利用停止の理由は? 春の珍事として騒がれている中日ドラゴンズの5連勝。 オープン戦も同率優勝し波に乗っていますね! 地元ではもう優勝したかのような騒ぎになっています! さて、それはそうとして今回はアメックス(アメリカンエキスプレス)を騙った詐欺メールのご紹介です。 どうやらクレジットカードの利用が一時停止されたのでリンクから利用確認をするよう求めています。 でも、このメールだとどのような理由で一時停止されたのかさっぱり分かりませんね。 それに解除すると以前と同様にカードの利用ができると書いてありますが、利用確認のリンクがあるだけで 解除方法も全く書かれていません。 まあ詐欺メールにイチャモン付けてても仕方ないのですが、それ以前に私、アメックスカードなんて 持っていませんよ!(笑) では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきます。 件名は『[spam] 【緊急の連絡】2024年4月10日 まで、カードの利用が一時停止されました。』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”アメックスのクレジットカード” <order-update@cjjkkc.org>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 毎度のことで恐縮ですが、このメールアドレスに書かれているドメイン”cjjkkc.org”はアメックスさんの物とは 全く異なります。 アメックスのオフィシャルサイトでURLを確認すれば簡単に分かりますが”americanexpress.com”が アメックスの公式ドメインです。 まあこのドメイン”cjjkkc.org”も眉唾ですけどね~ 空きドメインでメールを送信?! では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは 送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”cjjkkc.org”が差出人本人のものなのかどうかを調べてみます。 ありゃりゃ? 『Domain not found』と書かれていますね…こりゃもしかして? ムームードメインさんでこのドメインの空き状況を確認してみます。 やっぱりね! 『カートに追加』ってボタンがあるのでこのドメインは現在空き状態です。 空き状態のドメインでメールの受送信はできませんからアドレスの偽装は確定です! ”Received”に記載されているIPアドレス”49.76.133.94”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、中国の南京市付近。 そして送信に利用されたプロバイダーは、中国最大の固定回線サービスを誇る『Chinanet』 このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー を介して私に届けられたようです。 ブロックされることなくあっさりと開く詐欺サイト では引き続き本文。 このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『■ご利用確認はこちら』って書かれたところに付けられていて、 そのリンク先をウェブサイトの安全性を無料でチェックが行える『gred』で確認するとこのような結果が。 『このウェブサイトは危険な可能性があります American Express Phishing(PGEN167B)』 と書いてあるので、既に危険なサイトとして登録されていました。 このURLで使われているドメインは”qvpyvkj.top” このドメインにまつわる情報を取得してみます。 このドメインは中国河南省の方が申請取得されていますね。 割当てているIPアドレスは”204.152.213.33” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、アメリカのロサンゼルス付近。 利用されているホスティングサービスもアメリカに拠点を置く『QuadraNet Enterprises LLC』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。 ブロックされるのかと思えばあっさりと開いたのは本物そっくりのログインページ。 ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。 そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで 詐取されることでしょう。 まとめ 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |