Visaカードを騙る「利用確認のお願い」は詐欺!チュニジアのモバイル回線から届く精巧な偽サイトの正体

今度はVisaカードを騙るメールです。「不正利用監視システム」という物々しい名目で利用制限をちらつかせる、よくあるパターンですが、送信元を辿ってみると、なかなか意外な場所から届いていました。
🔍 調査レポート:概要
| かたられたブランド | Visaカード |
| 件名(表示上) | Visaカード会員様:利用確認のお願い |
| 受信日時 | 2026年9月1日 5:44 |
| 送信元IP | 196.187.138.63(チュニジア/モバイル回線) |
| 誘導先IP | 165.154.241.48・56(Scloud Pte Ltd) |
| 脅威レベル | いずれも「低」(ip-sc.net調査。ただし「低」=安全という意味ではありません) |
| 技術的な見どころ | 送信元は個人向けモバイル回線/別ドメインでも着地サーバーは同一プロバイダーの隣接IP |
⚠️ このメールはVisa(Visaインターナショナル)とは一切関係のない偽物(フィッシング詐欺メール)です
📧 実際に届いた詐欺メール
▲ 実際に届いたメール。装飾のないシンプルなテキスト形式で、差出人は「相談デスク(会員向け)」という柔らかい名称になっています。
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載
Visaのカードをご愛顧いただき、感謝申し上げます。 昨今の第三者不正利用の急増に伴い、弊社では「不正利用監視システム」を開始し、 24時間365日体制でカードのご利用に対するモニタリングを行っております。 このたび、ご本人様のご利用かどうかを確認させていただきたいお取引がありましたので、 まことに勝手ながら、カードのご利用に一部制限を設け、ご案内いたしました つきましては、下記へお進みいただき、カードのご利用確認にご協力をお願いします。 ご回答がない場合は、制限が継続されることもございますので予めご了承ください。 下記ボタンより24時間以内に認証手続きを終えてください。確認できない場合、一時的にご利用が制限されます。 【本人確認手続きへ進める】 ※本件メールに心当たりがない場合はサポートまでお問い合わせください Visaインターナショナル・日本株式会社 〒105-0011/東京港区芝公園一丁目1-1 9:00〜18:00(土日祝除く)|受付時間
実在の「Visaインターナショナル・日本株式会社」の社名・住所を騙っていますが、本物のVisaが個人カード会員に直接メールで利用制限を通知することは通常ありません。「24時間以内に手続きを」という短い期限設定で、じっくり確認する余裕を与えない作りになっています。
🕵️ 送信ルートの解析
client-ip:196.187.138.63
helo:oztrcxtg.nd7lej.info
SPF/DKIM判定:いずれもPass(攻撃者自身が管理する使い捨てドメインとして正規に認証されているだけです)
ip-sc.netで確認したところ、196.187.138.63はチュニジアのTunisie Telecomが提供するモバイル回線でした。利用形式も「consumer(個人向け)」となっており、企業のメールサーバーではなく、個人のスマートフォン回線などから直接送信されている可能性が高いです。差出人メールアドレスの実体`oztrcxtg.nd7lej.info`も、Visaとは無関係の使い捨てドメインです。
🌐 誘導先の解析:ドメインは違えど同じ棚に並ぶサーバー
⛔ メール内のリンク(絶対にアクセスしないでください)
hxxps://nd7lej[.]info/2tzl3o0
メール内のリンク先ドメインnd7lej.infoは、165.154.241.56という番地に置かれていました。ここからクリックを進めると、最終的にウイルスバスターにブロックされるnnolscn.cnというドメインへ転送されましたが、こちらの名前解決結果は165.154.241.48でした。
ip-sc.netで確認したところ、この2つのIPアドレスはどちらも「Scloud Pte Ltd」という同一のホスティング事業者の、同じ/24サブネット内にある隣接IPでした。`.info`から`.cn`へ、国別ドメインの見た目を変えて経由させているにもかかわらず、実際に間借りしているサーバー群は同じ提供元だったということです。複数の使い捨てドメインを、同じインフラの上で使い回している実態がうかがえます。
▲ 転送先の`nnolscn.cn`は、ウイルスバスターに「フィッシング」として明確にブロックされていました。
▲ 突破すると表示された偽サイト。「Visa Secure」のロゴやレイアウトを含め、本物の公式サイトを非常に精巧に再現しています。「本人確認へ進む」を押すとカード情報の入力画面に進む構成と見られます。
📝 注意点と対処法
✅ このようなメールが届いたら
- 本文中のリンクは絶対にクリックしない
- Visaは個々のカード会員に直接カード情報の再入力を求めるメールを送りません
- 利用制限が気になる場合は、メールのリンクを使わず、カード発行会社の公式アプリやサイトへ直接アクセスして確認する
- サイトのデザインが精巧でも、それだけで安全とは判断しない
- 差出人の表示名が丁寧・親切そうでも、実際のメールアドレスのドメインを確認する
⚠️ 万が一カード情報を入力してしまった場合は、直ちにカード発行会社(クレジットカード会社)のサポート窓口へ連絡し、カードの利用停止・再発行の手続きを行ってください。
💳 精巧なデザインは、安全の証拠ではありません
少しでも不審に感じたら、リンクを開かず削除を。この記事が役立ったら、ぜひ周りの方にも共有してください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit/送信元IPの調査にはip-sc.netを利用しています。本記事は2026年9月1日時点の調査に基づくものです。詐欺の手口は日々変化しており、本記事の内容と異なる形の類似メールが届く可能性もありますので、引き続きご注意ください。














