「すー」ってなに?
また「ごいごいすー」です。(笑)
先日もこのようなおかしなメールをご紹介しました。
『詐欺メール』「ごいごいすー」と、来た件
今回も同じ類のメールです。
差出人のメールアドレスもフッター部に怪しいアルファベットと数字が書かれているのも
先日のメールと同じです。
それに今朝は、もう1通同じドメインのメールアドレスからこのようなメールも届いています。
件名なしで本文にも何も書かれていないメール。
いったい何をしたいのでしょうか?…
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] すーをさしあげ。。。」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
所で「すー」って何なのでしょうか?(笑)
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「"のより" <news-c62fazfcefy@jd06vnfkwgflr4wlv.com>」
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
たとえ実在するメールアドレスであってもこのような詐欺まがいのメールに自身の本当の
メールアドレスなんて使うはずがありません。
その辺りをつぎのこうで見ていくことにしましょう。
発信地はブラジル
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: 「news-c62fazfcefy@jd06vnfkwgflr4wlv.com」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
|
Message-ID:「RNRSWRDYNQCVEGLRWOMCVLKR@ihdudvhxcxhtbwv.jp」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
|
Received:「from dynamic-45-224-197-137.conexinternet.net.br (dynamic-45-224-197-137.conexinternet.net.br [45.224.197.137])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
|
先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。
※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する
では、メールアドレスにあったドメイン”jd06vnfkwgflr4wlv.com”について調べてみます。
このドメインの申請は「Registrant City: Reykjavik」とあるのでアイスランドのレイキャビックから。
そして”154.26.131.237”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
先日と同じIPですね。
でも、同じでなければならない”Received”にあるIPアドレス”45.224.197.137”とは全く異なるので
やはりメールアドレスは偽装されていましたね。
「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス”45.224.197.137”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
まず、このIPアドレスに何かドメインが割当てられていないか確認してみました。
すると”conexinternet.net.br”なんてブラジルの国別ドメインを使ったドメインが浮かび上がってきました。
次にこのIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
おっと! このIPアドレスは既にきけんなIPアドレスとしてブラックリストに登録されて
脅威レベルは「高」 そしてその詳細はサイバーアタックの攻撃元とされています。
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
先回はロシアでしたが、今回ピンが立てられたのは、ブラジルのブラジリア付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
「ます!」から始まる奇妙な本文
では引き続き本文。
ます!
ごいごいすーな商品手にしたら
毎日のエブリデーが楽しくなっちゃう
どれにしようか迷わないでねん♪
h**ps://ppt.cc/f41e9x
配信停止:h**ps://ppt.cc/f3km2x
u5No1nWD6L9cIlQaH |
「ます!」から始まるなんて奇妙ですね…(;^_^A
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは本文内に直書きされていて、リンク先のURLがこちらです。
でもこれは偽装で、接続するとすぐにリダイレクト(自動転送)され別サイトに飛ばされます。
そのサイトのURLがこちら。
”http”から始まる暗号化されていない危険なサイトです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
おっと、まだ「未評価」のようです。
このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。
評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。
このURLで使われているドメインは、”uzstabue.shop”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
このドメインの申請もアイスランドのレイキャビックから。
このドメインを割当てているIPアドレスは”172.67.128.206”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
IPアドレスは異なるものの、ピンが立てられのは先日のメールと同じ「トロント市庁舎」付近。
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
トレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」の様子からすると、どこからもブロックされることなく
無防備に放置されているであろう詐欺サイトへ、安全な方法で訪れてみました。
やはり放置されていたのは、偽装B-CASカードの違法販売サイト。
このようなカードを使って番組を視聴するのは売るのも見るのも違法行為です!
絶対に購入しないでください!
まとめ
悪い輩が居るようで、ネットで「B-CASカード書き換え」なんて検索すると、情報はわんさかと
出てきます。
でも、違法は違法!
絶対にマネしないでください。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |