【警告】カゴヤジャパンを完全偽装した「ドメイン自動更新失敗のお知らせ」に注意!スパム判定すり抜け・多段階踏み台で届く危険ななりすましメール

月末が近づき、ドメインやサーバーの更新手続きに追われる方も多い時期ですね。ちょうどそのタイミングを狙ったかのような詐欺メールが届きましたので、今回はそちらをご紹介します。
📋 調査レポート:概要
| 件名 | 【KAGOYAドメイン】ドメイン自動更新失敗のお知らせ(●●●.jp) |
| 差出人表示 | “カゴヤジャパン サポートセンター” <support@kagoya.jp>(完全な表示偽装) |
| 受信日時 | 2026年7月27日 5時43分頃 |
| 送信元IP(地域) | 米国のサーバー経由(詳細は後述) |
| SPF判定 | Fail(認証失敗=正規のKAGOYAサーバーからの送信ではないことがはっきり分かる状態) |
| 危険度評価 | ★★★★★(非常に高い) 完全な表示偽装+迷惑メール自動判定をすり抜けている点が特に危険 |
実際に届いたメール本文
実際に届いたメールの文面です。ご自身のドメイン名の部分は伏せて掲載しています。
KAGOYA 〇〇〇です。 [アカウント:kir015983] KAGOYAジャパンサポートセンター ドメイン部です。 日頃より弊社サービスをご利用いただき、誠にありがとうございます。 ドメイン名●●●.jpは、2026年07月24日午後5時までに更新申請がなかったため、自動的に停止されます。 ▼1.ドメイン情報========================================================= ドメイン名: ●●●.jp 有効期限(新規): 2026/07/27 公開情報: https://whois-sr.kagoya.net/ (有効期限2025/05/24の翌日に反映) *ICANNの仕様変更(2018/05/25)により、この情報は「非公開情報」として表示されます。 ▼2.COM 各種料金========================================================= 更新料金:5,500円/年 請求情報:2026年07月27日請求 ドメイン契約の更新はこちらをクリックしてください。 [※詐欺サイトへの誘導リンクのため掲載を割愛しています] ▽請求情報の確認(コントロールパネル)======================================== ●共有サーバー、マネージド専用サーバー、メールプラン、ベアメタルサーバー、ハウジングサービス ◇コントロールパネル > 契約アカウント名(右上) > 利用状況 > 請求明細 次回の更新請求日は2027年07月27日です。 ▼アカウント情報===================================================================== アカウント: kir015983 ご不明な点がございましたら、いつでもカゴヤ・ジャパン サポートセンターまで お問い合わせください。 それでは今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 お問い合わせは… カゴヤ・ジャパン サポートセンター ==================================== 電 話 0120-022-234 (平日10:00~17:00) メール support@kagoya.jp X (旧:Twitter) https://twitter.com/kagoyajp ウェブサイト https://www.kagoya.jp/ サポートサイト https://support.kagoya.jp/ KAGOYA Internet Routing KAGOYA FLEX KAGOYA CLOUD KAGOYA DC+ =================================

▲実際に届いたメールの画面です。件名にも本文にも「[spam]」の表示がなく、迷惑メールとして自動判定されていませんでした。
※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載
送信ルートと偽装の実態
まず驚かされるのが、差出人の完成度です。メールソフト上の表示名は「カゴヤジャパン サポートセンター」、メールアドレスも support@kagoya.jp と、本物のKAGOYAサポートアドレスとまったく同じものが表示されていました。これは「表示名詐称」と呼ばれる手口で、メールソフトが表示するFromヘッダー(差出人情報)はテキストとして自由に書き換えられるという仕組みの弱点を突いたものです。
しかし、ヘッダー情報を詳しく解析すると化けの皮がはがれます。SPF(送信元のメールサーバーが、そのドメインの管理者によって正式に許可されているかを確認する仕組み)の判定は明確に「Fail」でした。これは「Softfail(灰色)」よりさらに踏み込んだ、「このサーバーはこのドメインの正規送信元として認められていない」という強い判定です。実際の送信元サーバーは米国に置かれたサーバーで、KAGOYAとは一切関係のないものでした。
さらに詳しく調べると、そのメールを送信したサーバー自体も、別の踏み台を経由してメールを受け取ってから転送している形跡が見つかりました。攻撃者は、乗っ取ったサーバーやアカウントを何段階も経由させることで、発信元の特定を難しくしていると考えられます。差出人欄に表示される「Return-Path(実際の返信先として登録されている住所)」も、カゴヤとは無関係の実在企業らしきドメインが使われており、そのドメイン自体も何らかの形で悪用されている可能性があります。関係のない企業の風評被害を避けるため、このドメイン名の掲載は控えます。
💡ここで! なぜ「スパムスタンプなし」が特に危険なのか
当ブログでご紹介する詐欺メールの多くは、件名の先頭に受信サーバーが自動付与する「[spam]」という印(スパムスタンプ)が付いています。これは、システムが自動的に「これは怪しいメールだ」と判定してくれている証拠でもあります。ところが今回のメールには、この印が一切付いていませんでした。つまり、迷惑メールフィルターの目をくぐり抜けて、通常のメールと同じように受信箱に届いてしまう可能性が高いということです。フィルターに頼り切らず、差出人アドレスやリンク先を自分の目で確認する習慣が、これまで以上に大切になります。
誘導先の様子(多段階のなりすまし)
メール内の「ドメイン契約の更新はこちらをクリックしてください」というリンクは、まずヨーロッパのサーバーを経由し、複数のアドレスを転々とした末に、海外の一般的なウェブサイトが乗っ取られたとみられる場所へ最終的にたどり着く構成になっていました。関係のない第三者のサイトが踏み台にされている可能性が高いため、具体的なドメイン名の掲載は控えます。
Heartが実際にリンク先を確認したところ、まず「人間であることの確認」を求める画面が表示されました。

▲第1段階:「cp.kagoya.net」という文字列とCloudflareのロゴをあしらった画面ですが、実際のCloudflareのセキュリティチェックではなく、静的に作り込まれた偽の確認画面です。
この画面を通過すると、続けて本物のKAGOYAコントロールパネルを模した偽のログイン画面が表示されます。

▲第2段階:「ユーザーコントロールパネル」を名乗る偽のログイン画面。アカウント名とパスワードを入力すると、そのまま攻撃者の手に渡ってしまいます。
なお、メール本文の署名部分に記載されている電話番号やウェブサイトのアドレス(https://www.kagoya.jp/ など)自体は実在するKAGOYAの正規情報です。攻撃者は本物の会社情報をそのままコピーして本文に貼り付けることで、メール全体の信ぴょう性を高めようとしているとみられます。本文の内容が正しく見えても、肝心の「更新はこちら」というボタンのリンク先だけが差し替えられているという点に、十分ご注意ください。
送信元IPアドレスの詳細
送信元IPアドレスの詳細情報は、下記の外部サイトでどなたでも確認いただけます。
※調査時点の情報であり、日々変化する可能性があります。誘導先のサーバーの一部はCloudflare(多数のウェブサイトが利用する保護サービス)を経由しており、実際の運営場所を特定できない状態でした。
こんなときどうする? 対策リスト
- ✅ 「[spam]」の表示がないメールでも、油断せず差出人アドレスとリンク先を確認する
- ✅ ドメインやサーバーの更新手続きは、メール内のリンクからではなく、必ずブックマークしてある公式のコントロールパネルから直接行う
- ✅ 「自動的に停止されます」といった急かす文言に接したら、まず一呼吸置いて公式サイトで状況を確認する
- ✅ 契約しているサーバー会社のサポート窓口の電話番号は、普段からメール以外の場所(契約書や公式サイト)で控えておく
- ✅ 万が一IDやパスワードを入力してしまった場合は、速やかに契約先のサーバー会社へ直接連絡し、パスワード変更などの対応を行う
まとめ
今回のメールは、差出人表示から署名欄の会社情報まで本物そっくりに作り込まれ、さらに迷惑メールフィルターの自動判定さえもすり抜けてくる、完成度の高い詐欺メールでした。見た目の完成度が高いメールほど、リンク先の実態を自分の目で確かめる一手間が重要になります。この解析結果が、ご家族や周りの方への注意喚起の参考になれば幸いです。よろしければ下のボタンからLINEでシェアしていただけると、被害の予防につながります。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
調査日:2026年7月27日/根拠データ参照元:ip-sc.net
※本記事に記載のIPアドレス・ロケーション情報は調査時点のものであり、日々変化する可能性があります。本記事の情報に基づいて生じた損害について、当ラボは責任を負いかねます。














