「【重要】JALマイレージバンク マイル加算のお知らせ」は詐欺!群馬・埼玉を騙る実在しない中継サーバー名で正規経路を偽装する手口を解析

HL-META: date=2026-08-10 | brand=JALマイレージバンク | sender_geo=日本 | site_geo=unknown | spf=pass | dkim=pass | cloaking=unknown

お盆休みで旅行の予定を立てている方も多い時期ですね。そんなタイミングを狙ってか、今日はJALマイレージバンクを騙るメールが届きました。中身を見てみると、ヘッダー部分になかなか手の込んだ仕掛けがあったので、じっくり解析していきます。

【調査レポート】JALマイレージバンク マイル加算のお知らせの正体

Heartland-Lab(ハートランド・ラボ)専門調査レポート

JALマイレージバンクを騙り、「マイルが自動積算されていない」という不安を煽ってリンクをクリックさせるフィッシングメールです。今回の見どころは、実在しない都道府県ドメイン風の中継ホスト名をメールヘッダーに挿入し、正規の配送経路を装っていた点。ぱっと見の複雑さで信頼性を演出する、なかなか手の込んだ偽装工作でした。

緊急性レベル ★★★★☆ (4/5)
偽装工作精度 ★★★★☆ (4/5)

※重要:本メールはHTML形式で配信されており、開封しただけでもアクティブなメールアドレスとして攻撃者リストに登録されるリスクがあります。

ご覧の通り、このメールはJALマイレージバンクを装った真っ赤な偽物です。被害を未然に防ぐため、この解析結果を家族のLINEグループに転送して注意喚起してください。

■ 詐欺メール本文の再現

※以下は届いた詐欺メールの文面を、技術検証のために忠実に再現したものです。


件名:[spam] 【重要】JALマイレージバンク マイル加算のお知らせ
送信者:"JALマイレージバンク事務局" <ubkkd@ubkkd.dfclwzycw.com>

JAL MILEAGE BANK

マイル積算に関する重要なお知らせ

平素よりJALマイレージバンクをご利用いただき、誠にありがとうございます。

このたび、下記のマイルが自動で積算されていないことを確認いたしました。
「JAL会員情報」の修正・確認手続きをお願いいたしたく、ご連絡申し上げます。

【保留中の未積算マイル】
・保留マイル数:1,123 マイル
・計上前有効期限:メール拝受より3日以内

※ご登録いただいている「JMB会員情報」と、ご予約時にご利用いただいた情報に相違があるため、
 上記マイルが自動で入帳されておりません。

【お手続きの手順】
1. 下記ボタンより情報の修正・確認手続きを行ってください。
2. 手動でのマイル積算申請を完了させてください。
3. 積算処理の完了後、確認メールが自動送信されます。

[マイル積算手続きへ進む →]

■ご注意事項
・上記リンクの有効期限は本メール送信後72時間以内です。
・積算完了後のマイル有効期限は、積算日から36か月後の月末となります。
・本メールに心当たりのない場合は、直ちにJALサポーターズルームへご連絡ください。

※本メールは送信専用アドレスより配信されています。
JALマイレージバンク サポート

実際に届いた詐欺メールの画面。未積算マイル数と72時間以内の期限表示で焦らせる典型的な構成。

■ 送信ルート及び偽装判定

認証結果:SPF = Pass / DKIM = Pass
Received-SPF: Pass; client-ip=20.210.178.72; helo=ubkkd.dfclwzycw.com

【偽装判定】:
送信元IP 20.210.178.72 は、日本国内のJALマイレージバンク公式サーバーとは一切関係がなく、米マイクロソフト社のクラウド基盤「Azure」上のホストであることが判明しました(後述のip-sc.net調査で大阪リージョンと確認)。

実在しない中継ホスト名の挿入:
さらに詳しくヘッダーを追うと、途中の経路にsmtp.mailer-platform.gunma.jpsmtp.notify-analytics.saitama.jpという2つの中継ホスト名が記載されていましたが、いずれもDNS上に実在しないドメインでした。「群馬」「埼玉」など日本の都道府県名を含む、いかにも公的・地域密着型サービスのような名前を差し込むことで、正規の配送経路を装う偽装工作と考えられます。

💡ここで! Receivedヘッダーって何?

メールには、送信元から受信者に届くまでに通過したサーバーの記録(Receivedヘッダー)が残ります。本来は「本当にその経路を通ってきたか」を確認するための仕組みですが、攻撃者はこの記録に実在しないサーバー名をあらかじめ書き込んでおくことで、一見複雑で信頼できそうな配送経路を演出できてしまいます。地名入りのもっともらしいホスト名は、その典型的な手口の一つです。

■ 送信元IPロケーション

IP:20.210.178.72
プロバイダー:Microsoft Corporation(AS8075)
利用形式:hosting(Azureクラウド)
所在地:日本・大阪府大阪市(Azure大阪リージョンのデータセンター)
脅威レベル:

※これはAzureのデータセンター所在地であり、攻撃者本人の実際の居場所を示すものではない点にご注意ください。

■ フィッシングサイト詳細解析

■ 誘導先の状況

誘導先URL(伏せ字):
hxxps://jlytwy[.]com/bfLMbnFj

【現在の状態】:本記事執筆時点で jlytwy.com はDNS解決不能(NXDOMAIN)となっており、誘導先サイト自体がすでに消滅していました。ヘッダーの手の込みようとは対照的に、着地サイトの寿命は短かったようです。なお、Googleのセーフブラウジング機能では本URLが過去にフィッシングサイトとして検出されており、Chromeでアクセスすると警告画面が表示される状態だったことも確認できています。

Googleのセーフブラウジングが誘導先URLを危険なサイトとして検出していた記録。

現在、誘導先ドメイン自体が消滅しており、アクセスすら不可能な状態。

■ 注意点と対処法

  1. URLを絶対にクリックしない:「マイル積算手続きへ進む」ボタンはフィッシングサイトへの入口です。
  2. 複雑な配送経路表示に惑わされない:ヘッダーが立派に見えても、実在しないホスト名が紛れ込んでいる場合があります。一般の方が見分けるのは困難なため、まずはリンクをクリックしないことが最優先です。
  3. 公式アプリ・公式サイトから確認:マイル積算状況は、必ずJALマイレージバンクの公式アプリまたはブックマークからログインして確認してください。
  4. 公式の注意喚起を確認:JAL公式|JALマイレージバンクを装った不審メール・偽サイトにご注意ください

本レポートの結論

今回の詐欺メールは、実在しない都道府県名入りの中継サーバーをヘッダーに紛れ込ませ、一見手の込んだ配送経路を演出する手口でした。とはいえ肝心の誘導先サイトはすでに消滅しており、見た目の凝りようほど長続きはしなかったようです。身近な人が「マイルが消える」と焦ってボタンを押してしまう前に、この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで「これ気をつけて!」と共有してあげてください。

※メールヘッダー詳細は個人情報保護のため非掲載

Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
根拠データ参照元:ip-sc.net

使用配色テーマ:Forest

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