『詐欺メール』『[最終警告]Amazonから情報を更新してください』と、来た件

★フィッシング詐欺解体新書★

明らかにAmazonではない差出人

Amaoznから情報を更新するようメールが届きました。

これによると、アカウント情報の更新が完了していないとのこと。
うっそだぁ～、さっき買い物できたのに？(笑)
それ以前にアカウント情報って更新するものなの？
そんなわけありませんよね！
そう、このメールは詐欺のために作られた悪意のあるメールです。
それが証拠に、差出人のメールアドレスを見ると、全然Amazonのものではありません！

では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう！
まずはプロパティーから見ていきましょう。

件名は『[spam] [最終警告]Amazonから情報を更新してください』
ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。

『最終警告』なんておどろおどろしい言葉を使って、受信者の不安を募りリンクに誘い込もうとしています。
でもこの件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類。
このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている
ものは全て迷惑メールと判断されたもの。
うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと
否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。

差出人は
『”Amazon.co.jp” <noreply@houseofdevotion.com>』
皆さんはご存じでしょうか？
この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。
ですから、ここは信用できない部分です。

まさかAmazonがユーザーに対して”houseofdevotion.com”なんてどこの馬の骨か分からないような
ドメインを使ったメールアドレスでこのような大切なメールを送るはずがありません！

差し出したのは『カゴヤジャパン』ユーザーか？！

では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか！
まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。
私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。

おやおや？”dmail04.kagoya.net”ってホスティングサービスの『カゴヤジャパン』さんのドメイン
じゃありませんか！
まさかひょっとしてこのメールの差出人、カゴヤジャパンさんのユーザーだったりして…

この”Received”に記載のIPアドレスは差出人が利用したメールサーバーに割当てられたもの。
このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば
メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法
違反となり処罰の対象とされます。

※特定電子メール法違反
・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金
・法人の場合、行為者を罰する

では、メールアドレスにあったドメイン”houseofdevotion.com”が差出人本人のものなのかどうかを
調べてみます。

これがドメイン”houseofdevotion.com”を割当てているIPアドレス。
ってか、このドメインにはIPアドレスなんて割り当てられていないようです。
IPアドレスが割り当てられていないドメイン”houseofdevotion.com”利用できませんから
これでアドレスの偽装は確定です！

因みに”Received”に記載のIPアドレス”210.134.58.254”にはどのようなドメインが割り当てられて
いるのでしょうか？
はい、調べてみます！

やっぱり『カゴヤジャパン』さんが管理するドメイン”dmail04.kagoya.net”が割り当てられていましたね！

じゃこのメールどの辺りにあるサーバーから発信されたものなのでしょうか？
はい、こちらも調べてみます！
”Received”は、このメールが通過してきた各受送信サーバーが自身で刻む自局のホスト情報です。
ここに掲げた”Received”はこのメールが最初に通過したサーバーのもの。
すなわち、差出人が使った送信サーバーの自局情報。
記載されている末尾の数字”210.134.58.254”は、そのサーバーのIPアドレスになります。
これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。
このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。

くどいようですが送信に利用されたプロバイダーは『KAGOYA JAPAN』

位置情報は、IPアドレスを元にしているので、かなりアバウトな位置であることを
ご承知いただいた上でご覧ください。

代表地点としてピンが立てられたのは、悪の中枢『JR神田駅』付近です。
このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。

詐欺サイトは『杉並区和泉2丁目公園』付近のサーバー内に！

では引き続き本文。

このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。
そのリンクは『アカウント情報の更新ページへ』って書かれたところに付けられていて、
そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での危険度評価がこちらです。

既にしっかりブラックリストに登録済みですね。
リンクへ移動してもサイトはブロックされるでしょう。

このURLで使われているドメインは”cre8tiveimpressions.com”
このドメインにまつわる情報を取得してみます。

中国の重慶市の方が管理されているこのドメインを割当てているIPアドレスは”43.163.199.37”
このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。

利用されているホスティングサービスは、中国の『Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited』

こちらもIPアドレスを元にしているので、アバウトな位置であることをご承知いただいた上でご覧ください。
今度ピンが立てられたのは、こちらも悪の中枢『杉並区和泉2丁目公園』付近。
ここではいくつもの詐欺サイトの存在が確認されています。

危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A
それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。

しっかりブロックされましたが、かいくぐって先に進んでみたらこのようにAmazonのログイン画面っぽい
ページが開きました。

ログインしてしまうと、その情報が詐欺師に流れてしまいます。
そして次に開いたページで個人情報を更新させると称しそれらの情報や、更にはカードの情報まで
詐取されることでしょう。

まとめ

こうやって詐欺メールのブログを書いている最中も何通ものAmazonnを騙る詐欺メールが次から次へと
送られてきています。
次から次に新種のメールも届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。

いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^;