「残念ながら凶報がございます」って(;^_^Aメールボックスに「アカウントからのお支払い。未払いがあります」なんて件名のメールが有ったので 「ああ、またAmazonの成りすましだ」と思って開けてみると、このように改行の無い大量の文字の文章が 書かれているメールでした。 
この書き方はあれしかありません、そう、アダルトハッキングメールです。 「こんにちは! 残念ながら凶報がございます。」から始まるこのメールは、受信者のデバイスをトロイの木馬 と呼ばれるマルウェアで乗っ取り、デバイス中にある大量の情報にアクセスしそれらをコピーし、受信者が アダルトサイトを閲覧し悦びを得ている最中のエッチな動画も入手したと。 それを入手したEメールのアドレス帳にあるリストやSNSに流されたくなければ、仮想通貨でそれなりの 金額を支払えと言う脅しメールです。 では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] アカウントからのお支払い。未払いがあります」 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「nortonanti@discardmail.de」 このような奴が自身のメールアドレスなんて使うはずがないので、こんなアドレスは偽装。 では、その辺りを次項で確認してみましょう!
情熱の国からのメールでしたでは、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「<nortonanti@discardmail.de>」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「<965B05A189C8FF2DE0BE1A327344965B@5KLQG40LVJH>」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from 143-202-170-107.static.rnvtelecom.com.br (143-202-170-107.static.rnvtelecom.com.br [143.202.170.107])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
まずは、メールアドレスのドメイン”discardmail.de”について情報を取得してみます。 
実際にドイツで使われているドメインのようですね。 ”37.120.161.148”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 ”Received”に書かれているのが”143.202.170.107”ですから全く異なるので、やはりアドレス偽装です。 ”Received”のIPアドレス”143.202.170.107”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスをその情報を確認してみます。 
このIPアドレスには”static.rnvtelecom.com.br”と言うブラジルのトップレベルドメインを使った ドメインが割当てられているようです。 今度はこのIPアドレスの割り当て地を抽出してみます。 
ピンが立てられたのは、「ブラジル リオグランデ・ド・スル州ドイス・イルマンス」付近です。 このアダルトハッキングメールは、この”情熱の国”に設置されたメールサーバーを介して 私に届けられたようです。
漏れなくついてくる「サラダ」このメールはフィッシング詐欺メールとは異なるので、本文にリンクはありません。 でも、アダルトハッキングメールには漏れなく「あるサービス」が付いてくるんです。 それがこちら。 
これは、先程のメールの表示方法をHTML形式からテキスト表示に切換えてみたところです。 意味の分からない記号やアルファベット、数字などが、画面では見切れてしまっていますが ずっと右の方までびっしりと書かれています。 うちのサイトでも今までに何度もご紹介していますが、これは「ワードサラダ」と呼ばれるもの。 「サラダ」なんて呼ばれるので、耳心地の良い響きもありますが、全然そんなものではありません。 これは、最初の方の件名の項でご紹介した、悪意のあるメールを判断するためにサーバーに設置された スパムフィルターを混乱させその機能を失わさせてフィルターを通過させようとする技法です。 でもご覧いただいた通りこの件名には、しっかり”[spam]”ってスタンプ押されちゃっています。(笑)
まとめもちろんこのようなメールの中身は全部有りもしないウソです。 あなたにもしも心当たりが有ったもです。(笑) 目障りなんでさっさとゴミ箱へ捨てちゃいましょう~ いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |