アメエクとは全く異なるドメインメールなんだか今年に入り詐欺メールが急に減少傾向にあるのは私の所だけでしょうか? いつもなら一晩に50通程度だったものが今朝は13通に留まっています。 ま、それは良いことなので前向きに捉えるとして、そんな中でもやっぱり新種のものがあって 今朝はこのメールをご紹介しようと思います。 アメリカンエキスプレス(以降アメエク)から画像リンクがことごとく切れてしまっている カード利用確認メールが届きました。 これがそのメールです。 最初のカードアイコンの画像以外図べ手がリンク切れで表示されていません。(^^;) どうやらこのメールによると、今月は2,732円の利用があったようです。 因みに私、アメエクカード持っていませんけどね。(笑) ってなわけでこのメールはカードの情報を聞き出そうとする詐欺メールです。 では、このメールを解体し詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきましょう。 件名は『[spam] 【American Express】カードご利用金額のお知らせ』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『”American Express” <support@ohfxx.shop>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 アメエクのオフィシャルサイトでURLを確認すれば簡単に分かることですが、アメエクさんの 公式ドメインは”americanexpress.com”であってけして”ohfxx.shop”なんてショッピングサイトのような ドメインではありません。
久々に『天安門広場』の地図がでは、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 Received:『from mail.ohfxx.shop (unknown [113.31.114.166])』 |
ここに掲げた”Received”はこのメールが差出人から送信された後最初に通過したサーバーのもので すなわち差出人が使った送信サーバーの自局情報です。 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 でもこの数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”ohfxx.shop”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。 これがドメイン”ohfxx.shop”の登録情報です。 これによるとこのドメインは中国のアリババ系クラウドサービス『阿里云』が所持しているもので ”113.31.114.166”がこのドメインを割当てているIPアドレスであることが分かりました。 ”Received”のIPアドレスと全く同じ数字なのでこのメールアドレスは差出人ご本人さんのもので 間違いなさそうです。 ”Received”に記載されているIPアドレス”113.31.114.166”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 地図に立てられたピンの位置は、久々に中国北京にある『天安門広場』の東側辺り。 この辺りには昔から詐欺メール発信サーバーがたくさん設置されているところです。 そして送信に利用されたのは、中国に拠点を置く『Ucloud』と言うプロバイダー。 このメールは、この付近に設置されたメールサーバーを介して私に届けられたようです。
未評価の原因は?では引き続き本文。 現在のカードご利用金額をお知らせいたします。 現在のカードのご利用金額:2,732 円 本Eメールの配信曜日の変更、配信停止は「オンライン・サービス」にて行えます。 |
本文自体はごくごく短いもので構成されています。 このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『「オンライン・サービス」へログイン』って書かれたリンク切れした画像に 付けられていて、そのリンク先のURLとトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での 危険度評価がこちらです。 どうやらまだ新しいサイトのようで誰も評価依頼を行っていないURLのようです。 リンク先の様子次第で私から変更の申請を行っておきます。 このURLで使われているドメインは、サブドメインを含め”americaexpress.xkmql.cn” ”american”の”n“が抜けてるような気がしますが… このドメインにまつわる情報を取得してみます。 あっ、このドメインの申請者は久々にあの読めない漢字の方だ。 最近大人しかったのに復活したんですね!(;^_^A このドメインを割当てているIPアドレスは”23.160.193.184” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。 今度は、アメリカのシカゴ付近にピンが立てられました。 利用されているホスティングサービスはアメリカイリノイ州に拠点を置く『NetInformatik』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 トレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での危険度評価からすると、リンク先の 詐欺サイトは、どこからもブロックされることなく無防備な状態で放置されていると思われます。 そんなサイトに、調査を目的で安全な方法を利用して訪れてみることにします。 すると何やら中国語で書かれたエラーページが開きました。 何が書いてあるのか分からないので翻訳してみます。 ・原文『十年磨一剑-为API开发设计的高性能框架』(文字化けしてたらごめんなさい) ・訳文『刀を研ぎ続けた10年 – API開発向けに設計された高性能フレームワーク』 あはは、翻訳してもさっぱり分からんわ(;’∀’) それ故にトレンドマイクロの『サイトセーフティーセンター』での危険度評価だったんですね。
まとめ恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |