三井住友カードからのメールにご注意を
暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか?
今が1年中で一番暑い時期。
お盆過ぎになれば幾分過ごしやすくなると思いますのでもう一息頑張りましょう!
さて、今回の話題はこのSMBC三井住友銀行に成りすますこちらのフィッシング詐欺メールのご紹介。
本文には例の「連絡三段活用」のテンプレが使われていますね。
では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう!
まずはプロパティーから見ていきましょう。
件名は
「[spam] 【三井住友カード】お客さま情報確認・変更のお願い」
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。
この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに「迷惑メール」フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。
差出人は
「SMBC顧客サービス <smbc-card-info3@tfurvtv.cn>」
皆さんはご存じでしょうか?
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。
「三井住友カード」さんには、”smbc-card.com”って正規ドメインをお持ちです。
正規ドメインが有るのにそれ以外のこのようなでたらめなドメインを使ったメールアドレスで
ユーザーさんにメールを送るなんて信用問題に関わる大きな問題です。
発信元サーバーは香港の「柴湾」付近にあり?!
では、このメールがフィッシング詐欺メールであることを立証していきましょうか!
まず、このメールのヘッダーソースを確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、「表示(V)」⇒「メッセージのソース(O)」と進むと見られますよ。
ソースから抜き出した「フィールド御三家」がこちらです。
| Return-Path: 「smbc-card-info3@tfurvtv.cn」
”Return-Path”は、このメールが何らかの障害で不達に終わった際に返信される
メールアドレスです。
一般的には、差出人と同じメールアドレスが記載されますが、ここは誰でも簡単に
偽装可能なフィールドなのであてにできません。
|
| Message-ID:「202207311656327621236@tfurvtv.cn」
”Message-ID”は、そのメールに与えられた固有の識別因子。
このIDは世の中に1つしかありません。
”@”以降は、メールアドレスと同じドメインか若しくはデバイス名が入ります。
ここも偽装可能で鵜呑みにはできません。
|
| Received:「from tfurvtv.cn (unknown [27.124.63.143])」
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む
自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字は、そのサーバーのIPアドレスになります。
|
ドメインの持ち主は、これらの調査ではよく見掛ける私には読めない文字を含む漢字三文字の方。
そして”27.124.63.143”がこのドメインを割当てているIPアドレス。
”Received”のIPアドレスと同じですからアドレス偽装はありません。
「フィールド御三家」の中で一番重要なのは”Received”
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
”Received”のIPアドレス”27.124.63.143”は、差出人が利用しているメールサーバーのもの。
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
ピンが立てられたのは、香港の「柴湾」付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
文字が間違ってるテンプレ
では引き続き本文。
| 【三井住友カード会員サービス】利用いただき、ありがとうございます。
このたび、ご本人様のご利用かどうかを確認させていただきたいお取引がありましたので、
誠に勝手ながら、サービスのご利用を一部制限させていただき、お客様のアカウントのに
登録された電話番号にご連絡いたしましたが、お客様に連絡を取ることができませんでした.
ご連絡させていただきました。
ご回答をいただけない場合、サービスのご利用制限が継続されることもございますので、
予めご了承下さい。
→ご利用確認はこちら |
「連絡」が連発するこのテンプレ本文。
よく見ると、テンプレなのに「お客様のアカウントのに」だったり
「取ることができませんでした.」と句読点がおかしかったりと、どうやらやはり作者は
日本の方ではなさそうです。
このメールは、フィッシング詐欺メールなので詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは「→ご利用確認はこちら」って書かれたところに張られていて、リンク先の
URLがこちらです。
このサイトの危険性をトレンドマイクロの「サイトセーフティーセンター」で確認してみます。
おっと、まだ「未評価」のようです。
このようなフィッシング詐欺サイトがこの評価ではあまりにも危険すぎます。
評価を変更していただけるよう早速申請しておきます。
このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”lkghm.44rmd.cn”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。
当然と言えば当然かもしれませんが、申請者は、先程のメールアドレスのドメインと同じ方でした。
このドメインを割当てているIPアドレスは”204.152.210.253”
このIPアドレスを元にその割り当て地を確認してみます。
ピンが立てられのは、詐欺サイトのメッカ、ロサンゼルス近郊のリトルトーキョーに程近い場所。
フィッシング詐欺サイトは、この付近に密集しています!
この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。
危険と言われると見に行きたくなるのが人情と言うもの。
安全な方法でリンク先の詐欺サイトに調査目的で訪れてみました。
開いたのは、三井住友銀行カードユーザー専用のウェブサイトVpassへのログイン画面。
もちろん偽サイトですから絶対にログインしないでください。
新着情報の最新記事が6月10日ですからかなり以前に複製したもののようですね。(笑)
まとめ
三井住友銀行を騙るフィッシング詐欺メールは、Amazonを騙るものに迫る勢いで増えてきて
いますので要注意です。
恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの
フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。
次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。
いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |