『詐欺メール』『【LIFECARD】ご請求金額のご案内』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

『ライフカード』から請求明細が

あちらこちらで線状降水帯が発生し大変な被害が出ていますが、ようやく先が見えいよいよ梅雨明けが
近づいてきました。
梅雨が明けると大雨の次は今度は猛暑と、夏嫌いにはたまりませんね…

さて、たまらないと言えばこちらもいい加減にしてほしいもの。
そう、フィッシング詐欺メール。
相変わらず後を絶たず、ひっきりなしに送られてきます。
今朝は、持ち合わせていないはずの『ライフカード』から請求明細の確認メールが届きました。

どうして持っていないカード会社から請求連絡が来るのでしょうか？
もっと言えば、ライフカードがどうして私のメールアドレスをご存じなのでしょうか？
更に言えば、どうしてライフカードのメールアドレスのドメインが”hrbdqy.cn”なんて中国のもの
なのでしょうか？
これはあまりにも怪しすぎます！

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は『[spam] 【LIFECARD】ご請求金額のご案内』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『”ライフカードからのお知らせ” <lifecard.co.jp2@hrbdqy.cn>』
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

ライフカードさんの公式ドメインが使われていないので、このメールを差し出したのは
ライフカードさんではありません。
その辺り、次の項で詳しく見ていくことにします。

『hrbdqy.cn』の持ち主は？

では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”hrbdqy.cn”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。

これがドメイン”hrbdqy.cn”の登録情報です。
このドメインを管理しているのは、詐欺メール調査で頻繁に見掛ける中国の方。
そして”194.87.218.141”がこのドメインを割当てているIPアドレス。

ライフカードからのメールではないながら”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なので
このメールアドレスは、差出人さんご本人のもので間違いなさそうです。

”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになり、これを紐解けば差出人の素性が
見えてきます。
このIPアドレスを元に危険性や送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

このIPアドレスを元に割り出した危険度は『脅威レベル：高』
その詳細は『サイバーアタックの攻撃元』表示とされています。

送信に利用されたのは、『Global Internet Solutions LLC』と言うプロバイダーです。

位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを
ご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのは、ロシア ノヴォシビルスク州『オゼロ・ウビンスコエ』付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

リンクのURLは偽装

では引き続き本文。

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは、本文に直書きれています。
良く見ると”lifecard.co.jp”とライフカードさんの正規ドメインが使われているようですが
これはもちろんアドレス偽装。
本当のリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での
危険度評価がこちらです。

既にしっかりブラックリストに登録済みですね。
リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。

このURLで使われているドメインは、またしても中国ドメインが使われた”lifesunday.cn”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。

このドメインを割当てているIPアドレスは”104.21.58.185”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスト情報とその割り当て地を確認してみます。

利用されているホストは『Cloudflare』

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
地図上にピンが立てられたのは、カナダのトロント付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。

危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。

開いたのは、半分に切れたようなバナーが配置された『「LIFE-Web Desk」のログインはこちら』と
書かれたログインページ。
ここにIDとパスワードを入力してログインボタンを押してしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。
そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで
詐取されることでしょう。

本物のログインページもバナーがちょちょ切れているんだろうかと、本家サイトを確認してみると。

全然違いページが開きました。
何やら下の方に『LIFE-Web Deskに「セキュリティコード」の入力を求める画面はありません』と
注意書きがされていますね。
きっと詐欺サイトでは、セキュリティコードの入力を求められるのでしょうね。

まとめ

いつもライフカードのLIFE-Web Deskに行ってて見慣れているならともかく、このログインページの
違いには気が付く方は少ないかもしれません。

恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;