「【EPOS】30,000ポイント貯まりました」は詐欺!本物のURLを表示しながら別サイトに飛ばす巧妙な偽装

「ポイントが貯まっています」という通知は、ついお得な気持ちになって開いてしまいますよね。今回はそんな心理を突きつつ、これまで見てきた中でも一番凝った偽装が施されたメールを調査しました。
画面に表示されているURLと、実際にクリックした時に飛ぶ先が違う——これがこのメール最大の危険ポイントです。
実際に届いたメールがこちらです。

▲ 一見すると自然な文面で、リンク文字列も「https://www.eposcard.co.jp/mypage/」という本物のURLに見える
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。
平素よりEPOSカードをご利用いただき、誠にありがとうございます。 現在、お客様のEPOSポイントが30,000ポイント以上貯まっております。 ✅ 丸井・モディでのお買い物(1ポイント=1円) ✅ ANAマイルへの交換 ✅ ギフト券・電子マネーへの交換 ✅ 暗号資産への還元(Crypto Card会員様) ポイントの有効期限は、ポイント加算日より2年間です。 ▼ ポイント残高の確認・交換はこちら ▼ https://www.eposcard.co.jp/mypage/
ここに表示されている「https://www.eposcard.co.jp/mypage/」という文字列は、実際にはリンク先ではありません。HTMLソースを確認すると、この文字列の裏に貼られている本当のリンク先(href属性)は、記号だらけの見慣れないドメインでした。見た目の文字列と実際の飛び先が異なる、非常に悪質な偽装です。
💡 ここで! 用語をやさしく解説
見た目のURLと実際のリンク先のズレ:メールソフトやブラウザ上でリンクの文字として表示されている部分は、実際の飛び先(HTMLの`href`属性)とは別に自由に設定できます。文字として「本物っぽいURL」を貼りつつ、裏側だけ偽サイトに差し替えることが可能なため、表示文字を信用せず、実際にマウスを乗せた時に画面下などに表示される本当のリンク先を確認することが重要です。
本文にはもう一つ、巧妙な仕掛けがありました。メールをプレーンテキスト表示に切り替えると、宛名の直前に見慣れない文字列が現れます。
▲ プレーンテキスト表示に切り替えると、宛名の前に無意味な文字列が現れる
HTMLソースを確認すると、この部分には文字サイズ0px・色を背景と同化(透明)にする指定がされており、通常のメール画面では一切見えないようになっていました。メールごとにこの隠し文字の内容を変えることで、スパムフィルターに「毎回違う内容のメール」だと誤認させ、同一パターンとしての検知をすり抜けようとする手口と考えられます。
■ 送信ルート及び偽装判定
回線情報(ip-sc.net確認):
プロバイダ名:Microsoft Corporation
利用形式:hosting
AS番号:AS8075(MICROSOFT-CORP-MSN-AS-BLOCK)
脅威レベル:低
【偽装判定】:
表示上の送信元は「01epos.jp」という、実在の公式ドメイン「eposcard.co.jp」に似せた紛らわしいドメインです。DKIM署名はこの01epos.jpに対して有効ですが、これは攻撃者が自分で取得したドメインに自分で署名しているだけであり、EPOSカードの正規サービスとは一切関係ありません。さらに実際にメールを送信しているサーバーは「epos01.practicuscareers.com」という、01epos.jpとも無関係な第三のドメインでした。表示上の送信者・DKIM署名ドメイン・実送信サーバーの3つがそれぞれ別物という、複数レイヤーの偽装が組み合わさっています。
最後に、誘導先のリンク先を安全な調査環境で確認しようとしましたが、結果は次の通りでした。
■ 誘導先サイトの詳細解析
誘導先URL(伏せ字):hxxps://www[.]icingonthepage[.]com/609074/(記号による難読化)=anykdsz
アクセス結果:調査時点でDNS解決ができず(NXDOMAIN)、サイトは既に閉鎖済みか停止中と見られます。最終的にどのような偽サイトが表示される予定だったかは確認できませんでした。
URLの末尾に記号や絵文字のような文字が使われている点も、URLパターンでの自動検知を回避する狙いがあると考えられます。

▲ 調査時点では、誘導先ドメインが既にDNS解決不能な状態だった
■ 注意点と対処法
- 表示されているURL文字列を信用しない:本物のURLに見えても、実際のリンク先は別である可能性があります。
- ポイント確認は公式アプリ・ブックマークから:メール内のリンクは使わず、ご自身でアクセスした公式サイトから確認してください。
- プレーンテキスト表示で確認する習慣も有効:不審なメールは、表示形式をプレーンテキストに切り替えると、隠された不自然な文字列が見えることがあります。
- 不審なメールは報告・削除:返信やリンクへのアクセスはせず、迷惑メールとして処理しましょう。
本レポートの結論
「【EPOS】30,000ポイント貯まりました」は、表示リンクと実際の飛び先を分離させる偽装、紛らわしいドメインでのDKIM自己署名、本文中の隠し文字によるフィルター回避と、複数の手口を組み合わせた巧妙な詐欺メールでした。「本物のURLが書いてあるから安心」とは限らないという点を、ぜひ身近な方にも伝えてあげてください。この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
使用配色テーマ:Amethyst















