチっ」としてご安全に!(*^^*)

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