「24,152マイル」ANA詐欺メールが1ヶ月越しに再来——文面は7月と同一、着地キットは本日の別記事群と共通するインフラの”使い回し”を暴く

「この数字、見覚えがある」——今回届いたANAマイレージクラブを騙る詐欺メールを見た瞬間、そう感じました。2026年7月に解析した記事と同じ「24,152マイル」という数字が、1ヶ月近くの時を経て再び登場したのです。しかも調べていくと、本日別の記事でご紹介したインフラとも意外なつながりが見えてきました。
「24,152マイル」ANA詐欺メールが1ヶ月越しに再来
Heartland-Lab(ハートランド・ラボ)専門調査レポート
2026年7月21日にご紹介した「【最終通知】ANAマイル失効まであとわずか」詐欺メールと全く同じ「24,152マイル」という数字を使った文面が、送信元・誘導先ともに新しいインフラで再送されてきました。※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載です。
■ メールヘッダー解析(送信インフラ情報)
件名:【最終通知】ANAマイル失効まであとわずか|8月20日までにお手続きくださいNo.671784
送信者表示名:ANAマイレージクラブ <noreply@mail17.huabang568.com>
送信元IP(Received-SPF client-ip):40.115.138.154(日本 東京都渋谷区/Microsoft Corporation・AS8075)
受信日時:2026年8月16日 18:59頃
ご覧の通り、このメールはANA公式ではありません。詐欺メールです。誘導先は既に閉鎖されていますが、同じ文面・同じキットが形を変えて繰り返し使われています。
それでは、実際に届いたメールの内容から見ていきましょう。
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。
ANAマイレージクラブ|マイル有効期限のお知らせ お客様各位 平素よりANAマイレージクラブをご利用いただき、誠にありがとうございます。 現在お客様のアカウントには 24,152マイル が貯まっておりますが、 その一部がまもなく有効期限を迎えます。 期限を過ぎますと自動的に失効し、ご利用いただけなくなりますので、 お早めにご活用ください。 ■ 失効期限 2026-08-20 ■ 対象マイル数 24,152マイル ■ マイルの活用例 ・国内線特典航空券(往復)に交換可能 ・国際線特典航空券の不足分として利用可能 ・ANAショッピング「A-style」で商品交換 ・Amazonギフト券など各種商品に交換 下記リンクよりログインのうえ、特典交換手続をお願いいたします。 [マイルを確認交換する] ※有効期限を過ぎたマイルの再発行はできません。
実際に受信した詐欺メールの画面。「24,152マイル」という数字は7/21解析記事と完全に一致
■ 送信ルートと7月記事との比較
Received-SPFヘッダーによると、真の送信元IPは40.115.138.154(Microsoft Azure・東京都渋谷区)で、SPFはPassしていました。7/21の記事ではアメリカ・バージニア州のAzureサーバー(送信ドメイン:pwobuf.com)が使われていましたが、今回は送信ドメインが「mail17.huabang568.com」に変わり、拠点も日本国内リージョンに切り替わっています。
■ 誘導先サイトの解析
本文中のボタンから誘導される先は、次のURLでした(直リンク防止のためhxxps表記にしています)。
hxxps://www.yeshouwang[.]com/domesticescv/shoufu/standardsets/reevglularcidio=PR1002
アクセスすると、ウイルスバスター クラウドによるフィッシングサイト検知ブロック、hCaptchaのボット判定を経て、精巧な偽ANAログイン画面まで到達しました。
ウイルスバスター クラウドがフィッシングサイトとして警告
hCaptchaによるボット判定画面
最終的に表示される偽のANAログイン画面
💡 ここで! 誘導先URLの「パス」に注目する
誘導先URLの/domesticescv/shoufu/standardsets/reevglularcidio=PR1002というパス部分は、実は本日別の記事でご紹介した2件のANA詐欺メール(送信元は別インフラ)と全く同じでした。ドメイン名(トップレベルの部分)は毎回変わりますが、その後ろに続くパス構造は使い回されているのです。
これは、フィッシングメールの「文面テンプレート」と、実際にログイン情報を盗む「着地ページのプログラム(キット)」が別々に管理されている可能性を示しています。攻撃者はキットを使い回しながら、ドメインだけを次々と使い捨てて摘発を逃れているとみられます。
■ ドメインの”指紋”を比較する
誘導先ドメイン「yeshouwang.com」のドメイン登録情報を確認したところ、本日の別記事でご紹介した送信・誘導先ドメイン群と、驚くほど共通点がありました。
同じレジストラ、同じ「share-dns」系ネームサーバー、そして使用後は判で押したようにパーキング状態へ戻る運用サイクル。これは単なる偶然ではなく、同一のドメイン調達・使い捨てオペレーションの特徴とみられます。異なるブランド・異なる文面を騙る複数の詐欺キャンペーンが、裏では同じ”卸元”のインフラを共有している実態が浮かび上がりました。
■ 続報:関連記事
本サイトでは2026年7月21日に同じ「24,152マイル」を騙る詐欺メールを解析しているほか、本日は「開封確認」による生存アドレス選別の手口とRLO・ゼロ幅文字による件名偽装という、それぞれ異なる技術的特徴を持つANA詐欺メールをご紹介しています。今回はその両者と着地キットを共有する、いわば”第三の系統”にあたります。
■ 注意点と対処法
- 「24,152マイル」に限らず、具体的なマイル数や金額が書かれていても、それだけで信用しないでください。過去に使われた文面がそのまま使い回されているケースがあります。
- マイル残高や有効期限は、メール内のリンクではなく、ANA公式アプリまたはブックマーク済みの公式サイトから確認してください。
- 同じ文面のメールが以前にも届いたことがある場合、それは同じ攻撃グループが手を替え品を替え送り続けている証拠です。一度怪しいと気づいたブランドの類似メールには、継続して警戒してください。
- 公式注意喚起として、ANA公式サイトのフィッシング詐欺に関する注意喚起ページも定期的にご確認ください。
一度見た手口だからと油断せず、この記事のURLをコピーして、ご家族やお友達のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
配色テーマ:Amethyst














