色んな通貨あるもので春節明けての三連休のフィッシング詐欺メール攻撃はものすごいものとなりました。 このおびただしい数の詐欺メール見てやってください…(;^_^A ほぼ全てがご紹介済みの物ばかりなのと、詐欺メールの週は短く詐欺サイトへのリンク切れも 多いので、今回はこの中から今朝早く届いた「柴犬コイン」を騙ったフィッシング詐欺メール をご紹介していこうと思います。 久々に仮想通貨「MyEtherWalle」絡みのフィッシング詐欺メールになりますね。 フィッシング詐欺メールって意外と流行り廃りがありまして、一時期この「MyEtherWalle」 絡みのフィッシング詐欺メールは大量に届く時期もありましたが、最近はあまりお目に掛ら なくなっていましたが、久々の登場です。 では、いつものようにプロパティーから見ていきましょう 件名 「[spam] 1億のSHIBトークンを受け取ることができます。」 このメールには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「柴犬コイン(SHIB) <info@myetherwallet.com>」 色んな通貨あるものですね、わたしFXとか投資とか全く興味無いので全然知りま せん。 だからこのようなメールが来るはずも無いのです…(笑)
メールアドレスは偽装でしたでは、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「<info@myetherwallet.com>」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「<FC62B4B093727AD4E88171C372AF869A@gkvcp.com>」 あれ?ドメインが”gkvcp.com”になっていますね、”myetherwallet.com”じゃ なかったの?(笑) ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from gkvcp.com (unknown [27.158.235.189])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
まずは最初に、差出人のメールドメイン”myetherwallet.com”に割当てているIPアドレスと ”Received”に書かれているIPアドレスの相関性を見て本当に「MyEtherWalle」から送られて きたメールかどうか確認してみました。 ”Received”に書かれているIPアドレスは”27.158.235.189”ですから全く異なるIPアドレスが 表示されていますよね? この結果から差出人は「MyEtherWalle」では無いことが立証されました。 メールアドレス偽装ですね! 因みに”Message-ID”と”Received”に書かれていたドメイン”gkvcp.com”も調べてみると このような結果が… どうやらドメイン”gkvcp.com”は現在使われていないドメインのようですからこれも偽装です。 では、この”Received”にあったIPアドレスを使ってそのサーバーの位置情報を拾ってみます。 この結果から、差出人は「中国 福建省 ショウ州市」付近に設置されたメールサーバーから このメールを送ってきたようです。
1億のSHIBトークンってどんだけ?引き続きまして本文を見ていきます。 発行したshibの半分をイーサリアムの共同創設者であるVitalikButerin氏に送金。 VitalikButerin氏はその10%総額約1000億円分をインドのCovid救済基金に寄付した MyEtherWalletアカウントにログインすると、1億のSHIBトークンを受け取ることができます。 |
ちょっとごめんなさい「アカウントにログインすると、1億のSHIBトークンを受け取る」以外 なに言ってるのか全然わからないのですが…(;^_^A 要は、ログインすると、1億のトークンを受け取ることができるって事なんですね。(笑) それにしても「1億のSHIBトークン」って、貨幣価値としてどんだけなんでしょうね? で、それに釣られて誘い込まれるリンクのURLはメールに直書きされています。 ここもメールアドレスと同じように「MyEtherWalle」の正規ドメイン”myetherwallet.com”が 使われていますね。 と言うことはこれも偽装、本当のリンク先のURLはこちら。 このリンク先の危険度をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認して みると。 「有害なプログラムが含まれるか、閲覧者にフィッシング詐欺を行う可能性があります。」 なんて恐ろしいことが書かれています。 使われているドメインは”myetherwalleta.net”です。 このドメインも持ち主と割り当て地を確認してみます。 まずは持ち主ですが、北京市にある企業であること以外は全てシークレットされていました。 割当てているIPアドレスは”137.220.180.49”って事なので、このIPアドレスを元にその割り当て 地を確認してみます。 「東京都 千代田区 九段」付近の地図ですね。 リンク先のサイトは、この付近に設置されたウェブサーバーで運営されている模様です。 ちょっとだけサイトを覗いてみると、英文のページが表示されました。 このサイトへログインさせてユーザーのアカウント情報を盗み取るのが目的なのでしょうか?
ワードサラダ発見!最後に、このメールの本文をHTML形式からテキスト形式に切換えてみるとこのように ワードサラダが付いていました。 最初と最後に意味の分からない文字がいっぱい書かれています。 これがワードサラダで、先に説明したメールサーバーに設置されたスパムフィルターを 混乱させてスパムであること認識させずに通過させようとする手法です。 結局見破られて件名にしっかり”[spam]”と書かれちゃっていますが…(笑)
まとめ久々に「MyEtherWalle」の成りすましでした。 流行り廃りが有るのでまたしばらく続くのでしょうか… 間が空くと騙される方が多くならないか心配ですね。(;^_^A いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |