「ごいごいすー」に続き…
1つ前のエントリーでこのようなブログを書きました。
『詐欺メール』「ごいごいすー」と、来た件
今回のも引き続き違法サイトへのお誘いのメールとなります。
どうやらAmazonや楽天では販売されていない特殊商品の販売のようです。
このメールも先回と同様にフッター部に怪しげな文字が記載されていますね。
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] amazonで販売していません」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「news-w22jfqahof@jd06vnfkwgflr4wlv.com」
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
前のメールの差出人アドレスが”news-c62pgqrszi@jd06vnfkwgflr4wlv.com”でしたので
アカウント名は異なりますが、ドメインが全く同じです。
発信元サーバーはコロラド州にあり
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「news-w22jfqahof@jd06vnfkwgflr4wlv.com」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
|
Message-ID:「RMAMDXPXQLWCAZWZIARNKSJ@yiykksglexqvxoti.jp」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
|
Received:「from 66-76-140-239.tex.sta.suddenlink.net (66-76-140-239.tex.sta.suddenlink.net [66.76.140.239])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
|
先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
先回もやりましたが、改めてメールアドレスにあったドメイン”jd06vnfkwgflr4wlv.com”に
ついて調べてみます。
”154.26.131.237”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”66.76.140.239”ですから全く異なります。
これでアドレス偽装は確定。
この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね!
このIPアドレスにドメインが割当てられていないかと逆引きしてみると、このような”suddenlink.net”なんて
ドメインが割当てられていました。
「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス”66.76.140.239”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
おっと! このIPアドレスも前のエントリー同様に既に危険なものとしてブラックリストに登録されて、
その詳細は、メールとウェブによるサイバーアタックの攻撃元とされています。
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
ピンが立てられたのは、アメリカコロラド州「テルリド」付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
やっぱり「違法B-CASカード」の闇販売でした
では引き続き本文。
これは特殊な商品につき
「amazon」や「楽天」では販売されていません。
こちらの販売サイトのみで購入可能になっています。
↓↓↓
h**ps://urlth.me/bPqih### 詐欺サイトも確認されていますのでご注意ください。 ###
■■■ 500円クーポンプレゼント ■■■
クーポンナンバー:0mu2a22utn
クーポン期限:2022/10/31まで
※おひとり様一回限り
※通常版のみご利用可能
※他のクーポンとの併用はできません
■■■■■■■■■■■■■■■■■
配信停止:h**ps://urlth.me/kg7yU
ACMHCvZ8oZn6H9OTxw |
(直リンクを避けるためURLの一部を変更してあります)
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは、本文に直書きされていていますが、これは偽装されていて接続しようとすると
リダイレクト(自動転送)でこちらのURLに転送される仕組みになっていました。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
このように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。
そのカテゴリは「違法と思われる行為」と「詐欺サイト」と書かれています。
このURLで使われているドメインは、”61crvi5q3agjfri.ru”とロシアの国別ドメインですね。
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
このドメインを割当てているIPアドレスは”172.67.202.182”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、カナダのトロントにある「トロント市庁舎」付近と、前のエントリーと同じ。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
ということは、接続されるサイトも同じでしょうか…
危険を承知でリンク先に訪れてみました。
すると開いたのは、やはり「違法B-CASカード」の販売サイト。
このようなカードを売るのも買うのも違法ですから絶対に利用しないでくださいよ!
まとめ
カードの情報を書き換えることで有料放送が受信できると言うものですが、確か不正防止のために
不定期にB-CAS側で情報を書き換えているはずですから、いつかは使えなくなるはずですよ。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |