ドコモを騙りながら中身は別のNTT企業?「通信サービスお支払い確認」からモロッコ経由の偽Windows Defenderサポート詐欺へ

HL-META: date=2026-09-12 | brand=NTTドコモ(なりすまし)/サポート詐欺 | sender_geo=モロッコ(法人向け回線) | site_geo=不明(Azure Static Web Apps) | spf=softfail | dkim=none | cloaking=unknown

皆さま、こんにちは。今回は少し怖いタイプの詐欺メールなので、パソコンに詳しくない方にも分かるように、ゆっくり丁寧に説明していきます。もし似たような画面が出て慌ててしまっても大丈夫なように、最後に「落ち着いた対処のしかた」もしっかり書いておきますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

Heartland-Lab 専門調査レポート

ドコモを騙りながら中身は別のNTT企業?「通信サービスお支払い確認」からモロッコ経由の偽Windows Defenderサポート詐欺へ

危険度評価 ★★★★★(5/5)
騙られたもの NTTドコモ(メールの送り主として)
受信日 2026年9月12日
送信元 モロッコの法人向けインターネット回線
最終的な着地 偽のセキュリティ警告画面(サポート詐欺)

⚠️ このメールはNTTドコモとは一切関係のない偽物です。本文中のリンクは絶対に開かないでください。もし開いて警告画面が出てしまっても、電話は絶対にかけないでください。

実際に届いたメールの内容

今回届いたメールは、差出人が「noreply@docomo.ne.jp」となっており、一見するとNTTドコモの正規のメールアドレスのように見えます。ところが本文をよく読むと、署名の部分には「NTT DATA ENGINEERING SYSTEMS通信株式会社」という、ドコモとは別の会社の名前が書かれています。調べてみると「NTT DATA ENGINEERING SYSTEMS」自体は実在する会社ですが、通信サービスではなく工場向けのシステム開発を専門とする会社で、今回のような「通信料金のお支払い確認」を扱う会社ではありませんでした。差出人と名乗っている会社がバラバラという、この時点でかなり怪しいメールです。

▲ 実際に届いたメール本文の画面

※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載

また、このメールの件名にも注目してください。

【重要】通信インタードとは、おなかなるないてます。

日本語として意味が通らない、おかしな文章になっています。これは攻撃者が海外で作った文章を、機械的な仕組みでそれらしい日本語に変換しようとして失敗した跡だと考えられます。当ブログではこうした「意味の通らない不自然な日本語の羅列」のことを「ワードサラダ」と呼んでいます。件名や本文にこうした不自然な日本語が出てきたら、詐欺メールを疑う分かりやすいサインになります。

今回のポイントをやさしく解説

  • 差出人のアドレスは自由に書き換えられます。「docomo.ne.jp」と表示されていても、実際にそこから送られてきた証拠にはなりません。
  • メールを技術的に調べたところ、実際にメールを送ってきたのはモロッコにある会社のインターネット回線でした。日本の携帯電話会社が、モロッコから料金確認のメールを送ってくることはあり得ません。
  • 件名や本文の日本語がおかしい(ワードサラダ)ことは、詐欺メールを見分ける手がかりのひとつです。

リンクを開くとどうなるか

本文中の「お支払い情報を確認する」というリンクは、Microsoft Azureという大手クラウドサービスの一部(誰でも無料で使える範囲)に作られた偽のページに繋がっていました。実際にアクセスを試みると、ブラウザ(Google Chrome)自体が「危険なサイト」として警告を表示しました。

▲ Google Chromeが表示した「危険なサイト」の警告

セキュリティソフト「ウイルスバスター」も同様に、このページを危険と判定しています。

▲ ウイルスバスターも「安全ではない可能性がある」と警告

これらの警告を確認したうえで、検証のためあえて先へ進んでみたところ、最終的に表示されたのは、パソコンがウイルスに感染したかのように見せかける、偽の警告画面でした。

▲ 「トロイの木馬プログラムを検出」と表示する偽の警告画面。電話番号への架電を求めてくる

これは「サポート詐欺」と呼ばれる手口です。「ウイルスに感染した」「情報が漏れた」といった偽の警告を表示し、画面に出ている電話番号に連絡させようとします。電話をかけてしまうと、外国語なまりのオペレーターが遠隔操作ソフトの導入や、高額な「修理費用」の支払いを求めてきます。今回のように国番号から始まる国際電話番号が使われている場合、電話をかけただけで高額な通話料金が発生することもあるため、絶対に電話をかけないでください。

なお、こうした「Microsoft Azureの無料枠を悪用した偽サイト+偽のWindows Defender警告+国際電話番号」という組み合わせは、当ブログでこれまでにも何度か紹介してきた、同じ攻撃キットの系譜とみられます。過去には自社ドメインを騙う個人情報流出メールや、通勤交通費の精算を装うメールでも同様の着地パターンを確認しています。表向きのブランドや文面は毎回変わっても、裏側の仕組みは使い回されているようです。

もしこの画面が出てしまったら(落ち着いて対処する方法)

もし実際にこうした警告画面が出て、画面いっぱいに表示されて閉じられなくなってしまっても、慌てる必要はありません。落ち着いて、次の順番で試してみてください。

  1. まず、画面に書かれている電話番号には絶対に電話をかけないでください。本物のセキュリティ警告が、電話を求めてくることはありません。
  2. パソコンの場合:キーボードの「Esc(エスケープ)」キーを2〜3秒ほど長押ししてみてください。全画面表示が解除され、ブラウザの「閉じる(×)」ボタンが出てくることが多いです。
  3. それでも閉じない場合:キーボードの「Ctrl」キーと「Alt」キーと「Delete」キーを同時に押し、出てきた画面から「タスクマネージャー」を選び、インターネットの画面(ブラウザ)を選んで「終了」を押してください。
  4. タブレットやスマートフォンの場合:画面を長押しすると、上のほうに「×」マークが出てくることがあります。それをタップすると閉じられます。
  5. どうしても閉じられない場合は、パソコンの電源ボタンを長押しして、一度電源を落としてしまって大丈夫です。その後、普段通り電源を入れ直せば問題ありません。
  6. 画面を閉じただけであれば、何かの操作をしていない限り、実際にウイルスに感染したり、情報が盗まれたりすることは基本的にありません。安心してください。

もし不安な場合や、閉じ方が分からず困った場合は、IPA(情報処理推進機構)の相談窓口に問い合わせることもできます。IPAでは実際にこの手口を体験しながら対処法を学べるページも公開しています。

もし万が一、指示に従ってソフトをインストールしてしまったり、お金を支払ってしまったりした場合は、以下の警察庁のページも参考にしてください。クレジットカードや電子マネーで支払ってしまった場合の連絡先などがまとめられています。

注意点まとめ

  • 「通信料金のお支払い確認」といった内容のメールが届いても、本文中のリンクは開かないでください。
  • 「ウイルス感染」「情報漏洩」などの警告画面が出ても、電話をかけたり、指示された操作をしたりしないでください。
  • ご高齢のご家族が一人でパソコンを使われている場合は、こうした画面が出たときの対処法(Escキー長押し、それでもダメなら電源を切ってよいこと)を、事前に伝えておいてあげてください。

この記事が役に立ったら、特にご高齢のご家族や、パソコンに詳しくないお友達にもぜひ共有してください。

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Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit/送信元IPの調査にはip-sc.netを利用しています。

本記事は2026年9月時点の調査に基づくものです。詐欺の手口は日々変化しており、本記事の内容と異なる形の類似メールが届く可能性もありますので、引き続きご注意ください。(使用配色テーマ:Burgundy)

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