1日停止されるのか、24時間後に制限されるのか?昨日今日と、Amazonを騙ったフィッシング詐欺メールの新種がポツポツと… アカウントが1日停止されるのか、24時間後に制限されるのか良く分からん内容…(笑) では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] **** 【重要】Аmazon お客様アカウント緊急停止につきまして」 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「info@engLing.cn」 ただ単にあっさりメールアドレスだけ書かれています。 「Amazon」さんには、れっきとした”amazon.co.jp”ってドメインをお持ちです。 それなのにこのような”engLing.cn”なんて中国のトップレベルドメインを使った メールアドレスで大切なユーザーにメールを送るなんて絶対にあり得ません!
正しくないドメインで?!では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「<info@engLing.cn>」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「<202204190916223034037@engLing.cn>」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from oqasqj (unknown [113.116.191.60])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
まずは、””について情報を取得してみます。 このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら 差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり 処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金 さて、どう出るのでしょうか? それ以前の問題してた。(笑) ”Received”のIPアドレス”113.116.191.60”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 ピンが立てられたのは、「中国広東省広州市」付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
詐欺サイトが未評価って(;^_^Aでは引き続き本文。 【重要】Аmazon お客様アカウント緊急停止につきまして (*****@*****.***) 利用規約違反によるアカウント1日停止措置について。ご利用いただきありがとうございます。 処理日 2022/4/19-9:16:21 PM JST Аmazon に登録いただいたお客様に、Аmazon アカウントの情報更新をお届けします。 残念ながら、Аmazon のアカウントを更新できませんでした。 今回は、カードが期限切れになってるか、請求先住所が変更されたなど、さまざまな理由でカードの情報を 更新できませんでした。 アカウント情報の一部が誤っている故に、お客様のアカウントを維持するため Аmazon アカウントの 情報を確認する必要があります。 下からアカウントをログインし、情報を更新してください。 |
見て見て!「Аmazon」の「A」だけ全角!! 理由は知りませんが、これ100%詐欺メールです。 このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは「Login Amazon」って書かれたところに張られていて、リンク先のURLがこちらです。 このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。 やばっ! このような危険なサイトが「未評価」って評価ではあまりにもヤバすぎます。 評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。 このURLで使われているドメインは”ibaraki.cn” このドメインにまつわる情報を取得してみます。 持ち主は、私には読めない文字を含む漢字3文字の氏名の方。 このドメインを割当てているIPアドレスは”118.107.56.155” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 ピンが立てられのは「韓国ソウル」付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。 セキュリティにブロックされることなくすんなり開いたのは、おなじみのアマゾンのログインページ。 もちろん詐欺サイトですから絶対にログインしてはいけません。
まとめ今回のメールには、「サラダ」のサービスが付いていました。(笑) これ、HTMLで表示されているメール本文をテキスト表示に切換えてみたものです。 HTML表示では見えなかった文字があぶり出しのように現れてきました。(;´Д`) これは「ワードサラダ」と呼ばれるもの。 見ての通り意味の分からない英数字や記号が羅列されています。 一見コードにも見えますが、そうではありません。 これは、最初の方の件名の項でご紹介した、悪意のあるメールを判断するためにサーバーに設置された スパムフィルターを混乱させその機能を失わさせてフィルターを通過させようとする技法です。 でもこのメールの件名は「[spam] ***** 【重要】Аmazon お客様アカウント緊急停止につきまして」 残念ながらしっかりフィルターに引っかかってます(笑) Amazonからの商品紹介以外のメールは、アカウントサービスのメッセージセンターにも保存されています。 少しでも不審だと思ったらメールのリンクを押す前に、メッセージセンターのメッセージを確認して みてください。 もしメッセージセンターに無いもだったらそれはきっとフィッシング詐欺メールですよ! いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |