【緊急】同一犯による波状攻撃!デジタル庁・PayPay銀行から事務所ドメイン乗っ取りまで、ロシア発・同一IPからの大量送信を解析

| 緊急性レベル | ★★★★★ (5/5) |
| 偽装工作精度 | ★★★☆☆ (3/5) |
■ 波状攻撃の観測状況
本日午前9時頃から午後にかけて、以下のような件名・送信者名を使い分けたメールが、宛先のアカウント名(users@、admin@、support@、sales@、info@など、ありがちな名称)を次々に変えながら大量に届きました。
- 「【至急】2026年度 マイナンバー更新手続きのお知らせ」(送信者名:マイナンバー総合窓口デジタル庁連携/デジタル庁本人確認サービス等)
- 「三井住友銀行 – セキュリティ確認および契約更新」
- 「PayPay銀行 – 不審ログイン検知および本人確認」
- 「日本年金機構 – 年金受給資格確認通知(2026年度)」
- 「日本郵便 – 不在配達通知/荷物受け取り確認」
- 「デジタル庁・マイナンバー – 本人確認書類の提出期限について」
- 「MUFG銀行・国税庁・DocuSign Japan・Adobe Signを名乗るもの」
- 某事務所の正規ドメイン(.jp)を盗用した「アカウント閉鎖リクエスト」(送信者名:Service-(伏字).jp+ランダムな数字)
表向きのブランド名は様々ですが、すべて同一犯による偽物です。被害を未然に防ぐため、この解析結果を家族のLINEグループに転送して注意喚起してください。
■ 代表例①:PayPay銀行を名乗るHTML添付型
件名:PayPay銀行 – 不審ログイン検知および本人確認
送信者名:“デジタル庁 本人確認サービス” id-verification@digital.go.jp(デジタル庁の実在ドメインを偽装)
添付ファイル:公式通知_591951.html ※本文にはリンクはなく、添付のHTMLファイルを開かせる構成です。同日午前に解析した別件(本サイト既報)と同種の、ファイル自体が偽の入力フォームとして機能する自己完結型フィッシングHTMLとみられます。
真の送信元IP:212.19.23.205(ロシア/一般ブロードバンド回線)
SPF認証:Fail(not authorized)
■ 代表例②:事務所ドメインを盗用した「アカウント閉鎖リクエスト」型
件名:【重要】アカウント閉鎖リクエスト(users@(伏字).jp)の有効化が必要 – 48時間以内にご対応ください。
送信者名:“Service-(伏字).jp+ランダムな数字” recruit@aporu.com
宛先:users@(伏字).jp ※実在しないアカウント宛のため、実害はありませんでした
真の送信元IP:212.19.23.205(ロシア/一般ブロードバンド回線)
SPF認証:Softfail(discourages use of this host)
■ 決定的な証拠:送信元IPアドレスの完全一致
代表例①・②、さらに本日午前中に別途解析した三井住友銀行を騙る案件(本サイト既報)の3件を比較したところ、いずれも送信元IPアドレスが「212.19.23.205」で完全に一致していることが確認されました。表示されているブランド名・件名・送信者名はすべて異なっていても、実際にメールを送り出していたサーバーは1つだけだったのです。
詳細:【ip-sc.netで確認する】
※このIPアドレスはロシアの一般ブロードバンド回線(ホスト名にbroadband.redcom.ruを含む)のものです。ロケーション情報は調査時点(2026年6月)のものであり、日々変化する可能性があります。
「企業ドメインへのアカウント名総当たり」という手口の正体:攻撃者は特定の個人を狙っているわけではなく、企業の正規ドメインを盗用し、「users」「admin」「support」「sales」「info」のような、どの会社にもありそうなアカウント名を辞書的に大量生成して、手当たり次第に送信しています。実在しないアカウント宛のメールも多く含まれるのはこのためです。
■ 誘導先サイトの解析(代表例②)
メール内リンク(伏せ字):hxxps://authwebmaillogon-(伏字)[.]jp/(受信者のアドレスを含む追跡用パラメータ)
最終到達先(伏せ字):hxxps://medixsurgicalconcern[.]com[.]np/jp/#(追跡用の長いパラメータ)
最終到達先サーバーIP:192.185.115.14(アメリカ/一般的なレンタルサーバー)
【サイトの状態】:このリンクへアクセスすると、まずGoogle Chromeのセーフブラウジング機能が「危険なサイト」「フィッシングが検出されました」という警告を表示します。警告を無視して進むと、英語圏向けと思われる汎用的な偽ログインフォームが表示されます。「ユーザー名前」「保つ当方としてログイン」という、機械翻訳特有の不自然な日本語が使われており、海外で量産されたテンプレートをそのまま使い回していることが一目で分かります(笑)。誘導先のドメイン「medixsurgicalconcern.com.np」は、本来ネパールの医療関連と思われる正規サイトが乗っ取られた(コンプロマイズされた)可能性があります。
※デジタル庁本人確認サービスを名乗る送信者から届いたメールです(添付ファイルがHTML形式の偽通知)。
※事務所の正規ドメイン(.jp)を盗用し、「users@」宛に送られてきたメールです。
※上記メールのリンク先にアクセスした際、Chromeが表示した警告です。
※警告を無視して進むと表示される、機械翻訳調の不自然な日本語が使われた偽ログイン画面です。
■ 注意点と対処法
- ブランド名が変わっても警戒を緩めない:デジタル庁・銀行・年金機構など、次々に名乗りが変わっても、送信元が同一の攻撃者である可能性があります。
- Chromeなどの警告は必ず守る:「危険なサイト」という警告が出たら、絶対に「このサイトにアクセスする」を選ばないでください。
- 不自然な日本語に注意:「ユーザー名前」のような機械翻訳調の表現は、海外で量産されたフィッシングサイトの典型的な特徴です。
- 送信元アドレスの「@以降」を必ず確認する:表示名は自由に偽装できます。実際の送信元ドメインとSPF認証の結果を確認してください。
- 公式注意喚起の参照:デジタル庁の注意喚起 / PayPay銀行 詐欺被害にあわないために
- 万が一情報を入力してしまった場合:同じパスワードを使っている全てのサービスのパスワードを直ちに変更し、各サービスの利用明細に不審な履歴がないか確認してください。
本レポートの結論
デジタル庁・三井住友銀行・PayPay銀行・日本年金機構など、表向きは多種多様なブランドを名乗りながら、その正体は同一のロシア発IPアドレスから送られた、たった1つの攻撃キャンペーンでした。企業の正規ドメインを盗用し、ありがちなアカウント名へ総当たりで送信するという、効率重視の無差別攻撃です。半日で40通以上という量からも、今後さらに新しいブランド名で同様のメールが届く可能性があります。身近な人が騙されてからでは手遅れです。この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで『これ気をつけて!』と共有してあげてください。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net














