【ANA】「最終のご案内:補償申請手続きがまもなく期限切れとなります」ほか3件は詐欺——偽の「人間であることを確認」画面で解析ツールを回避

みなさん、こんにちは。街のIT専門家、Heartland-Lab(ハートランド・ラボ)です。夏休みシーズンで飛行機を利用する機会が増えると同時に、遅延・欠航にまつわる「補償」を騙る詐欺メールも姿を現しました。今回はANA(全日空)の補償申請手続きを装う詐欺メールです。
ご覧の通り、このメールはANA公式を装った真っ赤な偽物です。被害を未然に防ぐため、この解析結果を家族や職場のIT担当にも共有してください。
■ メール本文の再現
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。
件名:[spam] 【ANA】最終のご案内:補償申請手続きがまもなく期限切れとなります 送信者:"ANA予約センター" <nyezwckk@mail06.jun8goumiao.com> (お客様) 様 平素よりANAをご利用いただき、誠にありがとうございます。 お客様よりご申請いただきました補償申請につきましては、ご登録情報の不足により受付を保留させていただいておりますが、お手続きの期限がまもなく終了となります。 誠に恐れ入りますが、期限を過ぎますと申請を受理いたしかねますため、お早めに不足情報の補完をお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 受付番号:(伏字処理) 最終期限:2026年8月31日(月)23:59まで 現在の状況:情報不足のため受付保留 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ お手続きページ https://www.huai7ping.com/SEycdLtg?uid=(伏字処理) ※ 期限後の受付はいたしかねますので、あらかじめご了承くださいますようお願い申し上げます。 ANA補償サポートデスク All Nippon Airways Co., Ltd.

実際に届いたメールの画面
■ 送信ルート及び偽装判定
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載です。受信者情報はすべて伏字処理しています。
■ メールヘッダー解析(送信者情報)
送信元IP(Received-SPF: client-ip):35.213.200.182
HELO名:mail06.jun8goumiao.com
SPF認証:Pass DKIM認証:Pass
送信元IPを逆引きするとgoogleusercontent.comというホスト名が確認でき、Googleクラウド基盤から送信されたことがわかりました。SPF・DKIMともに「Pass」ですが、攻撃者が自分のドメインに正しく設定しているだけであり、ANA公式であることの証明にはなりません。差出人名は「ANA予約センター」「ANA航空券予約」と件名によって使い分けられていますが、いずれも実際のアドレスはANA公式ドメイン(ana.co.jp)とは無関係です。
■ フィッシングサイト詳細解析:偽の「人間であることを確認」画面
メール内のリンクhxxps://www[.]huai7ping.com/SEycdLtg?uid=(伏字処理)にアクセスすると、まず「人間であることを確認」という画面が表示されました。

本物のCloudflare認証を模した「人間であることを確認」画面
💡 ここで!豆知識:偽の「人間であることを確認」画面とは
多くのWebサイトでは、機械的な自動アクセス(ボット)を弾くために「あなたは人間ですか?」と確認するCloudflare社などの正規の仕組みが使われています。フィッシングサイトはこの見た目をそのまま真似ることで、①受信者に「ちゃんとしたセキュリティ対策をしているサイトだ」と誤解させる、②セキュリティ会社の自動調査ツールによる巡回・検知を遅らせる、という2つの狙いがあると考えられます。この画面が出たからといって、そのサイトが安全とは限りません。
この確認画面を経由した先、hxxps://www[.]shan5wu.com/RkeFAAQz/にアクセスすると、ウイルスバスターが危険と判定してブロックしていました。
| 1段階目ドメイン | huai7ping.com(Cloudflare anycast経由) |
| 2段階目ドメイン | shan5wu.com(Cloudflare anycast経由) |
| 備考 | いずれもCloudflareのネットワークを経由しており、IPアドレスから運営者の所在地を特定することはできません |

ウイルスバスターがフィッシングと判定し、アクセスをブロックした画面
ブロックを解除して先に進むと、ANA公式サイトを精巧に模倣した偽の会員ログイン画面が表示されました。この画面にお客様番号やパスワードを絶対に入力しないでください。デザインが本物そっくりであればあるほど、入力した情報は確実に攻撃者の手に渡ります。

最終着地点の偽ANA会員ログイン画面。デザインは本物に近いが、URLはANAと無関係
■ 注意点と対処法
■ こんなメールに要注意
- URLをクリックしない:「人間であることを確認」画面が出ても、それだけで安全とは判断しないでください。
- 送信者表示が「ANA予約センター」等でも、実際のメールアドレスがANA公式ドメイン以外であれば偽物です。
- 実際に補償申請を行った心当たりがある方も、メール内のリンクではなく、必ずANA公式サイトのブックマークまたは直接URL入力で「補償のお申込みサイト」にアクセスして確認してください。
- お客様番号・パスワードの入力は、公式サイトであることを住所バーで確認した上でのみ行ってください。
本レポートの結論
ANAの補償申請手続きを騙る今回の詐欺メールは、具体的な受付番号・期限日を提示し、さらに偽の「人間であることを確認」画面まで用意する手の込んだ作りでした。同じキットからは「振込先口座情報の登録」を求める別パターンも確認しており、続報で詳しく解析する予定です。身近な人が慌ててリンクを開いてしまう前に、この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
使用配色テーマ:Charcoal














