【週刊レポートW31】詐欺メール約976通を集計!「労働力調査」なりすましが3割超で単独首位、Vpass名乗り変え攻撃も同時多発

お盆休みを控えたこの時期、皆さんの受信箱はいかがでしょうか。当ラボの観測箱では、今週も静かに、しかし確実に「詐欺の波」が押し寄せていました。今回は2026年8月1日(土)〜8月8日(土)の1週間で観測した詐欺メールをまとめてご報告します。
📊 週刊フィッシングレポート|2026年8月1日〜8月8日
| 観測総数 | 約976通(重複含む) |
| 今週の首位ブランド | 労働力調査2026(総務省統計局なりすまし):284通 |
| 今週の注目トピック | Vpass/VJAグループの「名乗り変え」波状攻撃が同時多発 |
| 集計対象 | 当ラボ観測箱に着信した迷惑メール(自社インフラ管理系の通知は集計から除外) |
今週のブランド別内訳
まずは今週届いたメールを「どのブランド・話題を騙っていたか」で分類したグラフです。
284通(31.7%)
219通(24.4%)
97通(10.8%)
97通(10.8%)
67通(7.5%)
43通(4.8%)
25通(2.8%)
25通(2.8%)
23通(2.6%)
12通(1.3%)
4通(0.4%)
※自社インフラの管理・監視に関連する通知(80件)は公開集計から除外しています。
① 今週の首位:「労働力調査2026」が全体の3割超
今週断トツの首位は、総務省統計局の「労働力調査」を装うメールで、284通と全体の3割以上を占めました。件名の末尾に「(法令に基づく最終通知No.XXXXXXX)」という管理番号らしき数字を毎回変えて送りつけてくるのが特徴で、法令を持ち出すことで「回答しないと罰則があるのでは」という不安を煽る典型的な手口です。差出人名も「国勢調査オンライン」「労働力調査事務局」の2種類が確認されており、統計調査のブランドイメージを器用に使い分けています。
実際の労働力調査は総務省統計局が実施する公的な調査ですが、個人情報やクレジットカード情報の入力をメールのリンクから求めることはありません。身に覚えのない「回答期限」通知が届いても、リンクは開かず削除してください。
② 定番の安定首位級:Amazonなりすまし
2位はおなじみのAmazonなりすましで219通。「配送状況の確認」「返金処理に関する確認」「本人確認のお願い」など、切り口を変えながら安定して届き続けています。特に今週は「返金処理」を口実にしたパターンが目立ちました。実際に返金が発生していない取引について「返金処理中」を装うことで、口座情報やカード情報を入力させようとする手口です。
③ 同時多発:Vpass/VJAグループの「名乗り変え」波状攻撃
今週特に目立ったのが、Vpass/VJAグループ/三井住友カードを名乗るメールの多様さです。97通という数字自体は労働力調査やAmazonに及びませんが、「Vポイント進呈」「不正アクセス検知」「口座凍結予告」「家族ポイント統合」「VIPランク優遇」など、実に10種類以上の切り口が同時に確認されました。差出人名も「三井住友カード株式会社」「VJAグループ」「Vpassお客様サポート」などを使い分けており、まるで一つの詐欺グループが名刺を何枚も持ち替えて登場しているような状態です。この「名乗り変え」攻撃については、近日中に単独の特集記事で詳しく取り上げる予定です。
④ 詐欺師が自分の名前を騙って自分を脅す?セクストーション
「YOU GOT RECORDED!」という件名の脅迫メール(セクストーション)が97通確認されました。これは「あなたの恥ずかしい映像を撮影した、金を払わなければ拡散する」という、実際には映像など存在しない典型的な脅迫詐欺です。今回面白いのは、送信者の表示アドレスが、受信側の組織が実際に使っているメールアドレスに偽装されていた点です。つまり詐欺師は「あなた自身」を名乗って「あなた」を脅している、というなんともねじれた構図になっていました。もちろん、こうした「なりすまし」は誰でも簡単に行えてしまうため、送信元アドレスが自分自身や身近な人に見えても、内容そのものが脅迫であれば動揺せず、無視・削除するのが正解です。
⑤ 根強い人気(?)の魔改造B-CASカード
「BLACKCAS」「毒電波」といった独特の単語で登場する違法B-CASカード販売の勧誘メールも43通観測されました。「2年ぶりに復活」「6月17日2年越しの毒電波が」など、以前から使い回されている宣伝文句が今週も健在で、季節感どころか年単位で同じキャッチコピーを使い続けるその一貫性には、ある意味感心してしまいます。もちろん違法性のある商材ですので、購入・返信は絶対にしないでください。
その他のトピック
このほか、ブランドスニーカーやクーポンを餌にする詐欺(25通)、セゾンカードなりすまし(25通)、ANAマイレージクラブのマイル加算詐欺(23通)、英語件名の認証アプリ更新詐欺「365Auth App」(12通)なども確認されています。365Auth Appのように日本語話者を狙わない英語件名のメールも紛れ込んでいる点は、詐欺グループが送信リストを国際的に使い回している可能性を示しています。
今週のまとめと対策
✅ 「法令」「罰則」を持ち出すメールほど疑う:公的機関を名乗りながら法的な圧力をかけてくる文面は、詐欺の常套手段です。
✅ 同じブランドから何通も届いても慌てない:今週のVpass/VJAのように、切り口を変えて何度も送りつけてくるのが今の詐欺メールの標準スタイルです。1通見抜けば、似た文面はすべて疑ってください。
✅ 脅迫メールは無視する:セクストーションのような脅迫メールに実体はほとんどありません。慌てて振込や返信をせず、そのまま削除してください。
✅ 迷ったら公式アプリ・公式サイトで確認:メール内のリンクではなく、ご自身でブックマークした公式サイトや公式アプリから状況を確認する習慣をつけましょう。
今週も多種多様な詐欺メールが観測されました。ご家族、特にご高齢の方にもぜひこのレポートを共有し、「こんな手口があるよ」と一言添えてください。あなたのひと言が、大切な人を詐欺から守ります。
調査期間:2026年8月1日〜2026年8月8日/Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
※本記事に記載の件数・構成比は集計方法の性質上、推計値を含みます。実数と異なる場合があります。














