”なんちゃってレイバン”の偽者販売 今朝はちょっと変わった詐欺メールをご紹介。 余り情報はありませんが、どうやら”なんちゃってレイバン”の偽者販売っぽいショップからのようです。 件名もおかしな日本語ですが、本文はさらに上を行きます(笑) 読んでみましたが、差出人は何が言いたいのかさっぱり分かりません…┐(´д`)┌ では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は 「[spam] Ray Ban、80周年慈善活動、全てのサングラスは2999円だけです!」 「全てのサングラスは2999円だけです」って、意味は分かりますが日本語としては…(汗) ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 「”Ray Ban” <Ray-Ban@admin.com>」 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 ”admin.com”なんて価値の高そうなドメインを取得できるはずがありませんから間違いなく偽装です。 それに「Ray Ban」を騙るなら”Rayban”を使ったドメインを取得するはずです。 その辺りを含め、次の項で見ていくことにしましょう。 ”Return-Path”や”Message-ID”までも偽装する意味は? では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。 ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。 先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”odfczrvda.com”について調べてみます。 「対応するIPアドレスがありません」と書かれていますから、このドメインはどのIPアドレスにも 割り当てられていないようです。 それに「No match for “ODFCZRVDA.COM”.」ともあるので、「whois」には登録されていないようです。 もしかしてと思い「ムームードメイン」さんで取得可能か調べてみると意外な事実が分かりました。 このドメイン、カートに追加できるようなので、現在は空きドメインです。 空きドメインでメールの受送信は不可能なので、このメールアドレスは偽装です。 次に差出人のメールアドレスに使われていたドメイン”admin.com”について。 これも偽装の可能性は限りなく大きいものと思われますが、割当てているIPアドレスから それを立証してみます。 ”52.84.162.65”がこのドメインを割当てているIPアドレス。 本来同じでなけれならない”Received”のIPアドレスが”59.58.49.143”ですから全く異なります。 これでアドレス偽装は確定。 この方にはしっかり罪を償っていただかなければなりませんね! 「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received” これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 ”Received”のIPアドレス”59.58.49.143”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。 このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。 ピンが立てられたのは、中国。 結局はこれも中国発信で、詳しくは福建省三明市付近と出ています このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。 差出人のメールアドレスだけではなく”Return-Path”や”Message-ID”のドメインまで偽装している となれば、間違いなく自身のメールアドレスを知られたくない輩の仕業です。 トレンドマイクロでも危険と評価 では引き続き本文。 ん~、何度読み返しても理解できません…(^▽^;) このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは、本文に直書きされていて、リンク先のURLがこちらです。 ちゃんとSSL化され一見何の変哲もなさそうですが… このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。 やはりこのように既に危険サイトと認識されており、ブラックリストに登録済み。 そのカテゴリは「フィッシング」と書かれています。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”www.rbtqg.com” このドメインにまつわる情報を取得してみます。 登録者は、マレーシアのクアラルンプールにある「Whoisprotection.cc」と言うドメイン申請代行業者。 そしてこのドメインを割当てているIPアドレスは”104.21.63.5” このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。 ピンが立てられのは、カナダのトロントにあるトロント市庁舎付近。 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。 安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。 一度ウィルスバスターにブロックされたもののたどり着いたサイトは何の変哲もない サングラスのショップページでした。 まとめ 詳しい情報は取得できませんでしたが、普通に考えれば、なんちゃっての偽者や粗悪品の販売か 最悪は、商品発送を行わない詐欺が想像できます。 他にもスパーコピーを謳い文句に平然と偽物を売りつけようとする悪質なサイトも有るので 要注意です。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |