ここ数日、悪質な迷惑メールに悩まされています。 どこにも公表していないメールアドレス宛に、「5億8500万円の新型コロナ特別支援給付金」を 受け取れだの「悩殺メロメロ写真送る」だの「3億円当選」だのあり得ない事が書かれたメールが 朝6時から夜9時半まで立て続けに送られてきます。 現実的に考えて3億円なんておかしいでしょ? せめて1万円くらいなら騙されるかもしれないけどね…(笑)  そして本文は必ずURLが1つだけ書かれているのです。 それも”https”ではなく”http”なんて危険なプロトコルを使ったもので。  では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「▼3億円当せん金お支払いのお知らせ▼」 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 だいたいこんな金額の当選通知がメールでなんて誰が考えてもおかしいと思いますよね? 差出人は 「zakf9se0e3pc9mkghs1s@docomo.ne.jp」 当然こんなメールアドレスはウソです。 毎回異なるアカウント名で、この他にもauやGmailのアドレスからも送ってきます。 これらのメール、きっと同じ人物が送ってきている迷惑メールの類なのでしょうけど、メールアドレスの ドメインが、ドコモやau,Gmailと言った一般的によく使われているものなので、メールソフト内で ドメインで迷惑メールの振り分け機能が使えずに困ってしまいます。
”docomo.ne.jp”はやっぱりウソでは、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 Return-Path: 「zakf9se0e3pc9mkghs1s@docomo.ne.jp」 ”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される メールアドレスです。 一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に 偽装可能なフィールドなのであてにできません。 | Message-ID:「20221021091036765.47930892527360@FFSPR003.FS」 ”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。 このIDは世の中に1つしかありません。 ”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。 ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。 | Received:「from docomo.ne.jp ([10.242.32.68])」 ”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む 自局のホスト情報です。 ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。 すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。 記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。 |
この差出人は、あくまで自分のドメインは”docomo.ne.jp”と言い張るようですね。 ならばその鼻っ柱をへし折ってやりましょうか! 先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”docomo.ne.jp”について調べてみます。  ”35.71.162.15”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”10.242.32.68”ですから全く異なります。 これでアドレス偽装は確定。 この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね!
リンク先は「2人の出会いプラン」本文に書かれているのはたった一行のURLのみ。  これも当たり前のように偽装されています。 このURLに接続すると、リダイレクト(自動転送)されて全く異なるこちらのURLに接続されます。  このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。  このように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。 そのカテゴリは「詐欺サイト」と書かれています。 このURLで使われているドメインは、”hsdgafcg-evg.com” このドメインでWeb検索してみると分かるのですが、相当な悪事をはたらいているようです。 このドメインにまつわる情報を取得してみます。  申請住所は、東京都渋谷区道玄坂のとあるビルで、GMOに依頼してこのドメインを取得しています。 このドメインを割当てているIPアドレスは”107.155.224.20” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。  ピンが立てられのは、詐欺サイトのメッカ、ロサンゼルス近郊のリトルトーキョーに程近い場所。 フィッシング詐欺サイトは、この付近に密集しています! ピンが立てられのは、香港の中環付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。 安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。 何度かウイルスバスターにブロックされて開いたのは「2人の出会いプラン」と書かれた Webメーラーのようなサイトです。  「ナイショ様」ってのが私なのでしょうか。 もちろんこのようなサイトに登録したことも無いし、ましてやどこにも公表していないメールアドレスに 届いたメールなので何故このようなメールが送られてくるのかさっぱり分かりません。
まとめこのブログエントリーを書いている最中も「使いきれる気がしません」などと、他の当選者に 成りすましたようなWebメーラーの書き込みのリンクが付いたメールが送られてきています。 どうやらしばらくはこのようなメールに悩まされそうです… 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |