使えるほど残高残ってないけど先日も「au PAY」を騙り「本人確認を完了してください」と書かれた詐欺メールを受け取りましたが 今日もこのように、「ご利用のお知らせ」と書かれた身に覚えのないメールが届いています。 
「au PAY」は設定にもよりますが、利用するとすぐに「ご利用速報メール」が届きます。 どうやら埼玉にある「ファミリーマート 川口並木二丁目店」で私の「au PAY」が利用されたようです。 確かに私はauユーザーですが、PAYをほとんど利用しておらず残高は微々たるもので ここに書かれているような50,800円なんて到底支払うことができない状態なんですが でもこのメールだと、その金額を利用した上でもまだ1,942円残っていると書かれています。(笑) もちろんこのメールは詐欺メールで、リンク先でauへのログインIDとパスワードを盗み取ることが 最大の目的です。 本文の中にいくつかリンクが記載されていますが、どれも「au PAY」の正規ドメイン”kddi-fs.com”を 使ったURLではありませんね。 このことから見てもこのメールが偽物であるということが分かると思います。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] 【au PAY】ご利用のお知らせ [メールコードP10032」 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 あらら、慌てたのでしょうか、末尾に必要な” ] ”が抜けちゃっていますね。(;^_^A この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「info <vmfdqeikon@akcnbar.com>」 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 私、「au PAY」を利用したことが無いので「ご利用速報メール」がどのようなメールアドレスで 届くのか知りませんが、少なくとも”akcnbar.com”なんてドメインは「au」に関わるものではありません。
メールアドレスはウソでは、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「vmfdqeikon@akcnbar.com」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「AD31C3869F4AE2B72554809DA385FBE6@akcnbar.com」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from akcnbar.com (unknown [137.220.180.112])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
この差出人は、あくまで自分のドメインは”akcnbar.com”と言い張るようですね。 ならばその鼻っ柱をへし折ってやりましょうか! 先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”akcnbar.com”について調べてみます。 
「対応するIPアドレスがありません」と書かれています。 これはこのドメインに現在IPアドレスが割り当てられていないことを示し、現在このドメインを ネット上で利用することができない状態を表しています。 ネットで利用できないドメインを使ったメールアドレスももちろん使うことはできませんから これでアドレス偽装は確定。 この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね! 「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received” これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 ”Received”のIPアドレス”137.220.180.112”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。 代表地点としてピンが立てられたのは、東京都千代田区九段南付近です。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
“auone”かな?と思ったら”anone”では引き続き本文。 いつもau PAYをご利用いただきありがとうございます。 au PAYのご利用内容をお知らせいたします。■利用店舗 ファミリーマート川口並木二丁目 問合先:048-240-2287 ■種別 支払 ■利用日時 2023年3月14日(日) 6:20:07 ■支払金額 50,800円 ■決済後残高 1,942円 ■伝票番号 100000000729985306■au PAY残高の確認はこちら(au PAY アプリ) h**ps://t.co/zAJRykuzvy ■今回の決済で、スコアを獲得しました スコアとは、auのサービスご利用状況に応じて獲得できるものです。au PAYでは、ご利用回数と金額に応じてスコアを獲得できます。スコアを集めることでステージが上がり、オトクにポイントを貯めることができます。 あなたの現在のステージ・スコアの確認はこちら>> h**ps://t.co/zAJRykuzvy ※獲得したスコアの反映には3日程度かかる場合がございます。詳細は上記サイトでご確認ください。 ■au PAYについてはこちら h**ps://connect-auone-jp-net-vwc-cca-lg-nets-login.sh-guahao.com/ ■ご利用の覚えがない場合は、本メール最下部に記載の「◆電話」の「ポイント、au PAY(コード支払い)、au PAY プリペイドカードのお問い合わせ窓口」までお問い合わせください。 【auサポート】 ◆ WEB h**p://kddi-l.jp/yGN ◆ メッセージ h**://kddi-l.jp/Hbk ※チャットでお応えします。 |
(文中のリンクは全て直リンクできないように一部の文字を書き換えてあります) 調べてみると「ファミリーマート川口並木二丁目店」って実在する店舗で、電話番号も合っています。 まあその辺は調べりゃわかるか。 どれ一つとってもリンクのURLに「au」を彷彿とさせるものはありません。 敢えて言うとすれば、末尾の「auサポート」にある”kddi-l.jp”くらいでしょうか。 このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは直書きされていてそのURLは”h**ps://t.co/zAJRykuzvy”ですが、実はこれ、偽装。 本当のリンク先のURLとトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」での危険度評価がこちらです。 
おっと、まだ「未評価」のようです。 このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。 評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”connect.anonejp.com” “auone”かな?と思ったら”anone”…騙されそうです(;^_^A このドメインにまつわる情報を取得してみます。 
申請登録国は「KN」とありますが、これはカリブ海に浮かぶ国、セントクリストファー・ネイビスの 国名コードです。 そして”Registrant State/Province”に記載の「Charlestown」は、島にある「チャールズタウン」って町。 このドメインを割当てているIPアドレスは”172.67.172.66” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 
こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上で ご覧ください。 ピンが立てられのは「サンフランシスコ」付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 ではリンク先サイトへ、安全な方法で恐る恐る訪れてみました。 
開いたのは、見事にコピーされたauへのログイン画面。 当然詐欺サイトなので偽物ですから絶対にログインしてはいけません!
まとめ狙われるキャリアはいつもauばかりでdocomoやsoftbankは蚊帳の外 これ、どうしてなのでしょうね? 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |