楽天なのにAmazonっぽいアカウント名 いつもご覧くださりありがとうございます! 今回は、楽天カードを騙る詐欺メールのお話となります。 その対象となるメールはこちらです。 楽天からカードの利用案内がきた! ええ? キューテン で61,967 円?? ショッピングなんかした記憶ないんだけど… 不正使用されているといけないので急いでリンクで 利用確認して不正を申告しないと(・・;) ちょつと待って! このメールの差出人は確かに”rakuten”と書いてあるけど ドメイン(@より後ろ)が明らかに楽天のものではありませんよ! それにアカウント名(@より前)なんてAmazonポイし。 そうです!このメールは楽天カードの不正利用をネタにリンクに誘い込んで楽天のアカウントと クレジットカード情報を盗み出そうとする所謂フィッシング詐欺メールです。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきます。 件名は『[spam] 楽天カードご利用情報のご案内』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”rakuten” <amz@fjrnts.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 楽天カード会員の方なら実際にお買い物した時に 受け取ったメールの差出人をご確認ください。 そこには『楽天カード株式会社 <info@mail.rakuten-card.co.jp>』と 書かれているはずですよ! でもここにはそれとは全く異なるメールアドレスが書かれているので このメールの差出人は楽天カードではありません。 アムステルダムからのメール では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。 おやおや? ここにある”hostwindsdns.com”って、詐欺メールの”Received”で 時折見られるドメインです。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは 送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、”Received”にあったドメイン”mail2.fjrnts.com”が差出人本人のものなのかどうかを 『Grupo』さんで調べてみます。 これがドメイン”mail2.fjrnts.com”の登録情報です。 これにこのドメインを所持しているのは中国の北西部にある新疆ウイグル自治区の方のようです。 ”192.236.195.195”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 もちろんこのメールの差出人は偽物ですが”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なので このメールアドレスは差出人ご本人さんのもので間違いなさそうです。 ”Received”に記載されているIPアドレス”192.236.195.195”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を『IP調査兵団』さんで 確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 代表地点として地図に立てられたピンの位置は オランダの首都アムステルダム付近。 あくまで大雑把な代表地点なのをお忘れなく。 そして送信に利用されたプロバイダーは アメリカに拠点を置く『Hostwinds LLC』 このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され このプロバイダーのメールサーバー を介して私に届けられたようです。 詐欺サイトは今現在も稼働中 では引き続き本文。 このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『ご利用明細を確認する』って書かれたところに付けられていて、 そのリンク先をコンピュータセキュリティブランドのトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』で 検索するとその危険度はこのように評価されていました。 こちらでは既に『フィッシングサイト』として しっかりブラックリストに登録済みですね。 このURLで使われているドメインは”22599.top”と数字のドメイン。 もう楽天なんてどーでも良くなっていますね!(笑) このドメインにまつわる情報を『WebAnalysis』さんで取得してみます。 このドメインを割当てているIPアドレスは”206.119.173.125” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を 再び『IP調査兵団』さんで確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 代表地点として地図に立てられたピンの位置は、ロサンゼルス付近です。 こちらもあくまで大雑把な代表地点でございます。 利用されているホスティングサービスは『The Internet Access Company』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようですよ。 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。 すると開いたのは本物そっくりのログイン画面です。 ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。 そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで 詐取されることでしょう。 まとめ 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |