『詐欺メール』『Visaカードご利用制限回避のための認証手続き』と、来た件

2025年6月10日

★フィッシング詐欺メール解体新書★

スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。

いつもご覧くださりありがとうございます！

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★証券会社に成り済ます悪質なメール終息気味ですが、まだ確認されていますので資産運用されている方はご注意ください★

件名の見出しを確認
メールアドレスのドメインを確認
宛名を確認
リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分～10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。

1. 前書き
2. メール本文
3. 件名の見出しを確認
4. メールアドレスのドメインを確認
5. 宛名を確認
6. リンク先のドメインを確認
7. まとめ

前書き

VISAカードから、利用者情報を確認するように求めるメールが届きました。
東京電力、楽天、マスターカードと、このデザインのメール、最近多いような気がしますが、当然同一犯の仕業でしょうね。
今回の本文と全く同じ内容で件名が『【最終通知】Visaカードの認証を完了してください』と言うメールも確認していますのでこちらについてもご注意ください。

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。

以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。

メール本文

ここから本文
↓↓↓↓↓↓

件名：[spam] Visaカードご利用制限回避のための認証手続き
送信者："Visaカード" <yoshimura.bunta@ibmak.com>

配信停止・配信先の変更

重要：Visaカード利用者情報確認のご請求

平素よりVisaカードをご利用いただき誠にありがとうございます。
セキュリティ強化のため、登録電話番号の確認が必要となっております。

セキュリティ確認のお願い

お客様のVisaカード登録情報に不備が確認されました。
24時間以内に確認を行わない場合、一時的にカード利用が制限される可能性があります。

■ 対応期限
24時間以内（未対応の場合、一時的にカード利用が制限される可能性があります）

■ 確認手順
1. 公式アプリまたはウェブサイトにログイン
2. 「プロフィール設定」＞「連絡先情報」で電話番号を確認
3. 変更がある場合は「更新」を選択

■ 重要注意
※当社はリンク付きの確認メールを送信しません
※不審なリンク・電話番号の入力は絶対に行わないでください

公式サイトへ移動

■ お問い合わせ先
Visaカードカスタマーサービス
電話番号: カード裏面に記載の番号
（発行元: 東京都中野区中野4-3-2）

Visaサポート | 配信停止 | アドレス変更 | プライバシーポリシー
© 2025 Visa Inc. All Rights Reserved.
Visa Japan GK
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷 2-24-12

↑↑↑↑↑↑
本文ここまで

本文の文頭に右寄せで記載された『配信停止・配信先の変更』と言うリンクが付けられているデザインのメール、怪しいメールで最近多く見られるデザインなので気を付けておいてください。
書かれているのは怪しいメールでよくある内容で、セキュリティ強化のため、電話番号の確認が必要と言うものです。

皆さんご一読されてお気付きかと思いますが、なぜか所々にちりばめられた半角スペース。
これは、このデザインのメールで共通するもので、よく言われるワードサラダの一種。
文章の中途半端な部分に半角スペースを入れることで文章を途切れさせ、受信サーバーに設置された迷惑メールを振り分けるセキュリティーフィルターを混乱させることが目的です。

件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『ibmak.com』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みにVISAカードが利用するメールアドレスのドメインは『visa.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

まあそれ以前に、VISAカードはメールで連絡なんてしないですしね！

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドです。

Received: from ibmak.com (pop-93b-63.azeronline.com [62.217.156.63])

ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません。

では、試しにドメイン『ibmak.com』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『aWebAnalysis』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる『ibmak.com』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、アゼルバイジャンのAgstafa(アグスタファ)付近です。

宛名を確認

このような大切なメールの冒頭には通常『◎◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にVISAからだとすれば、ユーザーの氏名を絶対知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか？
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。

リンク先のドメインを確認

さて、本文に『』の公式ドメインを使って直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、当然偽装されていて、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
【h**ps://www.ibsbigminings.jp%E2%88%95ygxlw%E2%88%95rqrqv%E2%88%95kdetsb@lglrw.judixkq.asia/ororomxml…..】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

これまたVISAカードのドメインとは異なるものが利用されていますね。
次にこのドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。

これによるとこのドメインは、米国のカリフォルニア州にある『HPTCS』と言う組織が、香港に拠点を置くドメイン名レジストラ（登録事業者）の『Dominet (HK) Limited』を通じてこのドメインを取得していることが分かります。
これは1つ前のこのメールと全く同じデザインの楽天を騙るもののリンク先ドメインの情報と全く同じですね。

『詐欺メール』『楽天会員限定：未加算ポイント特別対応』と、来た件

先程と同様にこのドメインを割当てているIPアドレスを『aWebAnalysis』さんで取得してみます。