【週刊レポートW40】詐欺メール1,400通を完全集計!自分のアドレスから届く偽メール168通と、e-Tax還付金詐欺の急増を解析

10月に入り、朝晩の空気がすっかり秋らしくなりました。連休やお出かけの予定を立てる方も多い季節ですが、メールの受信箱では、ひと足先に「詐欺メールの秋のセール」が開かれていました。この1週間(9月27日〜10月3日)に届いた詐欺・迷惑メールを、1通ずつ数えてみました。
結果は1,400通。1日あたり約200通のペースです。いちばん多かった「カスタマーサポート」を名乗る偽の注文確認は、9月30日を最後にぴたりと止まりました。入れ替わるように、自分のアドレスから届いたように見えるメールと、e-Taxの還付金メールが増えています。
(2026年9月27日〜10月3日)
概要:この1週間の受信箱を、件名・差出人・日付で数え直しました。カード会社は日替わりで入れ替わり、「期限」や「今日まで」と焦らせる言葉は毎日書き換えられていました。この記事では、グラフで全体像を示したうえで、特に目立った動きを順に解説します。
| 集計期間 | 2026年9月27日(日)〜10月3日(土)午前9時まで(10月3日は午前9時までの数値) |
| 集計した通数 | 1,400通(件名と差出人の組み合わせでは約600種類) |
| 迷惑メール判定 | 1,230通(87.9%)が判定済み/170通(12.1%)は判定をすり抜け |
| 添付ファイル付き | 351通(25.1%)※すべて開封・解析していません |
| いちばん多かった手口 | 偽の注文確認「カスタマーサポート」285通(20.4%) |
| 週の終わりに急増 | e-Tax還付金:10月2日〜3日午前9時までの2日間で77通/自分のアドレスに見える「YOU GOT RECORDED!」168通 |
| 危険度 | ★★★★☆(税金・カード・マイルなど、お金に直結する話題が中心のため) |
| 手口の入れ替わり | ★★★★★(カード会社の名前が毎日のように差し替えられていました) |
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載
- 1. まず結論:今週のポイントと、やってはいけないこと
- 2. 1日ごとの件数:9月30日がピークの333通
- 3. 手口別ランキング TOP10
- 4. 日ごとの顔ぶれ:止まった手口と、増えた手口
- 5. 注目トピック① 自分のアドレスから届く「YOU GOT RECORDED!」
- 6. 注目トピック② 週の終わりに急増したe-Tax「還付金」メール
- 7. 注目トピック③ 突然止まった偽の注文確認「カスタマーサポート」
- 8. 注目トピック④ ANAは2日に集中、ほぼ全部に添付ファイル
- 9. 注目トピック⑤ Amazonの「再配達」「持ち戻り」は9月29日〜30日がピーク
- 10. 注目トピック⑥ カード会社は「日替わり」で狙われる
- 11. おまけ:攻撃者のうっかりミス
- 12. 今週から実践!詐欺メール対策5か条
- 13. 関連記事:これまでの週刊レポート
- 14. この集計のやり方
- 15. まとめ
まず結論:今週のポイントと、やってはいけないこと
細かい数字は後で説明します。まずは、今週の大きな動きを3つだけ覚えてください。
- 手口は日替わりで入れ替わります。9月27日はオリコ、28日はエポス、29日はポケットカード、30日はUCカードとアコム…と、狙われるカード会社が毎日変わりました。
- 週の終わりはe-Taxの還付金に集中しました。10月2日と3日午前9時までの2日間だけで77通。件名に「2026年10月03日」と日付を入れ、期限が迫っているように見せていました。
- 差出人が自分に見えても、安心できません。差出人の名前やアドレスは偽装できます。「自分のアドレスから届いた」だけで、乗っ取られたと慌てないでください。
- メールの中のボタンやリンクは押さない(確認は、公式アプリやブックマークから自分で開く)
- 添付ファイルは開かない(今週は4通に1通が添付付きでした)
- 「期限」「最終通知」「今日まで」に焦らされても、返信や支払いはしない
1日ごとの件数:9月30日がピークの333通
1日ごとに届いた件数です。10月3日(本日分)は午前9時までの数値なので、まだ増える見込みです。
10月3日(本日分)は、午前9時までの件数です。最多の日は赤色で示しました。
日曜日の9月27日も298通と、週で2番目に多い日でした。休日だから安心、とはいかないようです。
手口別ランキング TOP10
件名と差出人の名前から、どの名前をかたるメールが多かったかを数えました。
20.4%
15.6%
9.6%
9.0%
7.6%
4.9%
3.9%
3.9%
3.6%
3.4%
18.1%
11位以下の主な顔ぶれ:ポケットカード 37通、りそな銀行 28通、Apple・iCloud 26通、その他(1回きり等) 24通、アコム 20通など。
全体の中身を、大きく分けると
お金やポイントに関わる話(カード・マイル・ポイント系)が36.6%で、全体の3分の1以上を占めました。「ポイントがなくなる」「マイルが消える」と聞くと、損をしたくない気持ちが働きます。そこを突いてくるのが定番の手口です。
日ごとの顔ぶれ:止まった手口と、増えた手口
主な5つの手口を色分けして、毎日の内訳を並べました。色の移り変わりに注目してください。
(日)
(月)
(火)
(水)
(木)
(金)
(土)
午前9時
まで
グラフの上の数字は、その日の合計です。10月3日(本日分)は午前9時までの数値です。
| 日付 | 注文確認 | 自分風 | ANA | e-Tax | Amazon | 合計 |
| 9/27(日) | 80 | 5 | 73 | 2 | 17 | 298 |
| 9/28(月) | 84 | 19 | 1 | 22 | 15 | 233 |
| 9/29(火) | 41 | 18 | 0 | 9 | 29 | 188 |
| 9/30(水) | 80 | 49 | 61 | 8 | 41 | 333 |
| 10/1(木) | 0 | 60 | 0 | 8 | 1 | 121 |
| 10/2(金) | 0 | 57 | 0 | 40 | 2 | 164 |
| 10/3(土)午前9時まで | 0 | 11 | 0 | 37 | 1 | 63 |
| 週合計 | 285 | 219 | 135 | 126 | 106 | 1,400 |
表の見出し:「注文確認」=偽の注文確認「カスタマーサポート」、「自分風」=自分のアドレスに見えるメール。
- ■ 偽の注文確認:9月27日〜30日の4日間だけ(合計285通)。10月1日からは0通でした。
- ■ ANA:9月27日(73通)と30日(61通)の2日に集中。ほかの日はほぼ0通でした。
- ■ 自分のアドレスに見えるメール:9月28日の19通から、10月1日の60通、2日の57通へと、週の後半に増えました。
- ■ e-Tax:10月2日に40通、3日は午前9時までで37通と、週末に向けて急増しました。
注目トピック① 自分のアドレスから届く「YOU GOT RECORDED!」
差出人の欄が、受け取った人と同じ組織のアドレス(自分や自社のアドレス)に見えるメールが、今週は219通(全体の15.6%)ありました。そのうち168通が、件名「YOU GOT RECORDED!」のメールです。
件数の推移(YOU GOT RECORDED!/10月3日は午前9時まで)
件名は「あなたは録画された」という意味です。本文は英語で、届いた1通の内容は、おおよそ次のとおりでした。
本文の要約(日本語にまとめ直しています)
- 「あなたの端末を、私のウイルス(遠隔操作ツール)に感染させた」と告げる
- 「カメラ越しに、見られたくない姿を録画した」と書く
- 「このメールは、あなたのメールアカウントから送った」と、差出人を確認するよう促す
- 「友人・家族・連絡先すべてに動画を送られたくなければ、700ドル相当のビットコインを払え」とおどす
- 「確実に読ませるため、何度も送る」と予告する
- 暗号資産の購入先として、実在する取引所の名前を並べ、買い方まで案内する。送金先の番号も書かれている(記事では伏せます)
同じ件名のほかの通は、本文までは確認していません。ここでは、実際に開いた1通の内容です。
これは、世界中でばらまかれている「性的ゆすり(セクストーション)」の定型文です。気づいてほしい点は、次の3つです。
- 証拠が1つも書かれていません。「Hi!」と呼びかけるだけで、あなたの名前も、パスワードも、映像の一部も出てきません。感染や録画を示すものは、文面のどこにもありません。
- 「あなたのアカウントから送った」はこけおどしです。差出人を自分に見せかけただけで、乗っ取りの証拠にはなりません。
- 「何度も送る」は本当でした。今週だけで同じ件名が168通。10月2日には1日で55通届いています。
なお、この168通はすべて迷惑メール判定が付いており、添付ファイル付きは0通でした。
手紙の差出人の欄には、誰でも好きな名前を書けますよね。メールも同じで、差出人の名前やアドレスは、送る側が自由に書き換えられます。「自分のアドレスから届いた」としても、あなたのメールが乗っ取られたとは限りません。
差出人が自分のアドレスでも、返信しない・お金を払わない・ボタンを押さない。不安なときは、会社のIT担当や家族に相談してください。
同じ「自分のアドレスに見える」仲間は、ほかにも届いていました。「メールボックスの再認証」や容量超過をうたうもの19通、「送信済みメールの変更について」14通、社名や社員名を入れて「業務連絡」を装うもの4通(名前は伏せています)、書類の署名完了をよそおうもの2通です。
さらに、日本語として不自然な件名もありました。たとえば「ご利用のアカタイスのはいます。」(4通)。日本語として意味が通じない件名です。
似た手口の解説は、こちらの記事もご覧ください。→ 自社ドメインを騙る「個人情報流出に関する緊急のお知らせ」は詐欺
注目トピック② 週の終わりに急増したe-Tax「還付金」メール
国税庁・e-Taxをかたるメールは126通(全体の9.0%)。9月27日〜10月1日は1日あたり2〜22通でしたが、10月2日に40通、3日は午前9時までで37通と、最後の2日間だけで77通(61.1%)が届いています。
e-Tax・還付金メールの日別件数(10月3日は午前9時まで)
- 件名に「2026年10月03日」と日付を入れ、「お受け取り手続きのお願い」と急がせるもの:21通。期限が目前に見えるよう、日付が仕込まれています。
- 差出人の表示名は「国税庁 e-Tax」「国税庁」「国税庁 還付金案内」「e-Tax 事務局」など、少なくとも32通りの名前を使い分けていました。
- 添付ファイル付きが67通(53.2%)。当サイトでは開封・解析していません。
- 迷惑メール判定をすり抜けたものが33通(26.2%)。4通に1通は、受信箱にそのまま届いた計算です。
「還付金がある」「今日までに手続きを」と書かれていても、メールのボタンは押さないでください。国税庁の注意情報は、公式サイトで確認できます。→ 国税庁公式:注意喚起のページ
これまでの関連記事:国税庁・e-Taxを騙る詐欺メールが1週間で98通!「アプリをインストールして受取手続き」に従ってはいけない理由/国税庁・e-Taxを騙るメールが波状攻撃中
注目トピック③ 突然止まった偽の注文確認「カスタマーサポート」
今週いちばん多かったのが、差出人が「カスタマーサポート」とだけ表示される285通です。9月27日に80通、28日に84通、29日に41通、30日に80通。そして10月1日からは、1通も届いていません。
- 件名は225種類。ほぼ1通ごとに言い回しが違います(例:「いつもご利用いただきありがとうございます」39通、「新しい情報をお知らせします」11通)。
- 「ご注文を承りました」「お申込み内容のご確認」など、買い物の確認のような言葉ばかりで、どの会社なのかは名乗りません。
- 添付ファイルは0通。迷惑メール判定をすり抜けたのは50通(17.5%)でした。
「注文した覚えはないけれど、念のため開いてみよう」という気持ちを狙った作りです。件名の言い回しを大量に用意するのは、迷惑メールフィルターの目をごまかす狙いかもしれません(これは当サイトの推測です)。心当たりのない注文確認は、開かずに削除してください。
注目トピック④ ANAは2日に集中、ほぼ全部に添付ファイル
ANAマイレージクラブをかたるメールは135通(9.6%)。9月27日に73通、30日に61通と、2日にまとめて届きました。しかも135通のうち131通(97.0%)に添付ファイル付きです。
- 件名のパターンは、「マイル加算手続き」系が44通、「マイル有効期限延長」系が35通、「マイル失効まで残りわずか」系が55通。
- 期限の日付は便ごとに書き換えられていました。27日の便は「9月28日まで」、30日の便は「10月01日まで」と、いつも「あと少し」に見えるようになっています。
- 添付ファイルは、当サイトでは開封・解析していません。
マイルの手続きは、メールの添付ファイルやリンクではなく、ANAの公式アプリやサイトから自分で確認してください。ANAの公式の注意ページはこちらです。→ ANAを装った詐欺メールにご注意ください(ANA公式)
注目トピック⑤ Amazonの「再配達」「持ち戻り」は9月29日〜30日がピーク
Amazonをかたるメールは106通(7.6%)。そのうち70通(66.0%)が9月29日と30日に集中し、10月1日以降は4通まで減りました。「ご不在のため持ち戻り」「再配達のお手続き」など、荷物が届かなかったと思わせる件名が中心です。
- 添付ファイル付きが86通(81.1%)。
- 差出人の表示名は「Amazon.co.jp」「【 Amazon.co.jp 】」「アマゾンサポート」など、19通りを使い分けていました。表示名は本物そっくりでも、本物の証拠にはなりません。
荷物の状況は、メールではなく、Amazonのアプリや「注文履歴」で自分で確認するのが確実です。公式の案内はこちらです。→ Amazon公式:迷惑メール・フィッシングメールの報告方法
配送をかたる詐欺の全体像は、こちらの記事にまとめています。→ 宅配便・配送業者を騙る詐欺メール全社解説
注目トピック⑥ カード会社は「日替わり」で狙われる
カード会社・ポイント・マイル系のメールは、ANAを除いて377通(26.9%)。このうち、オリコ・エポス・ポケットカード・ニコス・UCS・りそな・三井住友トラストなどは、「【要確認】○○ポイント有効期限のお知らせ」という同じ型の件名で、会社名と期限だけを差し替えていました。件名の最後に付く番号は、1通ごとに違います。
| 日付 | その日に多かった名前(件数) | 合計 |
| 9/27(日) | オリコ 51、セゾン 25、アメックス 9 | 86 |
| 9/28(月) | エポス 20、三菱UFJニコス 16、アメックス 14 | 65 |
| 9/29(火) | ポケットカード 37、三井住友トラスト 12、アメックス 9 | 69 |
| 9/30(水) | UCカード 26、アコム 20、楽天 14 | 74 |
| 10/1(木) | UCカード 14、UCS 12、アメックス 6 | 33 |
| 10/2(金) | りそな銀行 23、アメックス 6、セゾン 6 | 40 |
| 10/3(土)午前9時まで | りそな銀行 5、アメックス 2、UCカード 2 | 10 |
アメックスやセゾンは毎日少しずつ届き、その上に「今日の主役」が乗る形です。10月2日からはりそな銀行が主役になっていて、これは別記事で詳しく解説しています。
関連記事:りそな銀行「ポイント失効」を騙る偽メール、昨夜から26通の連続攻撃/ポイント有効期限・未受取・失効メールは詐欺!週末3日間459通の観測データ
ポイントやマイルの「失効」をうたう件名は、全体では302通。5通に1通以上が「なくなる前に」と焦らせる内容でした。ポイントの期限は、カード会社のアプリや会員ページで自分で確認できます。
おまけ:攻撃者のうっかりミス
ブランド品のコピー商品を売り込むメールの件名に、「[RECEIVER_USERNAME]」とそのまま書かれたものが2通ありました。本来は受け取る人の名前に自動で置き換わるはずの部分です。名前を入れ忘れたまま、送信してしまったようです。
今週から実践!詐欺メール対策5か条
- ボタン・リンクは押さない。確認が必要なときは、公式アプリやブックマークから自分で開きます。
- 添付ファイルは開かない。請求書・配送・マイルなど、どんな名目でも同じです。
- 「期限」「最終通知」「今日まで」の言葉に、慌てない。日付は毎回書き換えられています。
- 差出人が自分のアドレスや有名な会社でも、安心しない。差出人は偽装できます。
- 迷惑メール判定が付いたメールは開かずに削除。判定をすり抜けたものを見つけたら、家族や職場にも共有しましょう。
もし、リンク先でIDやパスワード、カード番号を入力してしまった場合は、すぐにそのサービスの公式窓口やカード会社へ連絡し、パスワードを変更してください。不安なときは、最寄りの警察や消費生活センターにも相談できます。責められることは何もありません。
関連記事:これまでの週刊レポート
- 【週刊レポートW25】詐欺メール1,063通を完全集計!同一キットの複数ブランド展開とB-CAS違法販売の急増を解析
- 【週刊速報】メルカリやVpass利用者は要注意!先週観測された詐欺メールの共通点と対策
この集計のやり方
- メールソフトの一覧画面(数十枚分)から、件名・差出人・日付・添付ファイルの有無を書き起こし、プログラムで集計しました。
- 手口の分類は、件名と差出人の表示名をもとにした振り分けです。表示名は偽装できるため、「その会社を名乗っていた通数」であり、本当にその会社の名前を使う同一犯とは限りません。
- 集計期間は9月27日(日)〜10月3日(土)午前9時まで。9月26日以前の分は含めていません。
- 一覧には、本物のお知らせ(予約や会員メルマガなど)が少数まじっている可能性があります。迷惑メール判定が付かなかった170通には、その分が含まれることがあります。
- 添付ファイルは、安全のため一切開封していません。
まとめ
- 今週(9月27日〜10月3日)に届いた詐欺・迷惑メールは1,400通。うち87.9%は迷惑メール判定が付き、25.1%には添付ファイルが付いていました。
- カード会社は日替わりで入れ替わり、偽の注文確認は9月30日で突然止まり、ANAは2日に集中しました。
- 週末には、e-Taxの還付金メールと、自分のアドレスに見える「YOU GOT RECORDED!」が増えています。
- 差出人の名前も、期限の日付も、書き換えられます。メールの中ではなく、公式アプリや公式サイトで確かめましょう。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
IPアドレスの情報は IP調査兵団(ip-sc.net) を参照しています。














