【要注意】ANA「国内線ペア航空券を無償プレゼント【10万円相当】」は詐欺!ブランド名すら1文字ずつ分割する文字列偽装の正体

「当選しました」という言葉に、つい心が動いてしまうことはありませんか。今回ご紹介するのは、ANAマイレージクラブを騙り「国内線ペア往復航空券を無償プレゼント(10万円相当)」と謳う詐欺メールです。一見よくある当選商法風の文面ですが、HTMLソースを開いてみると、想像以上に手の込んだ偽装が仕込まれていました。
ご覧の通り、このメールはANA公式とは一切関係のない詐欺です。ご家族・ご友人にも共有し、注意喚起にご協力ください。
まず気になったのは「宛名がない」こと
本文は「※ANAマイレージバンクです。」から唐突に始まり、「〇〇様」といった宛名が一切ありません。個人向けの当選通知を装いながら、実際には無差別に同じ文面をばらまいているだけであることを、自ら露呈してしまっています。このメール内のリンクは絶対にクリックしないでください。
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。宛先等の個人情報は伏せています。
※ANAマイレージバンクです。 緊急ご案内のでご確認ください 平素よりANAグループのサービスをご厚情を賜り、誠にありがとうございます 【ご案内】このたび、日頃のご愛顧に感謝し、特別なプレゼントキャンペーンを実施いたします!のでご確認ください。 ■ 先着100名限定 【お知らせ】に国内線ペア往復航空券を無料で差し上げます(重要) ■ ■ プレゼント内容となります ■ 国内線ペア往復券(希望の路線・期間で利用可) ◆ 価値:最大で10万円相当です ◆ 有効期間:1年が可能です 今すぐ無料応募(推奨) hxxps://58tyhn.info/(伏字) © 2026 All fbzNippon vcdAirways Co., Ltd. All Rights Reserved.

実際に届いたメールの画面。「緊急ご案内」「先着100名限定」など、急がせる言葉が随所に使われています。文中には「【お知らせ】抽選ではなく、です」のように主語や助詞が欠落した不自然な箇所も見られます。
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載です。
■ 送信ルート及び偽装判定
送信元IPアドレス解析
送信元IP:27.130.48.108(Received-SPFのclient-ip値より特定、SPF: Pass)
逆引きDNS:27-130-48-108.24.nat.suk-cgn03.myaisfibre.com
HELO/送信ドメイン:mhgsv.58tyhn.info
逆引きDNSのホスト名から、送信元はデータセンターやクラウドではなく、タイの家庭向け光回線サービス(AIS Fibre)のIPアドレスから直接送信されていることが分かりました。乗っ取られた家庭用機器やルーターが踏み台にされている可能性があります。正規のANAからのメールがこうした個人向け回線から送信されることはあり得ません。
■ 用語解説:文字を1つずつ分解する偽装とは?
本文のHTMLソースを開いて確認したところ、日本語の単語や「ANA」というブランド名までもが、1文字ずつがのような「HTML数値文字参照」という記法に置き換えられていました。例えば「ありがとうございます」の「が」の部分だけがこの記法になっていたり、「ANA」という文字が「A」+「A(=A)」+「NA」のように分割されていたりします。
画面上は普通の日本語として表示されるため、見た目では全く気づきません。見た目の自然さに騙されないでください。しかし、メールソフトで「メッセージのソースを表示」を選んでHTMLの中身を直接見ると、単語やブランド名がバラバラに分断されていることが確認できます。これは、キーワードでメールを検出する迷惑メールフィルターの目をすり抜けるための偽装技術です。実際に本物のゼロ幅文字(見えない文字)を使った偽装は過去記事でも扱いましたが、今回のものはそれとは異なる、目に見える文字を分解するタイプの偽装です。
■ 誘導先サイトの状態
リンク先の調査結果
メール内リンク:hxxps://58tyhn.info/(伏字)
名前解決先IP:165.154.241.56(Scloud Pte Ltd)
このIPアドレスは、以前の記事で扱った別の詐欺サイト(nyxiius.info)と同一のホスティング事業者・同一ブロック内にあることが判明しました。複数の使い捨てドメインを同じインフラ上でローテーションさせていると見られます。

同一インフラ上の別ドメインは、セキュリティソフト(ウイルスバスター クラウド)によってすでにフィッシングサイトとしてブロックされていました。

調査時点で該当ページは403 Forbiddenとなっており、既に閉鎖されていました。短期間で使い捨てられていることがうかがえます。
■ 過去のANA詐欺との系譜
ANAを騙る詐欺メールは、当選商法・マイル失効・補償申請など、切り口を変えながら繰り返し確認されています。
- 【実録・閲覧注意】ANA「ボーナスマイル3,500マイル進呈」は詐欺メール!Google Cloud&クローキングを使った手口を完全解析
- 【ANA】「最終のご案内:補償申請手続きがまもなく期限切れとなります」ほか3件は詐欺——偽の「人間であることを確認」画面で解析ツールを回避
- 『詐欺メール』ANAから『【破格交換】どの都市でも一律10,000マイル!』と、来た件(本物のゼロ幅文字を使った偽装事例)
■ 注意点と対処法
- 宛名のない「当選」メールは疑う:本物の企業からの当選連絡には、通常お客様のお名前が入ります。
- アンケートフォームには進まない:「簡単なアンケートに答えるだけ」という誘い文句自体が、個人情報を集めるための常套句です。
- キャンペーン情報は公式サイトで確認:ANA公式サイトやアプリ、公式SNSで実施が確認できないキャンペーンには参加しないでください。
- もし情報を入力してしまったら:落ち着いて、入力した内容(パスワードやカード情報等)に応じて速やかにパスワード変更やカード会社への連絡を行ってください。
本レポートの結論
「宛名すらない粗雑な当選メール」でありながら、HTMLソースの中身は単語やブランド名を1文字ずつ分割するという手の込んだ偽装が施されている——このギャップこそが今回の詐欺メールの特徴です。身近な人が同じような当選メールを信じてしまう前に、この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
使用配色テーマ:Teal















