『詐欺メール』『口座取引制限のご案内:ANAの情報を更新する必要があります』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

今回は、『ANA』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。

ANAを騙る詐欺メールは、今までにも散見していていくつか取り上げましたが、結構人気なようで毎日たくさんの方にご覧いただいています。
さて今回は、どのようなメールなのでしょうか。
一緒に見ていきましょうか。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 口座取引制限のご案内:ANAの情報を更新する必要があります◉DT-34635797062
送信者:"【ANA】" <webmaster-psmbcarfd-Administrator-JQVb@accounts.nintendo.com>


いつも ANA をご利用いただきありがとうございます。

お客様のANA情報が無効になりました。正常にご利用いただくために、2025年03月07日までに情報を更新してください。

ANA情報を更新する

※一定期間ご確認いただけない場合、口座取引を制限させていただきます。

■発行者
全日空(ANA)
東京都港区東新橋1-5-2

お問い合わせはこちら
※本メールの返信用アドレスは配信専用です。

ANAの登録内容変更・解除はこちら
※お手続きには、ANAへのログインが必要です。
※変更・解除の反映までに1、2週間ほど時間がかかる場合があります。

All Nippon Airways Co., Ltd.


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



なになに?ANAが口座制限?
あれ?クレジットカードは発行していたと思うけどANAって金融機関でしたっけ?
まぎれも無い航空会社ですよね。
何の口座制限ってどういうこと?
もう血迷ってしまって何でもありなのでしょうか?


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『accounts.nintendo.com
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
また任天堂のドメインですか、もういい加減にこのドメイン使うの止めないと『任天堂のドメイン=詐欺メール』になってしまいますよ。
因みにANAが利用するメールアドレスのドメインは@ana.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。


Received: from C20250304121555.local (unknown [103.45.69.66])


経験上、ここに『C』から始まる数字のlocalドメインが記載されているものは全て詐欺メール。
最近このドメインが多く見られます。

ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません
このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近であることが分かりました。
これもReceivedフィールドに『C』から始まる数字のlocalドメインが記載されているものの特徴です。
それにこのIPアドレスは既にブラックリストに登録されて、そのカテゴリは『サイバーアタックの攻撃元』とされています。


宛名を確認

通常大切なメールの冒頭には『○□△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にANAからだとすれば、ユーザーの氏名やハンドル名を知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『ANA情報を更新する』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
h**ps://hangkonganad.shop/logana/
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまたANAのドメインとは異なるものが利用されていますね。

先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地はカリフォルニアです。

割当てているIPアドレスは『118.193.47.179
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、先程付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターにブロックされましたが、解除して進んでもページは開くことなく読み込み中のままでした。


まとめ

ANAが口座制限ってどう考えても理解ができないメールでした。
それにANAが、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスで、香港からユーザーにメールを送り
香港に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;