難しい言葉ばかりで… いつもご覧いただきありがとうございます! ビットコインだのNISAだのFXだのとじじいにはよく分からない言葉が普通に飛び交う世の中になりました。 私はとんとこれらには全く興味が無く、地道にコツコツが身上です。 そんな私宛にこのような『エアドロップを受取ります』なんてメール貰っても全くピンときません。 このメールは『Metamask』とやらから送られてきたようですが、この『Metamask』自体どこの どういう団体なのかさっぱり分かりません。(;^_^A 調べると『Ethereum系ブロックチェーンの通貨やNFTを一括で補完・管理できるソフトウェアウォレット』 と…???(笑) まあなんでもいいけど(^^;) メールを読むと、このMetamaskとやらから『エアドロップ』って飴ちゃんがもらえるらしい。 このエアドロップってどんな飴ちゃんなんだろうか? これも調べてみました。 『あらかじめ定められた条件をクリアすると、仮想通貨やトークンを無料でもらえるイベント』 またまた『トークン』なんて知らない言葉が…(;^_^A いや、こんな取り留めのないこと調べてても私にとっては時間の無駄ですね!(笑) では詮索はその辺りにしておいて話を先に進めます。 このメール、ぱっと見『Metamask』からのメールのようですが、件名の見出しに[spam]と付けられている 通り少し様子が違ってきな臭い感じがします。 よって少し深堀し、このメールを解体ながら詳しく見ていきましょう! まずはプロパティーから見ていきます。 件名は『[spam] Metamaskエアドロップを受け取ります!』 ご承知の通り件名欄は、差出人が書き込むものですからいくらでも適当に記入できます。 この件名には”[spam]”とスタンプが付けられているので迷惑メールの類です。 このスタンプはスパムスタンプと呼ばれるサーバーからの注意喚起で、これが付いている ものは全て迷惑メールと判断されたもの。 うちのサーバーの場合注意喚起だけですが、例えばGoogleのGmailサーバーの場合だと 否応なしに『迷惑メール』フォルダーに勝手に保存されるような仕組みもあります。 差出人は 『MetaMask <mdwfktm@mag.com>』 皆さんはご存じでしょうか? この差出人欄は完全に自己申告制で、誰でもウソが書けるフィールド。 ですから、ここは信用できない部分です。 ソニーグループのメールアドレスを拝借してた! では、このメールが悪意のあるメールであることを立証していきましょうか! まず、このメールのヘッダーソースにある”Received”を確認し調査してみます。 私が愛用のThunderbirdの場合、『表示(V)』⇒『メッセージのソース(O)』と進むと見られますよ。 Received:『from mag.com (114-43-207-127.dynamic-ip.hinet.net [114.43.207.127])』 | ここに掲げた”Received”は、ヘッダー内に複数ある”Received”の中で時系列が一番古いもので このメールを差出したデバイスの情報と最初に通過したサーバーの情報が刻み込まれています。 むむ? ( )内に”dynamic-ip.hinet.net”なんて全然別のドメインが記載されています。 これは何を意味するのでしょう? 末尾の4つに区切られた数字の集まりはIPアドレスと呼ばれるいわばインターネット上の住所や電話番号で 同じ数字の集まりは世界中に1つしかありません。 因みに、この数字の集まりじゃあまりにも煩雑でわかりにくいので、それに文字を割り当て分かり易くした ものがドメインと呼ばれるものです。 ”Received”の前半のドメイン部分は、往々にして偽装されていることが多いものですが、末尾のIPアドレスは 送信者のデバイスに割当てられたもので偽装することができません。 このIPアドレスが差出人のメールアドレスのドメインに割当てられているものと一致すれば メールアドレスの偽装は無かったことが証明されますが、そうでない場合、特定電子メール法 違反となり処罰の対象とされます。 ※特定電子メール法違反 ・個人の場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金 ・法人の場合、行為者を罰する では、メールアドレスにあったドメイン”mag.com”が差出人本人のものなのかどうかを 調べてみます。 これがドメイン”mag.com”の登録情報です。 この結果から以下のことが分かります。 ①このドメインの持ち主は、Metamaskではなく『Sony Interactive Entertainment LLC』で ソニーグループの傘下『ソニー・インタラクティブエンタテインメント』です。 ②『対応するIPアドレスがありません』と書かれているので、このドメインはどのIPアドレスにも 割り当てられておらずネット上で利用できないもの。 これらの結果から見てこのメールのドメインは”mag.com”ではなく偽装されていることが分かります。 ”Received”に記載されているIPアドレス”114.43.207.127”は、差出人が利用したメールサーバーの情報で これを紐解けば差出人の素性が見えてきます。 このIPアドレスを元に送信に使われた回線情報とその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、台北の内湖区辺り。 そして送信に利用されたプロバイダーも台湾に拠点を置く『中華電信』です。 このメールは、この付近に設置されたデバイスから発信され、このプロバイダーのメールサーバー を介して私に届けられたようです。 フィッシングサイトは香港に では引き続き本文。 Metamaskエアドロップが始まりました! 日頃よりMetamaskをご愛用いただき、ありがとうございます。 このメッセージをご覧になっていただければと幸いです。現在、興奮する情報をお知らせ致します。これにより、暗号通貨の旅の刺激さがさらに高まってくると考えられます。Metamaskは、有史以来、最大のエアドロップを行わせていただくことと決まりました!ですので、ぜひともその一員となっていただけると幸いに存じます。 Metamaskは200万ドルのイーサリアムのエアドロップを実行する予定です! トークンの発行をお祝いするために、2,000,000ドル分のイーサリアムの景品活動を催すこととします。今回のエアドロップでは現有ユーザー、そして間もなく加入される新規顧客が対象となります。 参加方法: • 下記のボタンを押して、エアドロップを受け取ってください。. エアドロップを受け取ります もし上のボタンが機能しない場合、以下のページをお試しください:h**ps://metamask.io.logints.org/ 以上、よろしくお願いします。 BY:Metamaskチーム | ※直リンク防止のためURLの一部の文字を変更してあります。 このメールは詐欺メールですから詐欺サイトへのリンクが付けられています。 そのリンクは『エアドロップを受け取ります』って書かれたところとURL直書きの所にあり。 そのリンク先は、コンピュータセキュリティブランドのトレンドマイクロの 『サイトセーフティーセンター』での危険度はこのように評価されていました。 既に『フィッシングサイト』としてしっかりブラックリストに登録済みですね。 このURLで使われているドメインは”metamask.io.logints.org” このドメインにまつわる情報を取得してみます。 このドメインを割当てているIPアドレスは”134.122.174.182” このIPアドレスを元にサイト運営に利用されているホスティングサービスとその割り当て地を確認してみます。 (※IPアドレスから導き出された位置情報は、必ずしもそれほど正確ではありません) 地図に立てられたピンの位置は、香港の柴湾地域 利用されているホスティングサービスは、シンガポールに拠点を置く『Rackip Consultancy Pte. LTD』 この辺りに設置されたウェブサーバーに、リンク先の詐欺サイトは構築されているようです。 危険だと聞かされると余計に見に行きたくなるのが人間のサガ…(;^_^A それを承知で、しっかりとセキュリティーの整った環境下で見に行ってみました。 開いたのはこのような『Metamask Airdrop is now Live!』と書かれた賑やかしいページです。 話の流れからお分かりだとは思いますが、このサイトは詐欺サイトですのであしからず。 まとめ 恐ろしいことに、今、こうしている間にも大量のフィッシング詐欺メールが発信されたくさんの フィッシング詐欺サイトが作られ消滅していきます。 次から次に新種のメールが届くので常に意識して被害に遭わないようご注意ください。 いつものことながら、誤字・脱字・意味不明がありましたらお許しください(^-^; |