『詐欺メール』「個人情報の更新専用URLのご案内」と、来た件

突然、有効期限が切れてるってメールが

GWいかがお過ごしでしょうか？
私のGWは今日から、と言いつつも詐欺メールは後を絶つわけではなくGW中もせっせと
送られてきています。

今回ご紹介するのは、こちらのメール。
PayPay銀行に成りすまし個人情報の有効期限が切れているのでリンク先で情報を更新しろ
と言ったもの。

では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。

件名は
「[spam] 個人情報の更新専用URLのご案内」
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
「＜PayPay銀行＞ <japannetbank.co.jp@hjqsxpq.cn>」
「PayPay銀行」さんには、れっきとした”japannetbank.co.jp”ってドメインをお持ちです。
それなのにこのような”hjqsxpq.cn”なんて中国のトップレベルドメインを使った

メールアドレスに偽装は無いけど…

では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。

まずは、”hjqsxpq.cn”について情報を取得してみます。

”106.75.66.170”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”に書かれているのが”106.75.66.170”ですから全く同じなのでメールアドレスの偽装は
ありません。

”Received”のIPアドレス”106.75.66.170”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。

ピンが立てられたのは、フィッシング詐欺メールの一大生産地の北京にある「天安門広場東側」付近です。

えっ！？「安全」なサイトですと？？

では引き続き本文。

ほんの1行の本文ですが、説得力のある1行です。
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは本文に直書きされていて、リンク先のURLがこちらです。

このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。

ええ？！　まさか「安全」ですと！！
新種なので気づいてないのでしょうか？
このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。
評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。

このURLで使われているドメインは、”spzwqaq.cn”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。

持ち主は、よく見かける私には読めない文字を含む漢字3文字の氏名の方。
このドメインは中国のIT企業アリババで管理されているようです。

このドメインを割当てているIPアドレスは”104.21.28.108”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。

ピンが立てられのは、カナダのトロント旧市役所付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

「サイトセーフティーセンター」では安全だとされていますが、詐欺サイトなので安全な方法を利用し
リンク先に調査目的で訪れてみました。

安全だとされているから全くのノーガード。
どこからもブロックされずに無防備に放置されていたのは、PayPay銀行のログインページ。
もちろん偽サイトですが、あまりにも危険な状態！
一刻も早く「危険なサイト」として登録されてほしいものです。

まとめ

試しに本物のPayPay銀行へ行ってログインページを確認してきましたが
上のページと全く同じ画面が表示されました。
サイトを丸ごとダウンロードしてそれを自身の持つサーバーにアップロードして使っているので
全く同じものができる仕組みです。
メールにはいくつものヒントが隠れているので、間違い探しだと思ってこのページに行き着くまでに
詐欺であることに気づいてください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;