『詐欺メール』野村證券から『【重要】ご本人確認未完了による口座制限のお知らせ(対応期限:5月10日)』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、証券会社に成り済ます悪質なメールが大量発生中、資産運用されている方はご注意ください★

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分~10分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

本日のトレンドは『【重要】ご本人確認未完了による口座制限のお知らせ(対応期限:5月10日)』と言う件名で野村證券に成り済ますもので、昨夜から今朝にかけて42通ものメールが私の手元に届いています。

何が楽しいのかよく分かりませんが、今回は、そんな『野村證券』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 【重要】ご本人確認未完了による口座制限のお知らせ(対応期限:5月10日)
送信者: “野村證券" <notice@nomura.co.jp>


当社からのお知らせ
【ご注意ください】野村證券を装ったフィッシング詐欺による不正取引が多発しています

2025年4月29日 掲載

最近、当社のお客様を標的としたフィッシング詐欺による不正アクセスおよび資産流出事案が急増しております。
これに伴い、野村證券では、さらなるセキュリティ強化策を講じることとなりました。

2025年5月1日(木)以降、すべての口座に対し、事前認証手続きを義務付けます。
本手続きが未完了の場合、ログイン・取引・出金を含む一切のサービスが即時停止されます。

指定期限内(2025年5月10日(木)23:59)までに本人確認を完了いただけない場合、口座は永久凍結となり、
以後のログイン・お取引はすべて無効となります。
資産の引き出しおよび照会には、野村證券本店にて対面による再認証手続きが必要となります。

手続き方法
以下の本人認証ページより、速やかに認証コードによる確認を完了してください。

本人認証を行う →

ご注意事項
※ 本手続きはお客様ご自身による速やかな対応が必須となります。
※ 2025年5月10日を過ぎた場合、例外・猶予・復旧の受付は一切行われません。
※ 本件は当社セキュリティシステムによる強制対応項目です。

お問い合わせ窓口

ご不明点がございましたら、以下のダイヤルまでお問い合わせください。

【セキュリティ専用ダイヤル】
050-1506-8604(平日 9:00~17:00)

※本メールはシステムにより自動配信されています。返信はできません。


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



また詐欺師がフィッシング詐欺について語っています。
フィッシング詐欺が多発しているのでセキュリティ強化を行うとの事、それに伴って指定期限内に本人確認を行うような指示が書かれていて、確認を行わない場合は口座が永久凍結されるとの事です。
もちろんそんなのは全部大うそなのですが、お問い合わせ窓口として書かれている電話番号の『050-1506-8604』は、野村證券のお問い合わせ窓口の物ではなく未登録でつながらないもののようです。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『nomura.co.jp』
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。

確かにこのドメインは野村證券の物ですが、このメールは明らかに不審なメールなので偽装されている可能性は大。
では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。

こちらがこのメールのReceivedフィールドです。


Received:  from gateway.bhjkedu.com (unknown [52.128.225.182])


本来ならここには、送信者のメールアドレスと同じドメインが記載されるはずですが、それとは全く異なるものが記載されています。

ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません
では、試しにドメイン『gateway.bhjkedu.com』に関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

ReceivedフィールドのIPと割当てているIPと合致したので、こちらが送信者のメールアドレスのドメインであることが分かりますね。
そしてこの情報が正しければ、ドメイン登録者は日本の方です。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、香港付近です。

最近この香港辺りは、怪しいメール発信地のトレンドです。


 

リンク先のドメインを確認

さて、本文の『本人認証を行う →』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。

【h**ps://nomura-center.3yesdtgf.com/page?token=6560a712-7e…..】(あまりに長いので割愛しました)
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)

今度は野村證券のドメインとは異なるものが利用されていますね。
先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地はやっぱり日本の方が関与しているようです。

割当てているIPアドレスは『104.21.85.119』
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイト設置場所は、カナダのトロント市庁舎付近であることが分かりました。
これは最近のトレンドで多くの詐欺サイトがこの付近に設置されています。

リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。

あれ?
これってSBI証券の偽サイトと全く同じデザインですね。
ということはやっぱりこれらは同一犯の仕業か。

公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
『続ける』と書かれたボタンを押してみると、次に開いたのは『404 Error: Page not found』と書かれた真っ白なページ。
恐らく、このサイトを開いているサーバーのホスティングサービスが危険なサイトと気付き、閲覧できないように対処したものと思われます。


まとめ

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;