セゾンカード「認証が必要です」詐欺、送信元はバングラデシュの乗っ取り端末とみられる高脅威IP——Tencent Cloud上の偽Netアンサー画面まで精巧再現

セゾンカードを騙る詐欺メールはこれまでも数多くご紹介してきましたが、今回は送信元の性質がこれまでと少し異なっていました。データセンターのサーバーではなく、海外の一般消費者向け回線から送信されていた形跡があります。それでは詳しく見ていきましょう。
ご覧の通り、このメールはセゾンカードを装った真っ赤な偽物です。被害を未然に防ぐため、この解析結果を家族のLINEグループに転送して注意喚起してください。
それでは、実際に届いたメールの内容から見ていきましょう。
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。
【セゾンカード】本人確認のお願い 平素よりセゾンカードをご利用いただき誠にありがとうございます。 現在、セキュリティ強化の一環としてご本人様確認をお願いしております。 下記より認証ページへアクセスの上、必要な情報をご入力ください。 🔒 認証手続きを行う 【ご注意】本メール受信から24時間以内にお手続きください。 期限を過ぎますと一部機能が制限される場合がございます。 万が一お心当たりのない場合は、公式サイトよりご連絡をお願いいたします。 ■ お問い合わせ 専用フォームよりご連絡ください: https://www.saison.co.jp/ 本メールは送信専用です。返信には対応しておりません。 © 2026 SAISON CARD Co., Ltd. All rights reserved.
実際に受信した詐欺メールの画面。文末に本物のセゾンカード公式ドメイン「saison.co.jp」を記載し、信憑性を装っている
■ 送信ルートおよび偽装判定
送信元IP(Received-SPFヘッダーより特定):
202.134.10.140(helo=gyunikukai.com)
回線情報(ip-sc.net確認):
プロバイダ:Axiata (Bangladesh) Limited(Robi Axiata Limited)/AS24432(AXIATA-ROBI-AS-AP)/接続方式:wireless/利用形式:consumer(一般消費者向け)
所在地:バングラデシュ ロンプール管区
脅威レベル:高(「サイバーアタックの攻撃元/攻撃対象:メール」との情報あり)
今回はデータセンターではなく、一般消費者向けの携帯回線が送信元でした。
これまでご紹介してきた多くの詐欺メールは、Azure・Google Cloud・Tencent Cloudといったクラウドサーバーが送信元でしたが、今回は接続方式が「wireless」「consumer」となっており、バングラデシュの通信キャリアが一般利用者向けに提供している回線とみられます。ip-sc.netでも「サイバーアタックの攻撃元」との情報が付されており、何らかの理由で乗っ取られた個人の端末や回線が、気づかないうちにスパム送信に利用されている可能性が考えられます。
送信ドメインの正体:
送信ドメイン「gyunikukai.com」は、セゾンカードとは何の関係もない、意味の分からない名称です。乗っ取られた(または不正取得された)ドメインをスパム配信に悪用しているとみられます。
SPF:
Softfail(送信元ドメイン管理者自身が「このホストからの送信は推奨しない」と表明している状態)。正規のセゾンカードからのメールがこのような判定になることはありません。
■ フィッシングサイト詳細解析——多段構成の精巧な偽ログイン画面
誘導先URL(伏せ字):
hxxps://clad.zzyssllh[.]cn/eD9490/index
回線情報(ip-sc.net確認):
プロバイダ:Shenzhen Tencent Computer Systems/AS132203(TENCENT-NET-AP-CN)/利用形式:hosting
※表示上は「東京都渋谷区」となっていますが、Tencent Cloud上のサーバーであるため、この住所をそのまま実際の運営拠点と断定することはできません。
アクセスすると、ウイルスバスター クラウドが即座に「このWebサイトは、安全ではない可能性があります/脅威の種類:フィッシング」という警告を表示しました。
アクセス時に表示されたウイルスバスター クラウドの警告。誘導先が既にフィッシングサイトとして認定されている
警告を無視して先へ進むと、まず「読み込み中です」という中継画面が表示され、その後、本物と見分けがつかないレベルの偽ログイン画面へたどり着きました。
警告突破後に表示される「読み込み中です」という中継画面
最終的に表示された偽のNetアンサー/SAISON IDログイン画面。デザイン・レイアウトとも本物のセゾンカード公式サイトと酷似している
ここでID・パスワードを入力してしまうと、そのままアカウントの不正アクセスに直結します。
■ 注意点と対処法
- メール内のリンクは絶対にクリックしない:本物のセゾンカードからのメールでは、本人確認をメールのリンク経由で求めることはありません。
- セキュリティソフトの警告は無視しない:「ブロックしたWebサイトにアクセス」を選ばず、素直に画面を閉じてください。
- Netアンサーへのログインは公式アプリ・ブックマークから:本物そっくりの画面が表示されても、URLがセゾンカードの公式ドメイン(saisoncard.co.jp等)でなければ確実に偽物です。
- 「24時間以内」の期限表示に焦らない:期限を切って焦らせる文面は典型的な詐欺の手口です。
本レポートの結論
セゾンカードを騙り、本人確認を口実に精巧な偽ログイン画面へ誘導する詐欺メールでした。送信元はデータセンターではなく、バングラデシュの一般消費者向け回線とみられ、乗っ取られた端末が悪用されている可能性があります。誘導先はTencent Cloud上にあり、既にウイルスバスターがフィッシングと認定していました。身近な人が慌てて手続きしてしまう前に、この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
配色テーマ:Amethyst














