『詐欺メール』『【重要なお知らせ】楽天カード勤務先確認書類のご提出について(10月10日まで)』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


「生成AI」が普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
詐欺師もこれを逃すはずが無く、怪しいメールにも生成AIが浸透しつつあり
最近では片言の日本語ではなく、違和感のない流暢な言葉を使うメールが多くなりました。
このブログは、悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速にご紹介し
一人でも被害者が少なくすることを願い、怪しく危険なメールを見破る方法の拡散や
送信者に関する情報を深堀し注意喚起を促すことが最大の目的です。

もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。

最初に1点だけ以下の件ご了承ください。
本来ならメールの本文を画像でお見せする方が分かりやすいかも知れませんが、全てを画像化してしまうとGoolgeなどのキーワード検索に反映されず、不審なメールを受取って不安で検索される方に繋がらない可能性が高くなります。
できる限り沢山の方に見ていただき情報が拡散できるようにあえて本文を丸々コピペしてテキストにてできるだけ受け取ったメールに近い表現にした上で記載しています。

では、進めてまいります。


前書き

楽天カードを騙る輩から、一風変わったでもとてもヤバそうなメールが届きました。
一瞬ですが、騙されそうになったので取り急ぎご紹介しておこうと思います。

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 【重要なお知らせ】楽天カード勤務先確認書類のご提出について(10月10日まで)
送信者:楽天カード <info@mail.rakuten-card.co.jp>


【重要なお知らせ】勤務先確認に関する書類ご提出のお願い

平素より楽天カードをご利用いただき、誠にありがとうございます。

お客様の勤務先確認に必要な書類を、10月10日までに提出していただけるようお願いします。この期限をすぎますと、カードの利用に制限が生じる場合がございます。

カードのご利用にあたり、セキュリティ及び契約内容の適正維持のため、お勤め先情報の確認が必要となっております。下に記載されているいずれかの書類を画像(JPEG/PNG)形式でご提出願います。提出が確認できない場合は、カードの制限またはサービスの継続ができない場合がございます。

下に記載されているURLよりアップロードのページにアクセスし、必要書類のご提出をお願致します。ご提出が確認できない場合は、カードに制限がかかる場合がございますのでご了承ください。何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

源泉徴収票
給与明細書
社会保険料の領収書 など

下記リンクよりアップロードページへアクセスし、必要書類のご提出をお願いいたします。
書類をアップロードする

ご提出が確認できない場合、カードのご利用を制限させていただくことがございます。何卒ご理解・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

■ お問い合わせ先
楽天カードコンタクトセンター
電話番号:0570-66-6910(営業時間 9:30~17:30)

※本メールは重要なお知らせのため、配信停止をご希望された会員さまにもお送りしております。
※このメールは楽天カードより自動送信されています。ご返信いただいても対応いたしかねますのでご了承ください。

発行:楽天カード株式会社(Rakuten Card Co.,Ltd.)
東京都港区南青山二丁目6番21号

Copyright © 2025 Rakuten Card Co., Ltd. All Rights Reserved.


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本文ここまで



これらの不審なメールは、皆さんが様々な登録の際に利用したメールアドレスが漏洩し、専門の業者がその漏洩したアドレスを収集たものを入手した詐欺グループが、こういったメールを送っているので、このメールを受取ったのは、楽天カードユーザーばかりではありません。
大量のメールを送った中で、ほんの一部の対象者を狙った数打てば当たる方式の詐欺メールです。

この後、最終的にこのメールにつけられたリンクまで調査しますが、このところこれら詐欺サイトへの規制が厳しくなっており、詐欺サイトが設置されるホスティングサービスはセキュリティの強化が図られ、こういったサイトの多くは設置されるとすぐに閉鎖に追いやられています。
そのためこのメールに付けられたリンクももしかしたらすでに機能を停止している可能もあります。

このメールは、勤務先確認に必要な書類を期日までに提出するように促すものです。
カード会社からこのようなメールが届くとあっさり信じてしまいそうですよね。
でもよくよく考えてみると、このメールが届いたアドレスは、仕事用のもので楽天アカウントに紐づけされていないのでこちらに楽天からメールが届くはずがありません。
それにしてもメールって、色々なメールから文章をコピーした張りぼての様に「提出」って言葉が出てきますよね。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いているものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合、注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は「rakuten-card.co.jp」
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません
もちろん偽物からなので偽装されています。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの「Receivedフィールド」から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received: from oqatx.top (142.176.64.34.bc.googleusercontent.com [34.64.176.142])


本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですがそれとは全く異なるoqatx.topなんてドメインが記載されていますね。
これでアドレス偽装はほぼ確定!

Receivedのカッコ内は、送信者が利用したサーバーが自身で刻む唯一信頼できる部分で偽装はできません。

ここには『googleusercontent.com』と書かれています。
これはGoogleが提供する各種サービスがコンテンツを配信・ホスティングするために使用されるドメインです。
故にこのメールの送信者は、このサービスを利用してこのメールを送信しているようです。

では、試しにドメイン「oqatx.top」を割当てているIPアドレスとこのReceivedのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが「aWebAnalysis」さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

IPアドレスを抽出する以前に、このドメインはどのIPアドレスも割り当てられていないようです。
IPアドレスの割り当ての無いドメインは利用することはできませんので、このドメインも嘘を記載したようです。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を「IP調査兵団」で導き出してみると、ソウル付近です。


宛名を確認

このような大切なメールの冒頭には通常「◎◇△ 様」と言ったように「宛名」が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に楽天カードからだとすれば、ユーザーの氏名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の「書類をアップロードする」と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://rakuten-cord-co-jp.buftr.top/info/signin】
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

当然楽天カードのドメインとは異なるものが利用されていますね。
このドメインに関する詳しい情報を「Whois」さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者は中国広東省の方です。

次に先程と同様にこのドメインを割当てているIPアドレスを「aWebAnalysis」さんで取得してみます。

今度はしっかり取得できましたね!
割当てているIPアドレスは「104.21.51.194」
IP調査兵団」でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、ニューヨークのマンハッタン付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、一旦はウイルスバスターとGoogle Chromeのセキュリティにブロックされましたが、解除して進むと開いたのは「Sorry, your request timed out. Please try again or check your internet connection.」とだけ書かれた真っ白なページ。
恐らくこのサイトを設置したレンタルサーバーがその危険を察知して削除したものかと思いますが、ウイルスバスターにブロックされたことが、ここには以前危険なサイトが存在していたことを物語っていますね。


まとめ

近年の詐欺メールはどんどん巧妙化しているので侮れませんね。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;