自分から自分へウィルス付きのメールが
自分から自分宛てにとても危険なメールが届きました。
そのメールがこちらです。
何が危険かと言うと、メールの末尾に書かれているこの2行。
The file [4 失敗したメール、必要なアクション.html] has been detected containing virus
[HTML/Agent.BUJ!tr], and has been removed. |
訳してみるとこのようになります。
ファイル [4 失敗したメール、必要なアクション.html] はウイルス
[HTML/Agent.BUJ!tr] を含んでいることが検出され、削除されました。 |
とても危険です!
サーバー側で自動で削除されたようですが、どうやらこのメールには、添付ファイルがくっついていて、
そのファイルがウィルスに感染していたようです。(汗)
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「メールボックスから 4 通の未配信メールが送信されました」
ヤバいのは、件名の頭にスパムメールに付けられてくる”[spam]”とスタンプが付けられていいない事。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたものなのですが、どうやらすり抜けてきたようです。
差出人は、自分のメールアドレスになっています。
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、なんとでも書けるのです
発信元はアメリカオレゴン州「ポートランド」付近
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
Return-Path: ここも自分のメールアドレスになっていました。
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールド。
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Message-ID:「20220408204352E5848FC7F4$00DEA4F1B2@*****.***」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも”*****.***”部分は、自分のメールアドレスのドメインになっています。
もちろん偽装可能す。
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Received:「from unknown (HELO WIN-SMN4M36LLMA) (egao@shiotsu.jp@51.81.196.135)」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
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この中で一番信用できるのは”Received”
先に書いた通り”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーのもの。
ここに書かれているIPアドレスについて調べてみます。
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
ピンが立てられたのは、アメリカオレゴン州「ポートランド」付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
添付されていたのはトロイの木馬
では引き続き本文。
こんにちは ****,
メールボックスから送信された 4 通の電子メール ****@*****.*** が、サーバー
エラーのため配信できませんでした。上記の4つの電子メールのレポート。
何もアクションが取られない場合、サーバーは電子メールを削除します。
添付されたメールを読むか、再送信する |
「こんにちは」から始まるメールはロクなものじゃありません。
きっと「Hellow」や「Dear」を翻訳したものでしょうね。
4通のメールが送信エラーになり、何かアクションを起こせ見たいなことが書いてありますが
リンクも何もないので対処のしようがありません。
そう、このメールは、いつものフィッシング詐欺ではなくて迷惑メールでウィルス感染させる
ことが目的なのでリンクを付ける必要はないのです。
付けられていたウィルスは「HTML/Agent.BUJ!tr」で調べるとトロイの木馬のようです。
このトロイの木馬に感染するとリモートでアクセスされ、キーボード入力や、システム情報の収集
ファイルのダウンロード/アップロード、他のシステムへのマルウェアの配信等々が考えられます。
まとめ
メールサーバーに設置された強力なフィルターリングで自動削除されたので良かったものの
こんなのに感染したら恐ろしいことになりそうですね。
他のメールアドレスにも同じものが届いているようなので大量に流されていることが予想されますので
皆さんご用心ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |