「住信SBIネット銀行」さんがGmailってどういうこと?
このページのURLをご覧いただくとわかると思いますが、末尾に「spam-mail-1492」と
書かれている通り、今回の投稿で詐欺メール関連が1492エントリーとなり、いよいよ
1500エントリーに向けカウントダウンに入りました。
エントリー内容から考えてあまり喜ぶべきことではないかもしれませんが
恐らく今週中には達成できるかと…(;^_^A
これも一つの通過点、こういったメールでの被害者がお一人でも少なくなるようこれからも
精進してまいりますよ!
で、今回はこちらのメール。
このメールは、三井住友信託銀行とSBIホールディングスが50%づつ出資して設立された
「住信SBIネット銀行」を騙った詐欺メールです。
なんでも「犯罪収益移転防止法」に基づき取引目的をリンク先サイトで確認するように促しています。
この「犯罪収益移転防止法」って聞きなれない法律だと思いますが、調べてみるとこのように
書かれていました。
「犯罪収益移転防止法」
犯罪による収益の移転防止に関する法律は、資金洗浄およびテロ資金供与対策のため
金融機関等の取引時確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出の義務などの規制を
定める法律で、通称は犯罪収益移転防止法、犯収法とも呼ばれます |
よくある「マネー・ロンダリング」をネタにした詐欺メールと同じ感じですね。
毎度のことながら、私、こちらの銀行さんに口座もないしカードも持ちあわせておりません。
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 【住信SBIネット銀行】お取引目的等の確認のお願い」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「住信SBIネット銀行 <lz@gmail.com>」
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
えっ?!”gmail.com”…
「住信SBIネット銀行」さんがGmailってどういうこと?
信用第一の金融機関が、よそのIT企業のフリーメールアドレスってあり得ないでしょ?
バカバカしくてやってられません…
中国にGmailサーバーって有った?
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることをしっかり立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「lz@gmail.com」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
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Message-ID:「20230402172629602813@gmail.com」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
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Received:「from gmail.com (unknown [175.173.180.188])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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もういちいち確認しにはいきませんが、「住信SBIネット銀行」さんがGmailなんてありえないので
この差出人は、メールアドレスを偽っています。
これは特定電子メール法違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス175.173.180.188”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
代表地点としてピンが立てられたのは、中国 遼寧省 瀋陽市付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようですが
「住信SBIネット銀行」さんが中国のGmailサーバーからメールを送りますかね??(笑)
「お客様」を連呼
では引き続き本文。
住信SBIネットダイレクトをご利用いただき、誠にありがとうございます。
当社では、犯罪収益移転防止法に基づき、お取引を行う目的等を確認させていただいております。
また、この度のご案内は、当社ご利用規約第 6 条2 項 3 に基づくご依頼となります。
お客様お客様の直近の取引についていくつかのご質問がございます、下記のリンクをアクセスし、ご回答ください。
お取引目的の確認
※一定期間ご確認いただけない場合、口座取引を一部制限させていただきます。
※回答が完了しますと、通常どおりログイン後のお手続きが可能になります。
お客様のご返信内容を確認後、利用制限の解除を検討させていただきますので、できる限り詳細にご回答ください。
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【お問い合わせ先】
住信SBIネット銀行インフォメーションデスク
0120-977-211
(受付時間)平日・土・日・祝 9 時~17 時
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不思議なことに「お客様」が連呼されていますね(笑)
確認しないんでしょうか?(^^;)
私、こういったメールの電話番号確認するのが好きで、真っ先に調べてしまうのですが、
このメールに書かれている「0120-977-211」って番号もさっそく調べてみるとこのような結果が
出ました。
確かにメールには「住信SBIネット銀行インフォメーションデスク」と書かれていますが、この電話番号は
何と北海道にあるガソリンスタンドがお持ちのものだとわかりました。(^^;)
いくら何でも馬鹿にしすぎですよね?!
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「お取引目的の確認」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLとトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」での危険度評価がこちらです。
このように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。
そのカテゴリは「フィッシング」と書かれています。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”mjwaldman.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
申請登録者情報は、中国上海とされています。
このドメインを割当てているIPアドレスは”107.150.4.52”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で
ご覧ください。
代表地点としてピンが立てられのは、詐欺サイトのメッカ、ロサンゼルス近郊のリトルトーキョーに程近い場所。
フィッシング詐欺サイトは、この付近に密集しています!
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
本物の「住信SBIネット銀行」サイトも見てきましたが、まったく見分けがつかないほど巧妙に作られた
詐欺サイトです。
絶対にログインしてはいけませんよ!!
このサイト「ログイン」ボタンと「今すぐ口座開設」と書かれたボタン以外のリンクは無効に
なっていました。(笑)
まとめ
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |