【緊急解析】Amazonを装った「ローソン1,500円クーポン」詐欺メールの罠——SendGrid悪用+偽認証でAmazonアカウントを狙う手口を公開

🔴 緊急度:高
| 緊急性レベル | ★★★★★ (5/5) |
| 偽装工作精度 | ★★★★★ (5/5) |
■ メールヘッダー解析(送信者情報)
件名:【緊急】ローソン1,500円分クーポンを受け取ってください
送信者名:“キャンペーン事務局”(偽装)
送信元アドレス:fslkdj@clancers.com(Amazonともローソンとも無関係)
送信元IP:149.72.126.143(SendGrid・米国)
SPF認証:Pass(メール配信サービスSendGridを悪用して「合格」に偽装)
DKIM署名:Pass(d=clancers.comで署名。偽ドメインでの「合格」)
受信日時:2026年6月16日 15:31:23
フィルター記録:X-FEAS-SURL: https://aokaitong.com/... (フィッシング判定)
ご覧の通り、このメールはAmazonとローソン両方を装った真っ赤な偽物です。被害を未然に防ぐため、この解析結果を家族のLINEグループに転送して注意喚起してください。
■ 詐欺メール本文の再現
※以下の内容は届いた詐欺メールを技術検証のために忠実に再現したものです。リンクはすべて無効化しています。
ローソン1,500円クーポンのご案内 Amazonをご利用いただき、誠にありがとうございます。 このたび、対象のお客さまに向けて ローソン1,500円分クーポン を進呈するご案内をお送りしています。 本メールの受信者様は該当者にあたりますので、以下より受け取り手続きを完了してください。 ┌─────────────────────┐ │ 進呈内容 │ │ ローソンクーポン(1,500円分) │ │ 全国のローソン店舗で利用可能 │ │ 1会計1,500円以上で使用可 │ └─────────────────────┘ クーポンを受け取る(※リンク無効化済み) ご確認事項 ・キャンペーン期間:2026年6月1日〜8月31日 ・1会計1,500円以上の購入で使用可能 ・他のクーポンとの併用不可/現金引換不可 ※本メールは通知設定を有効にされたお客さまへ配信されています。返信には対応しておりません。 このメールは送信専用です。
▼ 届いた詐欺メールのスクリーンショット(宛先部分はモザイク処理済み)

▲ AmazonのロゴとデザインでローソンクーポンをPRする巧妙な偽メール。本物のAmazon×ローソン提携を悪用した手口
■ 送信ルート及び偽装判定
■ 送信ルート及び偽装判定
※本来であればReceivedヘッダーの全文をスクリーンショットでお見せしたいところですが、受信者側のサーバー情報が含まれるため掲載を控えています。ご了承ください。
Receivedヘッダー解析(サーバー通過証明):
Received: from s.wrqvtzvf.outbound-mail.sendgrid.net (s.wrqvtzvf.outbound-mail.sendgrid.net [149.72.126.143])
【偽装判定】SendGridを悪用した認証すり抜け:
Amazonの正規メールは @amazon.co.jp ドメインから届きます。本メールの送信元は clancers.com という全く無関係のドメインです。さらに攻撃者はSendGrid(センドグリッド)という正規のメール一括配信サービス(企業が大量にメールを送るときに使う商用ツール。ニュースレターや注文確認メールなどに広く使われています)を不正に利用して送信しており、これがSPF認証(送信元が本物かどうかを確認する仕組み)とDKIM署名(メールが改ざんされていないことを確認する仕組み)を両方「合格(Pass)」にみせかけることを可能にしています。SendGridを経由しているから「安全なメール」とはならない、という点が重要です。
発信元ロケーション解析:
SendGridサーバー所在地:米国
※SendGridは世界中の企業が利用するクラウドサービスのため、送信元が「米国」であってもそれ自体は攻撃者の所在を示しません。
※ロケーション情報は調査時点のものです。IPアドレスの割り当ては変更される場合があります。
「Amazonとローソンの提携」を悪用:
実際にAmazonとローソンは提携しており、Amazonで注文した荷物をローソンで受け取るサービスなどが存在します。攻撃者はこの実在する提携関係を知った上で、「Amazonからローソンクーポンがもらえる」というシナリオを作り上げています。知識があればあるほど信じてしまいやすい、なかなか手の込んだ釣り針です。
■ フィッシングサイト詳細解析
■ フィッシングサイト詳細解析
誘導先URL(伏せ字):
hxxps://aokaitong[.]com/knda3f0zh0c6r3ucq24vngfk?fu6ilg24rkr70vf9ba3ol3t6=rsu7u48e8pkxbj9j9tuoiyfs
ドメイン:aokaitong.com(中国語で「青い開通」を意味する可能性があり、中国語圏の攻撃者グループの関与が疑われます)
サイトサーバーIP:172.67.198.237(Cloudflare CDN・実態隠蔽)
Cloudflare(クラウドフレア)のCDN(世界中にサーバーを分散配置してWebサイトを配信する仕組み)を経由させることで、詐欺サイトが実際に置かれているサーバーの本当の場所を隠しています。
※ロケーション情報は調査時点のものです。IPアドレスの割り当ては変更される場合があります。
三段構えの誘導フロー:
① メール内の「クーポンを受け取る」ボタン
↓
② 偽「認証保護プログラム」画面(「お使いのブラウザからのアクセスを確認しています。これはAmazon公式の認証保護プログラムです」)
← ここで「続ける」を押させることで、セキュリティツールの自動巡回を回避するクローキング(閲覧者の種類によって表示内容を変える偽装手法)を実施
↓
③ 偽Amazonサインイン画面(「携帯電話番号またはEメールアドレスを入力してください」)
← ここでアカウント情報を入力させて盗む
▼ ウイルスバスター クラウドによるフィッシング警告画面

▲ トレンドマイクロのウイルスバスターが即座に「フィッシング」と判定してブロック
▼ 偽「Amazon認証保護プログラム」画面(クローキング用の偽CAPTCHA)

▲「Amazon公式の認証保護プログラム」と称しているが、本物のAmazonとは無関係。ボット検知をかわすための偽の関門
▼ 偽Amazonサインイン画面

▲ 本物そっくりに作られたAmazonサインインページ。ここに入力した情報は攻撃者に筒抜けになる
※解析データに基づき、攻撃者は短期間でドメインを使い捨てていることが確認されています。
■ 注意点と対処法
- 「Amazon×ローソン提携」を使った話は要注意:本物の提携サービスがあるだけに信じやすいのが今回の手口の狙いです。公式キャンペーンかどうかは、メール内リンクからではなくAmazonアプリやマイページから確認してください。
- 送信元アドレスを確認する:Amazonの正規メールは
@amazon.co.jpなどAmazonのドメインから届きます。@clancers.comのような全く異なるドメインからのメールは偽物です。 - SPF・DKIMが「合格」でも油断しない:SendGridのような正規の配信サービスを不正利用すれば、メール認証は誰でも「合格」にできます。認証マークだけを信頼するのは禁物です。
- 「Amazon公式の認証保護プログラム」は存在しない:「アクセスを確認しています」という画面が出ても、それはセキュリティツールをかわすための偽の確認画面です。「続ける」を押さずにブラウザを閉じてください。
- 入力してしまった場合は即座にパスワード変更:Amazonのメールアドレス・パスワードを入力してしまった場合は、すぐにAmazon公式サイトからパスワードを変更し、二段階認証を設定してください。
- Amazonのメッセージセンターで確認:本物のAmazonからのメールは、Amazonのサイトにログインした後「メッセージセンター」で必ず同じ内容が確認できます。怪しいと思ったらそちらで確認しましょう。
- 公式注意喚起の参照:Amazon:AmazonからのEメール、電話、テキストメッセージ、またはウェブページかどうかを見分ける
本レポートの結論
今回の詐欺メールは「AmazonとローソンのリアルなコラボをAmazonのデザインで告知する」という、非常に信じやすいシナリオを仕掛けてきます。SendGridというプロも使う配信サービスでSPF・DKIM両認証をクリアし、偽の認証画面でセキュリティツールをかわし、最後に精巧なAmazonサインイン偽画面でアカウントを丸ごと盗むという三段構えです。「Amazonからローソンのクーポンが来た」と思っても、まずは深呼吸して送信元アドレスを確認する習慣が身を守ります。身近な人が騙されてからでは手遅れです。この記事のURLをコピーして、家族のLINEグループで『これ気をつけて!』と共有してあげてください。
調査日:2026年6月16日 / Data Provided by Heartland-Lab Security Research Unit
※本記事に記載のIPアドレス・ロケーション情報は調査時点のものであり、日々変化する可能性があります。本記事の情報に基づいて生じた損害について、当ラボは責任を負いかねます。
根拠データ参照元:ip-sc.net














