【週間まとめW42】詐欺メール2,709通!国税庁・e-Taxを装う還付金メールが3倍以上に急増

おはようございます、Heartです。10日からの3連休は、ゆっくり過ごせましたか? 連休が明けた火曜日の朝は、たまった仕事のメールを開くのがちょっと気が重いですよね。
実は詐欺メールも、連休が明けた13日から一気に増えていました。今週も1週間分をまとめて、いつものように「グラフ」でわかりやすくお伝えします。
先週の様子は週刊レポートW41もあわせてどうぞ。
HEARTLAND-LAB WEEKLY SECURITY REPORT
【週刊レポートW42】詐欺メール2,709通を完全集計!
国税庁を装うメールが約3.7倍に、不正アプリとサイバー攻撃への備えも
連休が明けた13日から、国税庁を装うメールが1日300通を超えました。共通していたのは「期限」と「不安」で、あなたを急がせることです。
| 危険度 | ★★★★★(非常に高い) 国税庁を装うメールの急増と、迷惑メール判定をすり抜けた割合の悪化のため |
| 集計期間 | 2026年10月10日(土)〜10月17日(土)午前7時まで(ほぼ1週間) |
| 受信した詐欺メール | 2,709通(1日あたり約387通/先週W41は2,160通) |
| メールソフトの迷惑メール判定 | 判定された:2,228通(82.2%)/判定をすり抜けた:481通(17.8%)(先週は11.6%) |
| 添付ファイル付き | 1,257通(46.4%)※開封していません |
| 実在ブランドで最多の偽装先 | 国税庁・e-Tax 約1,358通(先週W41は約372通) |
| 送信元・誘導先のくわしい解析 | 今回は週間集計のため、個別の解析は行っていません ※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載 |
⚠ この記事に出てくるメールは、すべて詐欺(偽物)です
国税庁・Apple・Amazon・各カード会社などから届いた本物のメールではありません。本文のリンクや添付ファイルは、絶対に開かないでください。
📌 今週の数字、まず4つ
2,709通
1週間に届いた詐欺メール
先週より約25%増
約3.7倍
国税庁・e-Taxを装うメール
先週 約372通 → 今週 約1,358通
17.8%
迷惑メール判定をすり抜けた割合
先週は11.6%。5〜6通に1通が受信箱へ
46.4%
添付ファイル付きの割合
先週は40.5%(添付は開いていません)
📊 ① 1日ごとに届いた数
棒が長いほど、たくさん届いた日です。オレンジ色の棒が、今週いちばん多かった日です。
7時以降
7時まで
10日〜12日の3連休は、1日あたり200通前後でした。ところが連休明けの13日から一気に500通前後へ倍増しています。「休み明けでメールをまとめて確認する日」を、詐欺グループは狙っているのかもしれません。
📊 ② 日ごとの「中身」の内訳
色は、どんな手口のメールかを表しています。13日からオレンジ色(国税庁)が、一気に太くなったのが分かりますか?
🏆 ③ 手口別ランキング TOP10
今週は、国税庁・e-Taxを装うメールだけでほぼ半分(50.1%)でした。2位以下を大きく引き離しています。
11位以下(ポイント有効期限・セゾン・楽天など)は約132通(4.9%)です。
📅 日替わりの顔ぶれ
10/10(土) 196通
「Android限定・楽天アプリDLで特別ポイント」型が19通。カード会社(オリコ・UC・エポスなど)と、Vポイントの期限切れ型も目立ちました。
10/11(日) 274通
日曜日にAmazon・Prime「会費のお支払い」型が99通。カード会社型も62通でした。
10/12(月・祝) 224通
国税庁45通、三井住友・Vポイント40通、ポイント有効期限(WAON・メルカリ・LINEなど)29通。
10/13(火) 517通
連休明け。国税庁が339通に急増。証券会社の「パスキー移行」型も34通登場しました。
10/14(水) 524通
今週の最多日。国税庁330通、ANAマイレージクラブを装うメール70通、会社のアドレスを装うメール20通。
10/15(木) 475通
国税庁328通。そのうち148通は「税務署より書類を発送しました」という新しい筋書きでした。
10/16(金) 468通
国税庁249通(書類発送型が152通)。件名が汎用的なメールが83通に増えました。
10/17(土) 31通
午前7時まで。「ご確認いただきたいご報告」のような汎用件名が22通でした。
🔎 今週の注目トピック
① 国税庁・e-Tax:連休明けに約3.7倍。「書類を発送しました」型が新登場
10〜12日の3日間は合計110通でしたが、13日からは1日300通超(13日339通、14日330通、15日328通)です。先週のW41では約372通でしたから、約3.7倍です。しかも国税庁を装うメールのうち約1,032通(76.0%)に添付ファイルが付いていました(開いていません)。
国税庁を装うメール約1,358通の「筋書き」別
15日・16日だけに登場した新しい筋書きです
「郵便で書類が届く」という設定にすると、「ポストを見ておかなきゃ」と気になって、メールの確認ボタンを押したくなります。そこを狙った新しい手口だと思われます(あくまで件名からの推測で、本文のリンク先は調べていません)。
💡ここで! 本物の国税庁・e-Taxはこうします
国税庁の公式ページ(令和8年10月16日まで更新)には、e-Taxが送らない・求めないものとして、次のものが書かれています。
- 還付金の金額を示すメール
- 還付金の受取のためのアプリのダウンロード要求
- 手続や納付・支払の催促、差押えの予告
また、e-Taxからのメールは原則としてメール本文にURLを書かないとされています。「メッセージボックス」は、e-Taxの中にある税務署からのお知らせの受け箱です。確認するときは、メールのリンクではなく、ご自分で公式サイトやアプリからログインしてください。
② Apple:身に覚えのない「ギフトカード領収書」(81通)
「Apple ギフトカードのご購入明細」のように、買った覚えのない領収書で不安にさせるタイプです。12日23通、13日28通、16日23通と、日をおいて繰り返し届きました。心当たりがないときは、メールの「キャンセル」や「問い合わせ」のボタンは押さず、iPhoneの設定アプリや公式サイトで、ご自分の購入履歴を確認してください。
③ Amazon・Prime:日曜日に99通が集中(合計137通)
「Prime会費のお支払いが完了していません」「お支払い方法をご確認ください」という内容です。11日(日)だけで99通届きました。日曜日は家族でゆっくりスマホを見る時間が長いので、狙われやすいのかもしれません。
④ 証券会社:「パスキー移行」「配当金」型(111通)
auカブコム証券37通、マネックス証券23通、三菱UFJ eスマート証券20通、松井証券19通、SBI証券12通を名乗るメールが、13日〜16日に届きました。「パスキー」とは、パスワードのかわりに指紋や顔でログインする新しい方法です。実際に導入が進んでいるので、信じやすいのが厄介です。
⑤ 件名が汎用的なメール(228通)
「ご確認いただきたいご報告」「お手続き状況をご精査ください」など、何のサービスか分からない件名です。日本語がどこか不自然なのも特徴で、16日に83通、17日は午前7時までに22通と、週の終わりにかけて増えました。
⑥ ポイント有効期限(件名に期限日が書かれたものが110通)
Vポイント、オリコ、みずほ銀行、WAON、メルカリなどを名乗り、「もうすぐ失効します」と急がせるタイプです。件名に書かれた期限日は、すべて受信日の3日前〜5日後というごく近い日付でした。ポイントが本当に失効する前に「確認しなきゃ」と思わせる、おなじみの作りです。
