ETC利用照会サービス「クレジットカード情報更新未完了」詐欺——三菱UFJ経由を装う偽装Receivedヘッダーの手口を解析

HL-META: date=2026-07-29 | brand=ETC利用照会サービス | sender_geo=米国 | site_geo=香港 | spf=pass | dkim=pass | cloaking=unknown

夏の行楽シーズン、高速道路を使う機会も増えているのではないでしょうか。そんな中、ETC利用照会サービスを騙る詐欺メールが届きました。今回はヘッダー内の偽装工作が特に興味深い一通です。

ETC利用照会サービス「クレジットカード情報更新未完了」詐欺——三菱UFJ経由を装う偽装Receivedヘッダーの手口を解析

Heartland-Lab (ハートランド・ラボ) 専門調査レポート

ETC利用照会サービスを騙り「【再通知】クレジットカード情報更新未完了に伴うETCサービス一時停止のご案内」という件名で届く詐欺メールを解析しました。メールヘッダーの中に、あたかもYahoo!メールや三菱UFJ銀行のメールシステムを経由したかのように見せかける偽装工作が見つかりました。

緊急性レベル ★★★★☆ (4/5)
偽装工作精度 ★★★★☆ (4/5)

※重要:ETC利用照会サービスがメールでクレジットカード情報の更新をリンク経由で求めることはありません。「30日以内」「サービス自動解除」といった脅し文句自体が詐欺のサインです。

※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載です。

ご覧の通り、このメールはETC利用照会サービスを装った真っ赤な偽物です。被害を未然に防ぐため、この解析結果をご家族のLINEグループに転送して注意喚起してください。

※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。


平素より、ETCご利用照会サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。

お客様のクレジットカード情報が長期間にわたり更新されておりませんため、自動引き落としの承認有効期限が終了いたしました。
これに伴い、システムによるETC通行料金の自動請求が行えなくなり、ETCサービスの利用を一時停止させていただきました。

誠にお手数ではございますが、30日以内に下記の手順にてカード情報の更新手続きを完了いただけない場合、サービスが自動解除される可能性があります。

■ お手続き方法

1. 公式サイトへアクセス:
https://www.supports.leqisheng.store/login.html

2. ログイン後、クレジットカード更新ページへ移動いただく。

3. クレジットカード情報を最新のものに更新してください。

手続き完了後、24時間以内にサービスを再開いたします。

※本メールはシステムからの自動配信です。
※配信番号:PV-3578-63871723
※お問い合わせ:IMD-4270PGA-60503032

実際に届いたメールの表示画面

■ 送信ルート及び偽装判定

表示上の送信者:“ETC利用照会サービス” <supports@sever1.zjitgzs.com>

送信元(SPF client-ip):34.158.12.13
HELO:sever1.zjitgzs.com
この送信元IPはGoogle Cloud Platform(米国オレゴン州)に割り当てられたものです。SPF・DKIMともに「Pass(合格)」ですが、これは「sever1.zjitgzs.com」という送信元ドメイン自身への認証にすぎず、ETC利用照会サービス公式とは一切無関係です。

【注目の偽装工作】:メールヘッダーの中には、「Yahoo!メールと三菱UFJ銀行のメールシステムを経由した」ように見せかける、捏造されたReceivedヘッダー行が挿入されていました。Receivedヘッダーとは、メールがどのサーバーを経由してきたかを記録する仕組みですが、この情報は送信側が自由に書き加えることができてしまいます。今回のケースでは、実在する大手金融機関の名前を勝手に紛れ込ませることで、「信頼できる経路を通ってきたメールだ」という誤った印象を与えようとしたとみられます。

【偽装判定】:正規のETC利用照会サービスからのメールは公式ドメインから送信されます。本メールの送信ドメイン「zjitgzs.com」は公式と一切関係のない、フィッシング目的とみられるドメインです。

💡ここで! 用語をやさしく解説

Receivedヘッダー:メールが送信されてから届くまでに、どのサーバーを経由したかを記録する「経由履歴」のようなものです。郵便物の消印に似ていますが、メールの場合はこの記録の一部を送信者側が書き加えられてしまうため、実在する企業名を勝手に書き込んで「安心できそうな経路」を演出する偽装に悪用されることがあります。

Googleセーフブラウジング:Google Chromeなどのブラウザに組み込まれた、危険なサイトへのアクセスを警告する仕組みです。今回の誘導先サイトも、調査時点ですでにこの仕組みによって「危険なサイト」として警告が表示されていました。

■ フィッシングサイト詳細解析

誘導先URL(伏せ字):hxxps://www.supports.leqisheng[.]store/login.html

サーバーIP:182.161.66.245(香港のホスティング事業者、AS205960)

アクセスを試みた際、Google Chromeのセーフブラウジングが「危険なサイト」として警告を表示

この警告を確認のうえ、あえて先に進んでみたところ(読者の皆様は絶対に真似しないでください)、本物のETC利用照会サービスのログイン画面を非常によく模した偽サイトが表示されました。ここでユーザーIDとパスワードを入力すると、そのままアカウント情報が攻撃者に送信されてしまいます。

本物のデザインを精巧に模した偽のログイン画面

■ 注意点と対処法

  1. メール内のリンクからログインしない:ETCカードの状態が気になる場合は、必ずブックマークした公式サイトから直接アクセスして確認してください。
  2. ブラウザの警告を無視しない:「危険なサイト」という警告が出た場合、それを回避してアクセスするのは絶対に避けてください。
  3. 「30日以内」「自動解除」の脅し文句に注意:期限を切って焦らせる文面は典型的な詐欺の手口です。
  4. 心当たりのないIDやパスワードを入力してしまった場合:速やかにパスワードを変更し、クレジットカード会社に連絡して利用停止の手続きを行ってください。

本レポートの結論

「クレジットカード情報更新未完了」を名乗るETC利用照会サービスなりすましメールは、実在する大手金融機関の名前をヘッダーに紛れ込ませるという、これまでとは一味違う偽装工作を使っていました。誘導先サイトは既にGoogleに危険サイトとして検出されていますが、次に届く個体がそうとは限りません。身近な方が慌ててログイン情報を入力してしまう前に、この記事のURLをコピーして、ご家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。

Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
使用配色テーマ:Amethyst

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