「共有ファイル:INV_129656_契約」はKAGOYAを騙る偽メール!件名と本文でファイル日付が食い違う杜撰な手口を解析

HL-META: date=2026-09-08 | brand=KAGOYA(なりすまし) | sender_geo=ポルトガル | site_geo=unknown | spf=none | dkim=none | cloaking=unknown

皆さま、こんにちは。少し間が空いてしまいましたが、本日より通常営業を再開しております。留守にしていた間も詐欺メールは容赦なく届いていたようで、さっそく1件、なかなか興味深いものを見つけましたのでご紹介します。

Heartland-Lab 専門調査レポート

「共有ファイル:INV_129656_契約」はKAGOYAを騙る偽メール!件名と本文でファイル日付が食い違う杜撰な手口を解析

危険度評価 ★★★☆☆(3/5)
騙られたブランド KAGOYA(カゴヤ・ジャパン)
受信日 2026年9月8日
送信元 ポルトガルの住宅用回線(送信元詐称)
SPF/DKIM いずれも未設定(none)

⚠️ このメールはKAGOYA(カゴヤ・ジャパン)とは一切関係のない偽物です。本文中のボタンは絶対に押さないでください。

実際に届いたメールの内容

今回届いたのは、件名「【Excel】〇〇様宛ての書類をご確認ください」というメールです。一見するとOneDriveやSharePointでよく見る「ファイル共有通知」を装ったデザインになっています。

▲ 実際に届いたメール本文の画面(個人情報部分はマスク済み)

※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載

本文をテキストで再現すると、以下のような内容でした。

EXCEL
共有されたファイル

~の書類 [受信者名] レビューの準備が整っています。

[Xlsx] INV_129656_契約_2026-09-01.xlsx
共有ブック・160.1 KB

[オンラインでプレビュー] [ダウンロード]

セキュリティ上の注意事項: Kagoyaからの自動通知(転送不可).
© 2026 [受信者の組織ドメイン]. 無断転載を禁じます.

ここで早くも1つ、矛盾が見つかります。件名に含まれるファイル名の日付は「2026-09-08」なのに、本文カード内のファイル名は「2026-09-01」になっているのです。テンプレートを使い回す際に、細部の日付を統一し忘れたのでしょう。

今回のポイントを簡単に解説

  • SPF(送信元のサーバーが正規に登録されているかを確認する仕組み):今回は「none」=そもそも設定されていませんでした。
  • DKIM(メールが途中で改ざんされていないことを証明する電子署名):こちらも付与されていませんでした。
  • HELO名(送信サーバーが自己申告する名前):「bl28-133-103.dsl.telepac.pt」という、ポルトガルの家庭用インターネット回線であることを示す名前でした。

送信ルートと偽装の実態

メールヘッダーを解析すると、送信元として記載されているアドレスはsupport@activemailkagoya.jpでした。KAGOYA(カゴヤ・ジャパン)の正式なドメインではなく、ブランド名を連想させるためだけに作られた偽ドメインです。

さらにヘッダーの中の「Received-SPF」フィールドから、実際にメールを送信したサーバーのIPアドレスを確認したところ、37.189.133.103というポルトガルの住宅用DSL回線であることが判明しました。KAGOYAという日本の会社が、ポルトガルの一般家庭の回線からメールを送ってくるはずがありません。

誘導先サイトの状況

本文の「オンラインでプレビュー」「ダウンロード」ボタンは、通常のHTMLメールであれば直接リンク先が指定されているものですが、今回はどちらも実際のリンク先を示すhrefが空になっており、リンク先のURLはボタンにマウスを乗せたときに出るツールチップ(”Ctrl+Click or tap to follow the link”という案内文つき)の中にだけ残っていました。攻撃者が別の本物らしいメールからボタンごとコピーしてきた際に、肝心のリンク貼り付けを失敗した痕跡だと考えられます。

実際に検証環境で「オンラインでプレビュー」に該当するリンク先を確認したところ、ログイン画面や入力フォームは表示されず、同じメールの画面が新しく開くだけという状態でした。誘導先サイトが既に閉鎖されているか、そもそもリンクの仕込みが不完全だった可能性があります。とはいえ、リンクの状態は攻撃者側の都合でいつでも変わるため、油断は禁物です。

注意点と対処法

  • 見覚えのない「ファイル共有」通知が届いても、本文中のボタンやリンクは押さないでください。
  • 取引先や社内から本当にファイルが共有された場合は、普段使っているクラウドサービス(OneDrive、Google Drive等)に直接ログインして確認する習慣をつけましょう。
  • もし誤ってリンクを開いてしまっても、ID・パスワードなど何も入力していなければ、過度に心配する必要はありません。心配な場合は関連アカウントのパスワードを変更しておくと安心です。

この記事が役に立ったら、ご家族や職場の方にもぜひ共有してください。

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Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit/送信元IPの調査にはip-sc.netを利用しています。

本記事は2026年9月時点の調査に基づくものです。詐欺の手口は日々変化しており、本記事の内容と異なる形の類似メールが届く可能性もありますので、引き続きご注意ください。(使用配色テーマ:Charcoal)

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