⑦ 会社のアドレスを装うメール(約100通)
勤務先のメールアドレスや会社名を使って、「アカウントの異常ログイン通知」「FW: Payments for Due Invoices(未払い請求書の転送)」「【業務連絡】」などの件名で届きます(会社名・ドメインは伏せています)。14日に20通ありました。同僚や取引先からのメールに見えても、心当たりがなければリンクは開かず、本人に別の方法で確認してください。
📈 先週(W41)との比べ
| 項目 | W41(先週) | W42(今週) | 変化 |
| 受信した詐欺メール | 2,160通 | 2,709通 | 約25%増 |
| 迷惑判定をすり抜けた | 約251通(11.6%) | 481通(17.8%) | 約6ポイント悪化 |
| 添付ファイル付き | 約875通(40.5%) | 1,257通(46.4%) | 約6ポイント増 |
| 国税庁・e-Tax | 約372通 | 約1,358通 | 約3.7倍 |
| 差出人名が「カスタマーサポート」だけ | 約411通 | 172通 | 減少 |
| Apple・iCloud | 約301通 | 81通 | 減少 |
| 楽天(ペイ・カード・アプリ) | 約249通 | 20通 | 大きく減少 |
| Amazon・Prime | 約19通 | 137通 | 約7倍 |
| ANAマイレージクラブ | 約89通 | 73通 | やや減少 |
| 会社のアドレスを装う | 約64通 | 約100通 | 増加 |
※先週は主に差出人名、今週は件名と差出人名のキーワードで機械的に振り分けているため、手口別の数字は「目安」です(数%〜十数%の違いが出ることがあります)。
😆 おまけ:攻撃者のうっかりミス
期限が3日前にもう過ぎているのに「まもなく失効します」と急かすポイント期限メールが、今週は28通もありました。タイムマシンで送ってきたのでしょうか。
ほかにも、宛名のところに「[RECEIVER_USERNAME]」という差し込み用の部品がそのまま残っていたり、日付のあとに中国語で「木曜日」を意味する「星期四」と書かれていたり。仕上げが甘くて、少し助かります。
📱 【特集①】最近増えている「不正アプリ」とは
今週の10日だけで、「Android限定」「楽天アプリDLで特別ポイント」とアプリのダウンロードをすすめる件名のメールが19通届きました。19通すべてに添付ファイルが付いていました(開いていません)。また、「e-Taxアプリでご確認を」という件名も6通ありました。先ほどの国税庁の公式ページには、還付金の受け取りのためのアプリのダウンロードは求めないと書かれています。
警察庁の注意喚起(Cyber Police Agency Letter 2026年9月号)によると、不正アプリによる被害は、次のように進みます。
① 誘われる
SNSの広告、メールやSMSのリンク、SNSで知り合った相手などから、アプリのインストールをすすめられます。
② 偽アプリを入れてしまう
有名なSNSやアプリを装っているので、本物だと思って入れてしまいます。
③ スマホが乗っ取られる
ウイルス(マルウェア)に感染し、キャッシュレス決済サービスを遠隔操作されます。
④ お金が動く
勝手にチャージされて送金される、スマホが操作できなくなるなどの被害が出ます。
アプリは、メールやSMS、SNS広告のリンクからは入れない。これがいちばん大切です。そのうえで、次のことを心がけてください。
- アプリは公式のアプリストアから入れます。公式ストアでも、提供元(作った会社)や内容をよく確かめます。
- スマホのOSを最新にして、ウイルス対策ソフトを入れます。
- 入れてしまったら、すぐに削除します。そして警察署やサイバー犯罪の相談窓口に相談します。
- あわせて、使っている決済サービス・カード会社・銀行にも連絡して、身に覚えのない動きがないか確認します。
🛡 【特集②】相次ぐサイバー攻撃と個人情報の漏えい、私たちは何をすればいい?
10月に入り、企業や自治体が不正アクセスを受けて、お客さんの個人情報が漏れたと報じられるニュースが相次いでいます。NHKは、セキュリティ会社が「ことし7月以降に被害が増えていて、サイバー攻撃にAIが悪用されている可能性が高い」とみていると伝えました(10月6日)。
一方で、公的機関は慎重です。JPCERT/CCは「すべての事案で同じ手口が使われたとは限らない」とし、警察庁も原因や事案どうしの関係はまだはっきりしていないとしています(10月8日、まとめ記事による)。つまり、原因は今も調べている途中です。
出典:piyolog(公的機関の発表をまとめた記事)、個人情報保護委員会(10月7日の会議ページ)
漏えいが、詐欺メールとどうつながるの?
