中身の無い意味不明なメールクレジットカード会社の『エムアイカード』からよく意味の分からないメールが届きました。  差出人のメールアドレスのドメインが”.cn”なんて中国のドメインになっているのでこのメールは 明らかに詐欺メール。 本文には 『本メールは、HTML形式で配信しております。内容が表示されない方は、下記URLよりご確認ください。』 と書いてあるだけで何のためにこのメールを配信したのかさっぱり分かりません・・・ いくら詐欺メールでもこれじゃ騙せません。(^^;) では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は『[spam] 【お支払い金額の見直しに】8月分ご請求金額確定後も分割・リボ払いに簡単変更!』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”エムアイカード” <miCard1@vrlfkbp.cn>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 折角送るのなら嘘でもいいからエムアイカードさんのドメインにしておけばいいのにね…
発信地は『ロシア』では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 Received:『from vrlfkbp.cn (unknown [193.233.18.175])』 |
では、メールアドレスにあったドメイン”vrlfkbp.cn”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。  これがドメイン”vrlfkbp.cn”の登録情報です。 これによると”193.233.18.175”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 ”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なのでこのメールアドレスは、差出人ご本人さんのもので 間違いなさそうです。 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになり、これを紐解けば差出人の素性が 見えてきます。 このIPアドレスを元に危険性や送信に使われたホスト情報とその割り当て地を確認してみます。  このIPアドレスを元に割り出した危険度は『脅威レベル:高』 その詳細は『サイバーアタックの攻撃元』表示とされています。 送信に利用されたのは、ロシアにある『Global Internet Solutions LLC』と言うプロバイダーです。 位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを ご承知いただいた上でご覧ください。 代表地点としてピンが立てられたのは、『モスクワ』付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
URLもしれっと偽装では引き続き本文。 エムアイカードからのお知らせ =-=-=-=-=-=-=-=-=-= いつも(株)エムアイカード発行のカードをご利用いただき、 ありがとうございます。 本メールは、HTML形式で配信しております。 内容が表示されない方は、下記URLよりご確認ください。 h**ps://view.micard.co.jp/?qs=e3bd44852fefe427203461c221bad0a1245c25c4f4f8203335a27892ca2f56f8cb1a008668c15d3d3e1d1fe6338aaa85a45d4e1a78c64c38c8b04c6ddacf4464a5e53a6efe28faa2 ※本メールは送信専用メールアドレスから配信しております。 ご返信いただいても対応いたしかねますので、予めご了承ください。 |
(直リンク防止のためURLの一部を変更して表示してあります) このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは、直書きされています。 URLをよく見ると”micard.co.jp”とエムアイカードさんの公式ドメインが使われているようですが これに騙されてはいけません! クリックすると全然別のサイトに接続されるようにリンク偽装が仕組まれていて そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での 危険度評価がこちらです。  結局中国の国別ドメインでしたね。(笑) 既にしっかりブラックリストに登録済みですね。 リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”micard.netjb.cn” このドメインにまつわる情報を取得してみます。  管理しているのは、メールアドレスにあったドメインと同じ人物ですね。 このドメインを割当てているIPアドレスは”172.67.185.85” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスト情報とその割り当て地を確認してみます。  サイト運営に利用されているホストは『Cloudflare』 こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で ご覧ください。 地図上にピンが立てられたのは、カナダの『トロント市庁舎』付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。  アドレスバーに赤文字で『危険』と書かれているので、Googleでも危険なサイトとして登録済みですね。 エムアイカードさんにそっくりのログインページが開きました。 ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。 そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで 詐取されることでしょう。
まとめメールアドレスもリンク先URLもどちらも中国の国別ドメインと言う典型的なフィッシング詐欺メール でしたね。 このようなメールに騙されないようにご注意ください。 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |