『詐欺メール』『[Kagoya: 26130] [要対応] 一部仕様変更のお知らせ』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

レンタルサーバーに成り済まして、サーバーやメールアカウントの情報を聞き出そうとする怪しいメールも多くあります。
特に多いのは『カゴヤ・ジャパン』に成り済ますもの。
今回は、そんな『カゴヤ・ジャパン』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] [Kagoya: 26130] [要対応] 一部仕様変更のお知らせ ~ 2025 年 3 月 18 日
送信者:"KAGOYA 日本サポート" <info@executiveonelimousine.com>


※このメールは、2025年 3 月時点で、メールソフトにおけるKagoya Active! メールの
設定を変更する必要のあるお客様に送信しています。
———————————————————————-

【重要】Kagoya Active! メール メール設定変更のお願い

平素よりKagoya Active! メール(Kagoya Active Mail)をご利用いただき誠にありがとうご
ざいます。

この度、お客様にご利用いただいておりますKagoya Active! メールメールにつきまして、
より安全にご利用いただくため、仕様の変更を行うことになりました。
これに伴い、メールソフトの設定変更を行っていただく必要がございます。

以下のリンクをクリックしてプロセスを完了してください

https://capecodbaseballorgtrackerwwwbtnewsorkrshopbannerhitssponsord101.kidsetb.net/b7359….

*このメールはシステムによって自動的に配信され、返信することはできません。 ご不明な点がございましたら、ヘルプデスクまでお問い合わせください。

Copyright © 2024 KAGOYA Japan, K.K Inc. 無断転載禁止


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



ここで出てくる『Active! メール』とは、ウェブ上でメールの受送信が可能となるアプリケーションですが、カゴヤさんの場合、メールアカウントの管理までActive!Mailでできるメールサーバー兼用となっています。
このシステムの仕様の変更を謳い、メールソフトの設定変更が必要だとしてリンクに誘い込んで、メールアカウントを詐取しようとするものです。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『executiveonelimousine.com
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
因みにカゴヤさんが利用するメールアドレスのドメインには必ず屋号であるkagoya』が入っています。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。


Received: from new194 (executiveonelimousine.com [104.219.238.62])


ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません
ドメイン『executiveonelimousine.com』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
このドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

『Registrant Organization』には『Domains By Proxy, LLC』と記載されています。
これは、ドメイン名の登録者情報を保護するためのプライバシーサービスを提供するアメリカの企業で、このサービスを利用すると、ドメインの登録者の各種情報(名前、住所、電話番号、メールアドレスなど)が公開されるのを防ぐため、その代わりにこのように、Domains By Proxy の情報が表示され、スパムや不正アクセスからの保護が強化することができます。
半面最近は、このサービスが藪蛇(やぶへび)になりこういったサイバー犯罪の温床とされることが多く見られます。

割当てているIPアドレスとReceivedフィールドのIPアドレスが合致したので、この送信者は自身のメールアドレスを偽ることなく何食わぬ顔でこのメールを送信してきたことになります。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、米国のバッファロー付近であることが分かりました。


宛名を確認

カゴヤさんからのメールの冒頭には『○□△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当にカゴヤさんからだとすれば、ユーザーの氏名や企業名を知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文に直書きされた詐欺サイトへのリンクですが、当然偽装されていて、実際に接続されるサイトのURLは以下の通りです。
h**ps://stlukescommunitychurch.org/kagoya-net-customer-portal/webmail.php#a29tYW8tMTMxNkBzYW5zZXR1YmkuanA=
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまたカゴヤさんのドメインとは異なるものが利用されていますね。

先程と同様に『aWebAnalysis』さんでこのドメインを割当てているIPアドレスを取得してみます。

このドメインに関する詳しい情報を『Whois』さんで取得してみます。

この情報が正しければ、このドメインの取得者の所在地は、米国のアリゾナ州です。

割当てているIPアドレスは『194.11.246.60
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、ドイツのLimburg an der Lahn(リンブルク・アン・デア・ラーン)付近であることが分かりました。

リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。

公式サイトとはURLが全く異なるので、これは偽ログインページです。
残念ながら本物の Active!Mail のログインページとはかなりデザインが違いますね。
こちらが本物のログインページです。

当然、ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうとその情報は詐欺犯に把握され不正ログインが可能となり荒らしに遭うことになりますのでご注意ください


まとめ

国内のレンタルサーバーであるカゴヤさんが、自社のものではないドメインを使ったメールアドレスで、遠く米国のバッファロー付近からユーザーにメールを送り、ドイツに設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;