名前、メールアドレス、電話番号などが漏れると、「あなたの名前入り」「実際に使っているサービス名入り」の、本物そっくりのメールやSMSが届きやすくなります。今週の国税庁・証券会社・カード会社のメールも、実在するサービスの名前を使って信じさせる作りでした。警察庁も、漏えいした企業を装うメールのリンクは押さないよう呼びかけています(まとめ記事による)。「情報が漏れました、確認してください」というメールこそ、まず疑ってください。
今日からできる3つの対策(デジタル大臣の呼びかけより)
- パスワードの使い回しをやめる:サービスごとに別のパスワードにします。1か所で漏れても、ほかに広がりません。
- 多要素認証をオンにする:パスワードに加えて、スマホに届く確認コードなどで二重にチェックする仕組みです。
- 怪しいメール・SMSは公式から確認:リンクを押さず、公式サイトや公式アプリを自分で開きます。
自分が使っているサービスで漏えいが発表されたら、その会社の公式サイトのお知らせを確認し、同じパスワードを使っているほかのサービスも変更し、カード明細やポイントの残高にも目を通しておくと安心です。
✅ 今日から使える対策5か条
もし開いてしまっても、ご自分を責めないでください
落ち着いて、次のことを順番に行いましょう。
- 入力してしまったパスワードを、すぐに変更する
- カード番号などを入れたら、カード会社・銀行にすぐ連絡する
- アプリを入れてしまったら、削除する
- ひとりで悩まず、下の窓口に相談する
相談できる窓口
- 消費者ホットライン「188」(消費者庁):全国共通の番号で、お住まいの地域の消費生活センターなどにつながります。
- サイバー事案に関する相談窓口(警察庁):都道府県警察の相談窓口もここからたどれます。
- 情報セキュリティ安心相談窓口(IPA):03-5978-7509、受付は10時〜17時(土日祝日・年末年始を除く)。
🧪 集計の方法
- メールソフトの受信一覧を撮影した82枚の画像から、件名・差出人・日付を読み取って集計しました。
- 添付ファイルは開いていません。一覧に表示されるクリップ印で数えています。
- 迷惑メール判定は、一覧の件名に付く「[spam]」の表示で数えています。
- 手口の分類は、件名と差出人名のキーワードによる機械的な振り分けです。数%〜十数%の誤差があります。
- 会社のアドレスやドメインを装うメールも集計に含めていますが、ドメインやアドレスは掲載していません。
- 件名の文字化けや日本語の不自然さは、そのまま読み取っています。
🔗 参考リンク
- e-Taxを装った不審なメール等にご注意ください(国税庁 e-Tax)
- 不正アプリによる不正送金被害が発生 被害にあわないために(警察庁 Cyber Police Agency Letter 2026 Vol.18)
- 個人情報保護委員会 会議ページ(令和8年10月7日・注意喚起資料の掲載)
- 国内で相次ぐ不正アクセスに対する注意喚起についてまとめてみた(piyolog)
- NHK:不正アクセスで企業から大量の個人情報が漏えい(10月6日)
🌿 まとめ
今週は、連休が明けた13日から詐欺メールがぐっと増えました。国税庁を装うメールは約3.7倍で、迷惑メール判定をすり抜ける割合も増えています。そして、不正アプリや情報漏えいのニュースが続く今は、「実在するサービスの名前で、もっともらしく届く」メールがますます信じやすくなっています。
どんなに本物そっくりでも、メールの中のリンクやボタンは開かず、ご自分で公式サイトや公式アプリを開く。この習慣だけで、被害の多くは防げます。
この記事が、ご家族や身近な方を守るきっかけになれば幸いです。特にスマホに不慣れなご家族には、ぜひ教えてあげてください。
先週の週刊レポートはこちら(W41)です。
Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
IP・位置情報の調査には ip-sc.net を使用しています(今回の週間集計では個別のIP調査は行っていません)









