「セゾンカード 取引内容確認手続きのご案内」は詐欺!中国系クラウド上の偽ログイン画面でID・パスワードを狙う手口

クレジットカードの利用確認メールは本物でもよく届くだけに、つい反応してしまいがちですよね。今回はそんな心理を突いた、セゾンカードを装う詐欺メールを実際に調査してみました。
ご覧の通り、このメールはセゾンカード公式を装った真っ赤な偽物です。リンク先はID・パスワードを盗み取るための精巧な偽ログイン画面でした。
実際に届いたメールの見た目は、こちらです。

▲ 「カード利用内容確認手続きのお知らせ」という件名で届いたなりすましメール。Amazonでの高額利用を装う具体的な数字が並ぶ
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。
カード利用内容確認手続きのお知らせ ご利用日時:2026-07-28 06:41:28 ご利用店舗名:Amazon ご利用金額:33,800円 ご利用区分:家族利用 決済種別:オンライン決済 [ご利用内容を表示] カード会員様 日頃よりセゾンカードをご利用いただきありがとうございます。 現在、ご利用情報の一部について確認を実施しております。 対象となるご利用明細をご確認くださいますようお願いいたします。
「Amazonで33,800円利用された」という具体的な金額を出すことで、身に覚えのない請求への不安を煽り、思わずボタンを押させようとする典型的な手口です。記載されている利用日時・店舗名・金額はすべて攻撃者が自由に書き込んだ架空の内容であり、実際の利用実績とは一切関係ありません。
■ 送信ルート及び偽装判定
正規の送信元IP(Received-SPFのclient-ip):
185.82.99.122(国レベル判定:レバノン)
【偽装判定】:
正規のセゾンカードからのメールは「saisoncard.co.jp」ドメインから送信されます。本メールの送信ドメイン「kagemasakatana.com」はセゾンカード・クレディセゾンとは一切関係のない、攻撃者が独自に用意したドメインです。DKIM署名自体は技術的に「正しく」検証できてしまいますが、これは攻撃者が自分のドメインに自分で署名しているだけであり、正規性の証明には一切なりません。
💡 ここで! 用語をやさしく解説
DKIM署名:メールが送信途中で改ざんされていないかを確認する仕組みです。ただし「署名が正しい」ことは「送信ドメインの持ち主がメールの内容に責任を持って署名した」ことしか意味せず、そのドメインが本物の会社かどうかまでは保証しません。攻撃者は自分で用意した偽ドメインに、自分で正しく署名することができてしまいます。
SPF Softfail:「このサーバーからの送信は、ドメイン所有者としては推奨していません」という弱い警告です。完全な失敗(Fail)ではないため、一部のメールソフトでは迷惑メールと判定されずに受信箱に届いてしまうことがあります。
続いて、メール内の「ご利用内容を表示」ボタンのリンク先を、安全な調査環境で確認しました。
■ 誘導先サイトの詳細解析
誘導先URL(伏せ字):hxxps://evoxtrm[.]com/eD9490/index
サイトサーバーIP:43.167.12.139
ホスティング事業者:Tencent Cloud Computing (Beijing) Co., Ltd(AS132203/TENCENT-NET-AP-CN)
所在地情報について:調査ツール上は「東京都渋谷区」と表示されますが、このIP帯は中国系クラウド事業者(Tencent Cloud)のホスティングIPであり、実際の運用拠点や攻撃者の所在地を正確に示すものではない点にご注意ください。
セキュリティソフトの判定:ウイルスバスター クラウドが「フィッシング」の脅威種別で、このURLへのアクセスを既にブロックしています。

▲ ウイルスバスター クラウドが「安全ではない可能性があります」と警告しブロック
この警告を無視して強引にアクセスすると、一瞬の読み込み画面を経て、本物そっくりのログイン画面が表示される作りになっていました。

▲ 読み込み中の画面を挟んでから偽ログイン画面が表示される

▲ 「Netアンサー|SAISON ID」を模倣した偽ログイン画面。デザインの完成度は高い
ここでID・パスワードを入力してしまうと、そのままセゾンカードアカウントの不正アクセスに直結する危険があります。デザインの再現度は高いのですが、URLが「evoxtrm.com」というセゾンカードと無関係のドメインである時点で、公式サイトでないことは明らかです。
■ 注意点と対処法
- メール内のリンクからログインしない:必ず公式アプリ、またはブックマークしたNetアンサーの正規URLからアクセスしてください。
- ドメインを必ず確認:正規のセゾンカードのドメインは「saisoncard.co.jp」です。それ以外のドメインは全て偽物と考えてください。
- 万一入力してしまった場合:速やかにセゾンカードへ連絡し、パスワード変更とカードの利用停止手続きを行ってください。
- 公式注意喚起の参照:セゾンカードを騙る不審なメール・SMSにご注意ください(セゾンカード公式)
本レポートの結論
「セゾンカード 取引内容確認手続きのご案内」は、無関係の海外ドメインから送られ、中国系クラウド上のフィッシングサイトへ誘導する、デザイン完成度の高い偽装メールでした。ウイルスバスター等のセキュリティソフトが既に警告を出していますが、警告を無視してアクセスしてしまう方もいらっしゃいます。身近な人が騙されてからでは手遅れです。この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net
使用配色テーマ:Burgundy
















