度定番の第三者不正利用の疑い
土曜だろうが日曜だろうかお構いなし。
au PAYにAmazon、TS CUBIC CARD、えきねっとにメルカリと実に様々なフィッシング詐欺メールが
到着しています。
そんな中から、今回は楽天カードに成りすましたこのメールをご紹介しようと思います。
書かれているのは、度定番の第三者不正利用の疑い。
では、このメールもプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 楽天カードから緊急のご連絡」
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「楽天カード株式会社 <info@mail.rakuten-card.co.jp>」
「」さんには、れっきとした””ってドメインをお持ちです。
それなのにこのような””なんて中国のトップレベルドメインを使った
メールアドレスで大切なユーザーにメールを送るなんて絶対にあり得ません!
”rakuten-card.co.jp”は確かに「楽天カード」のドメインですが、件名の”[spam]”と付いているので
全く信じられませんね。
その辺りを含め、次の項で見ていくことにしましょう。
偽装の上にさらに偽装
では、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「<clrn@kwxxftwtxm.biz>」
なんだ、つまんないな…もうバレちゃったじゃん偽装が。(笑)
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されます。
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Message-ID:「<DA8C718867582BE7550120FF5FF276D4@kwxxftwtxm.biz>」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from kwxxftwtxm.biz (unknown [164.70.87.73])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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まずは、”rakuten-card.co.jp”について情報を取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスが”Received”に記載されているものと同じなら
差出人のメールアドレスだと認めますが、そうでない場合、特定電子メール法違反となり
処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰するほか、法人に対して3000万円以下の罰金
結果は見えていますが、一応…
”210.162.157.12”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”に書かれているのが”164.70.87.73”ですから全く異なるので、この方はやはり
アドレス偽装。
しっかり罪を償っていただきましょう!
因みに「フィールド御三家」に書かれていたこのドメイン”kwxxftwtxm.biz”は
調べてみると、現在は使われていないドメインであることが判明。
このドメインもウソだったことになります。
そこまで偽装しなくてもいいと思うんですが…
”Received”のIPアドレス”164.70.87.73”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられたのは、「東京都千代田区内神田」付近です。
プロバイダー名には「NTT PC Communications」とありますので、このメールは、このプロバイダーで
この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
そして、このIPアドレスは既に危険な物として認識済みで、脅威レベルは「高」と、その種類は
「メールによるサイバーアタック」とされています。
ドメインをよく見てください。
では引き続き本文。
お決まりの釣り言葉「第三者不正利用」を使いリンクに誘い込む手口。
そのリンクはメール本文に直書きれていて、リンク先のURLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
このように既に危険サイトと認識されており、カテゴリは「フィッシング」と書かれています。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”rakuten-card.co.jp.hextan.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
プライバシー保護されててこれじゃさっぱり分かりません。
唯一分かるのは、中国湖北省の方の申請ってことぐらい…
このドメインを割当てているIPアドレスは”204.44.88.44”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、フィッシング詐欺サイトのメッカのロサンゼルス近郊のリトルトーキョーに
程近い場所。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
開いたのは、楽天カードのユーザログイン画面。
当たり前ですが、偽の詐欺サイトなので絶対にログインしないでください。
まとめ
うちの場合、”[spam]”と書かれているから分かりやすいのですが、アドレス偽装されていると
本当に紛らわしいですよね!
まっ「第三者不正利用」と書かれていたらそれだと思っても差し支えないかと思いますよ。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |