『詐欺メール』『無料のHDクオリティのポルノビデオ、セックス映画』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

『ETC利用照会サービス』に恨みでもあるの？

なんだかブログネタにするのを躊躇してしまうような件名のメールです。(;^_^A
このメール、土曜に届いていたものなのですがバタバタとしていたのでご紹介が週明けになってしまい
申し訳ありません…

黒背景に青文字…
こんなのちかちかして余計に見難いですよね。(-_-;)
確認してみたらリンクはまだ生きていたので取り急ぎご紹介してみることにします。

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は『[spam] 無料のHDクオリティのポルノビデオ、セックス映画』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『”無料のHDクオリティのポルノビデオ、セックス映画” <admin@ml.etc-eisai.jp>』
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

よーく見てください、メールアドレスを。
皆さんは、詐欺メールが横行している『ETC利用照会サービス』さんのドメインをご存じでしょうか？
”etc-meisai.jp”がその『ETC利用照会サービス』さんの公式なドメインです。
で、このメールアドレスのドメイン部分が”etc-eisai.jp”…
なぜ『ETC利用照会サービス』さんのドメインの”m”をわざわざ抜いて使ったのでしょうか？
何かそこまでしなければならないような恨みが『ETC利用照会サービス』さんにあるのでしょうか？

存在しないドメイン

では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

この時点でこのメールのメールアドレスは、間違いなく偽装は確実ですがここではそれを
確定させていこうと思います。
”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”etc-eisai.jp”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。

まあこれは当然の結果です。
『No match!!』と書かれている通り、このドメイン自体が存在していなうようです。
これでアドレスの偽装は確定です！

”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになり、これを紐解けば差出人の素性が
見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

表示された地図は、中国北京にある天安門広場付近。
これまでの調査でここからは実に大量の詐欺メールが発信されていることが分かっています。

送信に利用されたのは、『Baidu』と書いてあるので中国の『百度』言うプロバイダーです。

アダルトサイトだと思ったらショッピングサイトだった

では引き続き本文。

(直リンク防止のため一部文字を変更してあります)

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンク先はGoogleの『透明性レポート』のサイトステータスはこのようにレポートされていました。

既にしっかりブラックリストに登録済みですね。
リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。

このURLで使われているドメインは”jsijs.top”
このドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。

このドメインを割当てているIPアドレスは”23.251.36.3”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

利用されているウェブサーバーは『VpsQuan』なんてホスティングサービスのようです。

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
地図上にピンが立てられたのは『ロサンゼルス』付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。

ん？…
アダルティーなサイトが開くと思ったらショッピングサイトのようです。
でも、危険なドメインが利用されているサイトなので、もちろん詐欺サイトです！

まとめ

アダルトサイトへの誘い込みかと思ったらショッピングサイトだなんて。
誰もこのようなサイトでショッピングなんて絶対にしませんよね！

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;