Amazonを騙る「配送トラブル発生のお知らせ」は詐欺!ソフトバンクの送信サーバーを装う偽装ヘッダーの手口

HL-META: date=2026-09-01 | brand=Amazon | sender_geo=JP表記(Azure) | site_geo=JP表記(Tencent Cloud) | spf=pass | dkim=pass | cloaking=unknown(PC/スマホでは同一結果、条件次第の可能性は残る)

Amazonの「配送トラブル」を装うメールが届きました。文面自体は定番の再配達煽りですが、ヘッダーの中身を覗いてみると、大手キャリアの名前を借りた偽装が仕込まれていました。

🔍 調査レポート:概要

かたられたブランド Amazon
件名(表示上) [spam] 配送トラブル発生のお知らせ
受信日時 2026年9月1日 10:26
送信元IP 20.210.217.205(Microsoft Azure)
誘導先IP 43.165.185.37(Tencent Cloud)
脅威レベル いずれも「低」(ip-sc.net調査。ただし「低」=安全という意味ではありません)
技術的な見どころ ソフトバンクの送信サーバーを経由したかのような偽装Receivedヘッダー

⚠️ このメールはAmazonとは一切関係のない偽物(フィッシング詐欺メール)です

📧 実際に届いた詐欺メール

▲ 実際に届いたメール。「注文済み→発送済み→配送トラブル→確認待ち」というステップ表示で、公式通知らしさを演出しています。

※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載

お荷物のお届けに関するお知らせ。

お荷物のお届けが完了できませんでした
配送先住所の不備により、お荷物を保管しております。

ご注文(注文番号:503-8738829-3756476)のお荷物は、配送先住所の一部が確認できず、
配送を中断しております。お手数ですが、下記ボタンより配送先情報をご確認のうえ、
再配達のお手続きをお願いいたします。

配送業者:アマゾン
保管期限:2026年09月01日より3日間
保管場所:最寄り配送センター

【配送状況を確認する】

上記のボタンより詳細ページへアクセスし、配送状況をご確認ください。
保管期限を過ぎますと、お荷物は自動的に返送されますのでご注意ください。

このEメールは配信専用です。返信しないようお願いいたします。

注文番号がもっともらしい形式で書かれていますが、実際のAmazonの注文とは無関係な、詐欺メール用に作成された番号です。「配送業者:アマゾン」という表記も、実際のAmazonは自社を配送業者として案内することは通常なく、不自然な言い回しです。

🕵️ 送信ルートと偽装の判定

client-ip:20.210.217.205

helo:sxphr6aglv.weitaiji1708.com

SPF/DKIM判定:いずれもPass(攻撃者自身が管理する使い捨てドメインとして正規に認証されているだけです)

ip-sc.netで確認したところ、20.210.217.205はMicrosoft Azure(AS8075)のホスティング環境でした。

👁️ ソフトバンクの送信サーバーを装う偽装Receivedヘッダー

今回のメールヘッダーには、実際の接続記録より上流に、次のような一行が書き込まれていました。

smtp-out24.mail.softbank.jp」を経由したという記録(Authenticated senderとして攻撃者自身のドメインが記載)

これは実際にソフトバンクのサーバーを経由した証拠ではなく、送信者が自由に書き込める、メール本文内の自己申告に過ぎません。当ブログでは今朝、JALを騙るメールで千葉県・岡山県の公的機関を装う同種の偽装Receivedヘッダーを確認したばかりですが、今回は大手通信キャリアの名前を借りる形でした。手口の骨格は同じで、権威がありそうな経路を通ってきたと錯覚させ、解析する側の目をくらませる狙いがあると考えられます。信頼できるのは、自分が実際に使っているメールサーバーが自分で付与した、一番外側の行だけです。

🌐 誘導先の解析

⛔ メール内のリンク(絶対にアクセスしないでください)

hxxps://fshajm[.]com/content/gimXMTnSWJ

このリンク先の名前解決結果は43.165.185.37でした。ip-sc.netで確認したところ、AS132203(TENCENT-NET-AP-CN)、Tencent Cloud上に設置されたインフラであることが判明しています。当ブログでは43.x.x.x帯のTencent Cloudインフラを繰り返し確認しており、定番のインフラとして使われ続けているようです。

調査時点でこのリンクにアクセスすると、動画サイト(YouTube)へ転送される状態でした。パソコン・スマートフォンの両方で試しましたが、いずれも同じ結果でした。今回のテストの範囲では、端末による表示の出し分け(クローキング)は確認できませんでした。ただし、こうした誘導先は接続元の地域や時間帯、アクセス回数などの条件によって表示内容を切り替えるケースも過去に確認しており、現時点で無関係な動画へ転送されているからといって、今後も無害である保証はありません。

📝 注意点と対処法

✅ このようなメールが届いたら

  • 本文中のリンクは絶対にクリックしない
  • 配送状況は、メールのリンクを使わず、Amazon公式アプリまたはブックマークから注文履歴を直接確認する
  • 身に覚えのない注文番号は、Amazonの正式なシステムとは無関係の可能性が高い
  • 今は無害なページに転送されても、後日内容が変わる可能性があるため、一度でも不審だと感じたリンクは再度開かない
  • 「Amazon」と名乗っていても、配送業者を自称するなど不自然な表現がないか確認する

⚠️ 万が一個人情報やクレジットカード情報を入力してしまった場合は、直ちにAmazonのパスワードを変更し、カード情報を入力していた場合はカード会社にも連絡してください。

📦 「大手キャリア経由」の表示も、偽装できてしまいます

少しでも不審に感じたら、リンクを開かず削除を。この記事が役立ったら、ぜひ周りの方にも共有してください。

Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit/送信元IPの調査にはip-sc.netを利用しています。本記事は2026年9月1日時点の調査に基づくものです。詐欺の手口は日々変化しており、本記事の内容と異なる形の類似メールが届く可能性もありますので、引き続きご注意ください。

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