『詐欺メール』東京電力から『料金のお手続きに関するご連絡』と、来た件


★フィッシング詐欺メール解体新書★


スマホやタブレットが普及し増々便利になる私たちが生活する世の中。
それに比例して増えてくるのが悪質な詐欺行為。
このブログエントリーは、フィッシング詐欺メールの注意喚起拡散を目的とし
悪意を持ったメールを発見次第できる限り迅速なご紹介を心掛けています。
もし気が付かずに詐欺サイトログインしてしまった場合は、まず落ち着いてできる限り早く
パスワードの変更やクレジットカードの利用停止を行ってください。


いつもご覧くださりありがとうございます!

☆当サイトでは、今の観点から不審なメールであるかどうかを解析して行きます☆
★現在、偽キャンペーンメールが大量発生中、特にポイント付与メールにご注意ください★

  • 件名の見出しを確認
  • メールアドレスのドメインを確認
  • 宛名を確認
  • リンク先のドメインを確認

できる限り分かりやすく説明していいます。
最後までお読みいただても5分程度ですのでごゆっくりご覧ください。
では、進めてまいります。


前書き

このところ東京ガスを騙り、ガス料金の支払いが滞っているとして詐欺を企む怪しいメールが多かったのですが、ここに来て以前多く見られた東京電力からとする怪しいメールも復活の兆しです。
今回は、そんな『東京電力』に成り済ます不審なメールのご紹介となります。

では、今回も詳しく見ていくことにしましょう。


以下、そのメールです。
※テキストだけコピペしてありますので、性質上文字化け等はご容赦ください。


メール本文


ここから本文
↓↓↓↓↓↓



件名:[spam] 料金のお手続きに関するご連絡
送信者:"【東京電力パワーグリッド株式会社】" <tepco_payments_management.mail@vcEw.com>


東京電力からのお知らせ

本日現在、電気料金のお支払いが確認できていません。
期限から7日が経過しているため、至急のご対応をお願いいたします。

お支払い期限:2025年03月27日 23:59
決済リンクはこちら

お問い合わせはこちら

東京電力エナジーパートナー株式会社
〒104-0061 東京都中央区銀座八丁目13番1号 銀座三井ビルディング
※商業登記上本店:〒100-8560 東京都千代田区内幸町一丁目1番3号
※本メールは重要なお知らせとして送信されています。


↑↑↑↑↑↑
本文ここまで



電気料金の支払いが確認できていないとして料金を支払うよう求めている督促メールですが、私の住んでいる地域は東京電力供給エリア外。
ではどうしてこのようなメールが私に届くのでしょうか?
それは、このメールの送信者が、どこか非正規で入手した漏洩メールリストにあるメールアドレス宛に、無差別でこのメールを送信してきているからです。


件名の見出しを確認

この件名の見出しには”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。


メールアドレスのドメインを確認

送信者として記載されているメールアドレスのドメイン(@より後ろ)は『vcEw.com
ここは送信者がいくらでもウソを書くことができる部分で絶対鵜呑みにしてはいけません。
言っておきますけど、ドメインに大文字は使いません、すべて小文字です。
それに東京電力が利用するメールアドレスのドメインは@tepco.co.jp』です。
故にこのドメイン以外のメールアドレスで届いた同社からのメールは全て偽物と言うことになります。

では、送信者の素性が分かるメールヘッダーの『Receivedフィールド』から情報を探ってみます。
こちらがこのメールのReceivedフィールドがこちらです。


Received: from C202503222347573.local (unknown [202.95.7.7])


経験上、ここに『C』から始まる数字のlocalドメインが記載されているものは全て詐欺メール。
最近このドメインが多く見られます。

ここの末尾に記載のIPアドレスは、送信サーバーが自身で書き込むもので、偽装することはできません
ドメイン『vcEw.com』を割当てているIPアドレスとこのIPアドレスを比較してみましょう。
こちらが『Grupo』さんで取得したこのドメインに割当てているIPアドレスです。

全然違いますよね、この結果からこの送信者が使ったとされる『vcEw.com』を使ったメールアドレスは偽装であることが断定できます。

このReceivedフィールドの末尾にあるIPアドレスからメールの発信地を『IP調査兵団』で導き出してみると、かつてオリンピックが行われたドイツのミュンヘン付近であることが分かりました。


宛名を確認

このような利用料金に関する大切なメールの冒頭には通常『○◇△ 様』と言ったように『宛名』が書かれていますが、でもこのメールにはその宛名が存在しません。
でも仮にもしこれが本当に東京電力からだとすれば、ユーザーの氏名やハンドル名を知っているはずですから宛名が無いのはとても不自然です。
ならどうしてこのような書き方をするのでしょうか?
その原因は、このメールの送信者は受信者の情報をメールアドレスしか知らないわけだから宛名なんて書きようがないからです。
どうせどこかから漏洩したメールアドレスのリストを入手し、そのメール宛に無選別でこういったメールを送信しているのでしょう。


リンク先のドメインを確認

さて、本文の『決済リンクはこちら』と『お問い合わせはこちら』と書かれた部分に付けられた詐欺サイトへのリンクですがURLは以下の通りです。
h**ps://center.tepcodelivery.email/go.jp/index-j.html/
(直リンク防止のため一部の文字を変更してあります)
これまた東京電力のドメインとは異なるものが利用されていますね。

先程と同様にこのドメインに関する詳しい情報を『Grupo』さんで取得してみます。

『Registrant Organization』には『Super Privacy Service LTD c/o Dynadot』と記載されています。
これは、米国のドメインレジストラ『Dynadot』が提供するドメインプライバシー保護サービスで、このサービスを利用すると、ドメインの登録者の各種情報(名前、住所、電話番号、メールアドレスなど)が公開されるのを防ぐため、その代わりにこのように、Super Privacy Service LTD c/o Dynadotの情報が表示され、スパムや不正アクセスからの保護が強化することができます。
半面最近は、このサービスが藪蛇(やぶへび)になりこういったサイバー犯罪の温床とされることが多く見られます。

割当てているIPアドレスは『』
IP調査兵団』でこのIPアドレスからそのロケーション地域を調べると、詐欺サイトではありがちな香港付近であることが分かりました。
これもの特徴です。

リンクを辿ってみると、このようなページがどこからもブロックされることなく無防備に放置されていました。
公式サイトとはURLが全く異なるので、これは本物そっくりの偽ログインページです。
『請求書をチェックする』と書かれているボタンを押してみます。

すると開いたのは、請求情報。
どうやら延滞料金は2,644.09円とこれまた中途半端な金額ですね(;^_^A
『すぐに支払う2,644.09円』と違和感アリアリの言葉が書かれたボタンを押してみます。

ここでクレジットカード情報を求められました。

当然、ここに情報を入力して確認ボタンを押してしまうと、クレジットカードの情報を盗み取られた上で詐欺の被害に遭うことになります。


まとめ

東京電力が、供給エリア外の人間に対し自社のものではないドメインを使ったメールアドレスで、遠くドイツのミュンヘン付近からユーザーにメールを送り、香港に設置されたウェブサーバーにあるサイトに誘導するって絶対おかしいです!

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんのフィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;